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12星座もしもシリーズ55(夏休みリゾート編3)

天秤『上手く行くといいな、獅子。てか、水瓶を知り尽くしている俺が考えた策が失敗するわけがない!!けど・・・、獅子が作戦通りに上手く話せるか、不安だ~~!』

天秤の不安をよそに、なんだか楽しそうに話している雰囲気の獅子と水瓶だった。

なんて思っていると、猛スピードで獅子がこちらに向かってくる!!!
そして、天秤の両手をつかみブンブンと振り回し抱き着いてきた!
獅子「あ、ありがと~~!天秤のおかげで水瓶からOKもらった~~~!!!」
天秤「そ、そうか。良かったな。」
そう言い残して、獅子父の元に向かう獅子。

双子「え?まぢで獅子と水瓶付き合うの?」
牡羊「ぢゃ、祝ってあげないとなぁ?」
射手「あれって、冗談じゃなかったんだ(笑)」
山羊「ったく!悪乗りしすぎでしょw」

てくてくと水際から戻って来た水瓶。
水瓶「砂浜歩くのって、疲れるね~~。って、なんかあった??」
双子「なんか知らんけど、獅子と上手く行って良かったな!」
牡羊「だな~~、なんでか知らないケド!」
ポンポンと水瓶の肩を叩く二人。

水瓶「いや、やめて!!!痛いから!!!」
山羊「ったく!!!やめ!調子乗りすぎ!」
双子と牡羊が面白がって水瓶を叩くのを止める山羊。

山羊の行動に、呆然とする天秤。
射手「なんか、お前のオカブ、会長に取られちゃった?」
天秤「・・・。いやぁ~~、面倒な事やってくれて有難いよ~~。」(・・・・。なんか複雑な気分だw)

SS(アルファ)「あ、水瓶君!社長が後片付けは他の人に任せて、風呂行ってこいっていうから、俺ら風呂行くよ~~。一緒いこ~!」
水瓶「はーーい!」
そそくさとSSメンバー達と風呂に行く水瓶。

天秤「何故、ああいう素直な態度を普段はしないw」
山羊「全くです!」
いつの間にか天秤の真横に居て、水瓶を見送っている二人だった。
天秤「なんか、ダメ息子を見守ってるおとんとおかんみたいw」
思わず口をついてしまった天秤。

山羊「獅子父さんも、こんな気持ちなんでしょうか?」
天秤『な、なんか変なムードになってしまったような・・・・。ど、どうすりゃいい?だ、誰か助けて!!』
そう思いつつ、射手に目を向けると牡羊と双子と一緒にわやわやしていた・・・・。
天秤『くぅぅぅ!!』

SSメンバーと水瓶が風呂に入っているあいだ、他のメンバー達で後片付けタイム。
山羊の支持のせいなのか、皆必死にてきぱき動いて、あっという間に片付け終わって後は、SSメンバーと水瓶が風呂から帰って来るのを待つばかりだった。

この間にに話をしてしまおうと天秤と一緒に両親の元に寄って行った獅子。
獅子「父ちゃん、母ちゃん、俺の家庭教師、紹介するわ。
天秤、よろしく!」
天秤「さっそくですが、獅子君の家庭教師を紹介しますね。
まずは、このQRコードを読み込んで貰えますか?」
天秤がスマホでQRコードを提示した。

射手「天秤、俺らもやっていい?」
双子「それって最新版?なら俺もコード貰う~。」
牡羊「俺も!」
山羊「って、なんですかそれ?私も貰います!」

QRコードから誘導されたアプリをダウンロードすると・・・。

アプリ「はじめまして!あなた専属家庭教師です!まずは私に名前つけてください。・・・・」
てな感じでチュートリアルと同時に設定画面が表示された。

獅子父「この・・・人が家庭教師なのか?」
獅子母「あらあら!すごいじゃない!私もイロイロ教えて欲しいわぁ~~♪」
獅子父「母さん、イロイロとはどういう事ですか?」と、疑惑の目を向ける獅子父だった・・・💦

山羊「まずは、好きなビジュアルを作れるんですね。どうしましょ・・・。」
牡羊「・・・・・・。」
無言で家庭教師のキャラを作る牡羊。
双子「牡羊、なんか真剣だな??って・・・・・。そっか・・・・。」
それをのぞき込んでいた双子だったが・・・。
まだ、牡羊の心は晴れてないんだな、と分かった双子だった。

射手「毎日違うお姉さんに出来るってのも、いいね♪」
天秤「お姉さんてw」
射手「ん?お兄さんも入れちゃう?」
天秤「うん・・・、相談乗ってくれる兄貴的キャラもいいかも!」

獅子が何かを無心に入れている途中に、いきなりロデムが獅子のスマホを叩き落とした!
獅子「な、なにすんだよロデム!スマホ壊れたらどうすんだ!」

獅子の落としたスマホには・・・。


双子「お?さっすが獅子、やっぱそう来たか!」
牡羊「てか、こういう設定って獅子のために、水瓶が用意したんじゃない?」
獅子のスマホを拾い上げた山羊。
獅子の作っていた家庭教師のキャラクターを見た途端・・。

山羊「・・・・・。」
山羊の眉間に深い縦皺が刻まれたと思ったとたん、すさまじい霊力もとい圧が獅子を襲った!
獅子「さ、ささ、ささささ・・・・さぁせん!」
うやうやしく山羊からスマホを受け取る獅子・・・。

山羊「・・・。大きさが問題なわけ?」
獅子「いや・・・・、なんといいますか・・・・・これはですね・・・・・。」
全身から滝のように汗が噴き出てている獅子・・・。

そこにSSメンバーと水瓶が風呂から上がって戻って来た。

皆がスマホで何かをやっているのを見たSSメンバー。
SS(シグマ)「俺らも、さっき話してたアプリ入れたい!」
と言いながら、天秤がプリントしていたQRコードを読むメンバー達。

水瓶「獅子、アプリどう?」
そう言いながら獅子のスマホを覗く水瓶。
水瓶「あ!やっぱそういう先生にしたんだ!」


獅子「い、いや!!これはその・・・・。」
水瓶「獅子、好きだもんね、きょ・・・・むぐむぐ!」
水瓶の口を必死にふさぐ獅子。
軽蔑のまなざし(?)で見る山羊・・・・。

天秤「おい!獅子、手離さないと、水瓶死ぬw」
獅子の手が大きすぎて口だけじゃなくて、水瓶の顔全体をふさいでしまったようだった。

獅子「わ、わ!!ごめんごめん!!」
大慌てで手を放す獅子。
水瓶「ぷは~~~~っ!!げほげほ・・・。」

わやわやしつつも、皆それぞれの家庭教師をとりあえず完成させたようだった。
獅子父が真剣にスマホを操作している。

獅子父「あ、うん・・・少し質問があるのだが?」
水瓶「ナニ?」
獅子父「これって、なんでも教えてくれるみたいに説明しているけれど、そんな事が可能なのか?」
水瓶「なんでもは教えられない。というか、最初にこのアプリに教えて行くのって、使う人だから。」

今の段階では最初のうちは、AI家庭教師を教育しなくてはならないのだが、それはあくまでも使う本人がやらなくちゃ、なのだった。
後々は、学習アプリとも連携する予定ではあるものの、まだそこまでは行っていないとの事。
その代わり、ある程度教えてあげると勝手に学び始めるらしい。

SS(ラムダ)「だから、俺たちの歌や踊りのチェックにも使えたりするんだ!」
SS(アルファ)「ラムダ、勉強にも使えよw」
SS(ベータ)「さっそく使ってみようよ!」
SS(シグマ)「じゃ、レッスン動画は俺が再生するから、それ見ながらやってみよ!」
SS(ミュー)「え~~、今からやるの?花火は?」

砂浜でレッスンを始めたSSメンバー達。
獅子母「まぁ、これって獅子君だけじゃなくて他の人にも役に立つみたいね。特に、君!!」
獅子父「え?え?私に役に立つかなぁ?」
獅子母「いい加減、獅子君に構ってないでまともに金稼いで来い!!」
獅子父の鳩尾に獅子母の鉄拳が下された!!
獅子父「ひでぶ!!!」

そんな獅子の両親のお取込み中をよそに。
天秤「獅子の親父って「財界の覇王」と言われている人じゃないの?」
獅子「え?誰それ?覇王って・・・、あ!それな、父ちゃんの一番上の兄ちゃんだな!よく間違われるけど、全然違う(笑)」
山羊「獅子父さんは、〇〇上がりの映画監督さんですね。」
双子「〇〇って、A〇?」
水瓶「〇ぶ・・・・・」

思わず水瓶の口をふさぐ射手
射手「ピーーーーー!」

獅子「皆、巻き込んでごめんな!俺がついつい父ちゃんに引きずられて、ハッキリ言えてなかったのが悪かったんだ。」
射手「もともとは、落第しかけたのも悪かったよな。」
牡羊「俺ですら、目的あったからしっかりと頑張って勉強したぞ!・・・・。」
天秤「まぁ、これで獅子父さんが認めていない水瓶が家庭教師なわけでもないし、他のメンバーみんなが喜んでるアプリだし。
あとは、獅子がしっかりアプリのサポート受けながら勉強するしかないだろ!」

水瓶「モグモグ!!!」
射手「あ、ごめんごめん!手離すの忘れてたわ(笑)」
大慌てで水瓶の口から手を放す射手。

水瓶「俺、いつの間にか獅子父さんから嫌われる事した?」
山羊「多分、獅子父さんは獅子君周辺の人達の身辺調査をしたのでは?
で、水瓶君の素性がわからなかった、ってコトから「正体不明の人物には近づくな!」となったのでは?」

獅子「さ、さすが会長!なんでも知ってますね!」
双子「それ、知ってるんじゃなくて推理ね!」
水瓶「俺って素性不明なん?」

思い切り水瓶をにらみつける山羊。
だが、しかし・・・、水瓶には届かず・・・。

水瓶「だからぁ~~、何回言ったら信じてくれるの?
まぢで宇宙から来たんだってw
てか、他言しちゃダメだよ?
俺を狙う敵星のやつらが・・・・・むぐぐぐ!!」

山羊「その与太話、やめぃ!!」
水瓶の口を思いっきりふさぐ山羊。
が、しかし・・・・、やられっぱなしの水瓶ではなかった。
山羊が水瓶の口を塞いでいる右手脇をくすぐりはじめた・・・。
山羊「!!!!!!な、な、な!!!」
思わず口から手を放す山羊。

その隙に
水瓶「ひゅーーーーーー。」
まぁ、本人的には指笛吹いたつもり?だったけど、ただの空気音で、ロデムが水瓶を背中に乗せる予定んだったろうけれど、上手く乗れず、結局は襟元を咥えられて海辺で踊っているSSメンバー達の元へと引きずられていった・・・。
射手「なんか・・・・ヒーローになり損ねた?的な哀愁があるな・・・。」

獅子「父ちゃん、俺のコト、すごく心配してくれてるの知ってるし。
俺、兄貴2人いるけど二人とも出木杉君だし。
俺ってイロイロ、ダメダメなのも分かってるし・・・。」
牡羊「ダメってなんだ?いいってなんだ?」
射手「牡羊としてはいきなり哲学的、な?」

双子『あぁ、やっぱ牡羊、めっちゃ変わったよな・・・。
いい方に向かうと良いのだけれど、てか、なんとかサポートしてあげれるといいのだけど。』

天秤「獅子、まずは獅子父さんと話すのが大事じゃないか?
この水瓶のアプリなんて、ただの誤魔化しというか、本質的な解決じゃないって分かってるよね?」

獅子「ん・・・・。それ、水瓶にも言われた・・・・。
俺の成績を上げる方法なら、いくらでもあるって。
でも、俺と父ちゃんが理解までは行かなくても、それぞれの思ってる事を把握しない限り問題は収まる方向に向かわない・・・と。」

山羊「獅子君、私も一緒に獅子父さんの説得というか説明、やらせてもらいますね!」
獅子「え?会長がいれば百人どころか1兆人力です!!」
山羊「・・・・、、(・・・は小さいですけれど・・・・ぼそっ)」
獅子「ん??なんですか??」
思わず顔面に山羊のこぶしがぶち当たったのを感じた獅子だった。

一方、こちら蟹の実家の旅館「月詠亭」にお小遣いかせぎに来た蠍、魚、乙女、牡牛。
そこそこ体を動かすのが好きな蠍や魚と違い、インドア派の乙女や牡牛には、旅館の仕事はきつかった。

やっと、今日の仕事を終え、まかないを食べて温泉に浸かった乙女と牡牛。
乙女「ふぅぅぅ・・、いつになく動きましたねw」
牡牛「ですですぅ・・・。ご飯が美味しすぎて三杯もお代わりしちゃいましたぁ・・・。」

と、後ろの方から声が・・・
蠍「乙女さん、牡牛さん、お疲れ様です!」
魚「初めてだから、すごく疲れたでしょ?」

牡牛「私も乙女さんもインドア派だから~~。」
乙女「なるべく足を引っ張らないようにはしてるんですが・・・・。」

蠍「乙女さんも牡牛さんも、仕事がとっても丁寧だから、お客様も喜んで貰えると思います!私、こだわり強くって、こうしたい!と思うとなかなか進めてなく、蟹ちゃんに迷惑かけまくりで・・・(笑)」
魚「蟹ちゃんは、そんな事気にしてないと思うけどなぁ!蠍ちゃん、気にしすぎ!」
そう言って、右頬に下がって来た髪を右手小指で掻き揚げる魚。

ここからは、乙女&牡牛のこそこそモードです。
牡牛「う、うわぁぁ!!!乙女さん、今の魚さんのしぐさ、見ました?」
乙女「み、みみみみ・・・、みましたぁ!!!???」
牡牛「魚さんの、あのすべすべ通り越して大理石のような肌!絹のようなあの髪!加えて、何気に可愛いあのしぐさ!!
!触りたくないほうがどうかしてるですぅ!!!」
乙女「そこに気が付いていた牡羊君って、すごいです!」
牡牛「ですですぅぅ~~!」

こそこそモードなハズの乙女と牡牛だったが・・・・。
駄々洩れだった💦

魚「乙女さんも牡牛さんも、こそこそしなくても大丈夫よ。」
蠍「蟹ちゃんは来ないけれど、せっかくだから恋バナしましょ!」

乙女「おぉ!」
牡牛「でも、私も乙女さんも、腐ってる傾向が・・ですぅ(笑)」

魚「ふふっ!なんか嬉しい!女子だけでわいわいする機会があまりなかったし!」
蠍「そうね^^乙女さんと牡牛さんの妄想恋バナも面白そうです。」

乙女「蟹さんも、ご一緒にお話しできたら良かったのですけど。」
蠍「あの、意識不明事件後、蟹ちゃん、めちゃめちゃイロイロな事勉強し始めたの。」
魚「うんうん、語学も何種類も学び始めたし、手話やらパントマイムやらやり始めたのね。」

牡牛「どういうことですぅ?」
魚「なんかね、人とのコミュニケーションは言語だけじゃない、とか言ってたかな?」
乙女「会長なら、何かわかりそうな気もします。」

蠍「会長と恋バナする事は永久になさそうですね・・・。」
魚「会長って、水瓶君のコト気になってるの?てか、どういう関係?」

牡牛「幼馴染らしいですぅ。子供の時、会長の家で水瓶君を預かってたとか。」
乙女「会長、時々、都合の良いように水瓶君を利用しているようにも思えますね。」

魚「乙女さん!それってどういう事?」
乙女「今回、旅館のバイトに来なかったのも、実は計画的だったのでは、と思うのですよ。
私達が来る気満々だったので、話を合わせて一緒に来るかのように話していたけれど、本当は来る気なんかまるっきりなかったのでは?と思うんですよね。」

牡牛「ですですぅ。絶対、水瓶君は寮に残るって言いだしそうだし、そうなったら会長も『一人にして置けないので』とか言って、寮に残ったと思うんですぅ。」
蠍「たまたま、獅子君が飼ってるクロヒョウ?も別荘に来るから、という理由で別荘に行ったんですよね?」

魚「クロヒョウが稼ぐより大事?」
乙女「これは、私の単なる推理なのですが、会長は水瓶君を監視しているのではないでしょうか?」
牡牛「乙女さんの意見に、私も賛成ですぅ!そう考えると、イロイロつじつまが合う事が多いんですよねぇ。」

山羊「くしゅんw・・・・今日は少し騒ぎ過ぎたかしら?明日はあまり日に当たらないよう気を付けなきゃ。」

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