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12星座もしもシリーズ52(コスモ学園スクープ編5)

双子「あいつ、律儀だしなぁ~~。てか、魚さんがキスしてくれるといいんだよな・・・・。それも難しいか・・・・。』」
今は、祈るしか出来ない、と思う双子だった.

牡羊と蟹が運ばれたICU内では・・・・。
看護師1「ドクター、この患者たちをICUに入れてどうするんです??」
ドクター「わ、私だってどうすりゃいいんだか分からん!てか、この子達って、ネコステCM出てる浜流(ハマル)プロゴルファーの息子だったり、あの老舗旅館「月読亭」の娘だったりで・・・・。病院長から、VIP扱いしろ、と連絡あったんだよ!」
看護師1「ほぇぇ??なんか、めんどくさいですねw」
ドクター「しかも、あの百合子とかいう先生、3分おきにナースコール鳴らしてうぜぇぇ!」
看護師1「と、とりあえず、それらしき器具、使っておきますねw」
ドクター「よろしくお願いします・・・。」

ICUを覗ける窓の戸を激しく叩く百合子先生。
百合子「一体どうなってんだ??私の生徒達を本気で治す気あるのか?」
双子「百合子先生、落ち着いて!」
百合子先生に何度か話しかけ、やっと落ち着かせた双子。

百合子「す、すまない・・・。教師なのに生徒に面倒かけてしまったな・・・。」
双子「そんなの気にしない!今は、牡羊と蟹さんがどうやったら意識を戻せるかが大事だと思う。」
百合子「君は意外と冷静なんだな?」
双子「ん~~、まぁ、俺には頼りになる仲間がいっぱいいるんで!!」
『だよね?多分・・・。天秤ならこの状況を見たら、政権の有り方ってとこまで行っちゃいそうだし、水瓶なら脳科学を駆使すればこんなの一発解決さ!とか言いそう出し…。てか、他の人は来ても役に立たないから天秤と水瓶と魚ちゃんだけ来てくれないかなぁ?』

山羊「本当はみんなで病院に行くって、良いやりかたではない、とは思います。ですが、待っている方も辛いですよね?という事で、皆で病院に行きましょう!」
学園に残っていた全員が賛成し、さっそく病院へと向かった。

病院に向かうタクシー内。

タクシー1
魚「蟹ちゃんも牡羊君も大丈夫かなぁ??」
蠍「きっと大丈夫!どっちも石頭で頭硬いだろし(笑)」
獅子「なんだか牡羊の様子が変だとは感じてたんだ・・・・。でも、どうしたら良いのか分からず、なにもしてなかった!ごめん!部長失格だよな、おれ・・・。」
射手「それ言うなら、俺も全く牡羊の変化を気が付いてなかったわ。いつもの気まぐれ程度にしか思ってなかったのが悪かったのかも?」

蠍「・・・。要因は一言では言えない事なのかもしれない・・・。でも、なんにせよ二人が無事に日常にもどってくれれば、って思う・・・。」
魚「私が悪いんだよね・・・・。」
蠍「またすぐそうやって、自分を悪者にする!」
射手「魚ちゃんが気にする事じゃないって!」
獅子「牡羊って、真っ直ぐな奴だから、曲がった事は考えてないと思う!」

魚「・・・。そ、そうなのかな?」
蠍が、魚の頭を抱えて自分の左肩に載せ、慈しむように魚の頭を撫でた。
射手『・・・・。これって・・・。女子の友情って濃いんだなぁ!』
獅子『なんにせよ、部の中が嫌な雰囲気にならなきゃ大丈夫!きっと、この調子だと大丈夫??だよな?』

タクシー2
乙女「・・・・・。」
牡牛「・・・・・・・・・。」
天秤「『何故にこの組み合わせ!!!会長が乗ればいいだろが!』ったく、なんで会長は水瓶と一緒に行く事にしたんだか・・・。」
乙女「たぶん会長は、子供の時から知っている水瓶君を頼りにしてるのじゃないかしら?」
牡牛「会長、普段は弱音を吐く事もないし・・・・。素の自分でいたいのかも?」
天秤「あぁ、なるほどね!今まで、あまり生徒会の人と関わってなかったから分からなかったけど、やっぱり生徒会役員となると、分析力が高いんだね!」
乙女「そうですか?」
牡牛「これって、普通じゃないですかぁ~~??」
天秤「普通じゃないですよぉ~~(笑)」『てか、マジでなんでこの組み合わせ??勘弁してくれ!!!山羊会長!』」
顔は笑顔だったが、心で泣き叫んでいる天秤だった。

タクシー3
水瓶「ぐーすーぴーーーー」
山羊の膝にすっかり頭を乗せて寝てしまってる水瓶。
山羊「ったく!乗り物に乗るとすぐに寝ちゃう癖は、子供の頃から変わらないんだ・・。てか、君、どれだけ私に心配かけてるか分かってる??・・・・。君に言わせれば『山羊、眉間に縦皺製作中?』とか言うんだろうな~~。」
水瓶「ほぇ??」
山羊「まだ、病院じゃないから寝てても大丈夫。」
水瓶「ん・・・。」
こてっ、とまた山羊の膝に頭を乗せて寝てしまった水瓶。
思わず、その頬をつねってしまった山羊だった。
水瓶「むにゅ・・・」
相変わらずお餅並みに伸びる頬だよな~~、なんて楽しんでいた山羊だった。
山羊「たまには息抜きも大切よね~~。」
水瓶のほっぺを引っ張っては離し、また引っ張って・・・と、遊んでしまっている山羊だった。

突然、ぱっちりと目を覚ました牡羊!!
牡羊「ふ、ふたごぉぉ!!」
と、同時に目を覚ました蟹。
蟹「牡羊くん、魚ちゃんありがとう!!!」

目を覚ました牡羊と蟹はボロボロと涙を流していた。

ドクター「!!!看護師1、すぐにCT検査を手配してくれ!!」
看護師1「MRIじゃなくて良いんですか?」
ドクター「なんでもいい!さっさと検査結果出して、帰してしまおう!」
看護師1「らじゃ!!!!!」

百合子「め、目を覚ましたみたい!」
双子「やった~~!」

と同時に、学園の皆が病室に駆け付けた。
双子「皆、来てくれたんだ!!!」
百合子「ちょうど、二人ともほぼ同時に目を覚ましたよ!これから、脳の検査するみたいだ。」

ICUからCT検査室へと運ばれる牡羊と蟹。

魚「か、蟹ちゃん!」
蟹「魚ちゃん!」
看護師1「後でゆっくりお話ししてください。」と言われ、黙ってしまった二人。

双子「牡羊!!」
百合子「牡羊!」
牡羊「おぉ!双子とねぇちゃんじゃんw」
百合子「学校関係者の前でねぇちゃん、呼ぶなw」
看護師2「はいはい、お話は検査後でしてくださいね~~。」

獅子「牡羊も蟹ちゃんも気が付いて良かったな!」
射手「せっかく俺がキスしてやろうと思ってたのに~(笑)」
蠍「さすがの牡羊君も、射手君が顔を近づけただけで起きちゃってたかも?」
射手「え~~、蠍ちゃん、それってひどくない?」
獅子「やっぱ、俺が体のゆがみを直してやれば、だな!」
てな感じで、わいわいとしていたオカヒロ研。

ぽつん、と魚ちゃんだけがその輪に入れずにじっと、考え込んでいた。
百合子「魚さん、イロイロごめんね。うちの家族みんなで魚さんを歓迎したんだけれど、なんせ暴走一家なもんで・・・。
魚「・・・・。私がハッキリしないのが悪いの。」
百合子「ん。そんなに自分を責めない!てか、魚さんは全く悪くないから!」
魚「そ・・・そうなんですか?」
百合子「君の罪は優しすぎるところと、可愛すぎるところかな?どう?私と付き合わない?」
魚「ふふ・・・。先生、慰めてくれてありがとうございます!笑うリアクションが良いのかな、この場合って?」
と、いきなり魚の横にやってきた蠍。
蠍「そそ、笑ってすませちゃいましょう!」
百合子先生をにらみつける蠍、その迫力に薄っすらと汗ばむ百合子だった。

一人ベンチに座ってぼーーっとしてしまっていた双子。
その傍に来た天秤と水瓶。
天秤「大変だったな、双子」
水瓶「牡羊も蟹さんも、目が覚めて良かったよね。」
双子「うん・・・。」

天秤「珍しく落ち込んでる?」
水瓶「天秤がキスしに来なかったせい?」
天秤「なんで、俺のせいなんだよw」
双子「それもあるかも~~。」

天秤「てか、なんで俺が牡羊にキスせにゃいかんの??」
水瓶「天秤って牡羊に嫌われてるから?」
天秤「え?俺って牡羊に嫌われてるの?」
双子「え?知らなかった?」
水瓶「嫌いな奴にキスされそうになったら起きる、とか思った?」
双子「だな~~。」
天秤「wwwそれって、俺、立場ないぢゃんw」

双子『ホントは王子のキス、とか思って思いついたのが天秤だっただけだけど~~。』

そんな感じで牡羊と蟹の検査が終わるのを待っていた面々だった。

やっと、検査も終わりひとまずは異常がないようなので、このまま帰って良い事になった。

双子「良かった!心配したんだぜ?」
牡羊「俺、お前にキスされそうになったわ。」
双子『え?俺がキスしたほうがイイかどうか迷って、顔近づけて辞めたの分かってた?』「そ、そうなんだw」

魚「蟹ちゃん!」
蠍「良かった~~、全く!皆心配しまくったのよ?」
蟹「ん、ごめんなさい💦心配かけちゃったみたいで。」
獅子「とりあえず、さっさと寮に戻って今日はゆっくり休むと良いよ。」
射手「お腹も空いたろ?百合子先生の了承済みで、これから皆でラップ行って晩御飯にするよ?」

その日、ラップで遅めの晩御飯を食べた皆。

水瓶「双子、スクープ見つかった?」
双子「・・・。今回の牡羊と蟹さんの事を記事にしようとか思ったけど、俺って動揺しすぎて・・・。写真は撮れてないわ、状況確認は出来てないわで。。。、」
天秤「まぁ、学園内の新聞だし、そんなにスクープとかこだわらなくてもいいんじゃない?」

数日後。

射手「これ、めっちゃ面白く書けてんな!双子スゲー。」
獅子「体は硬いのにw」

乙女「ぷぷぷ~~。久々にお腹の皮がよじれるほど笑いました。」
牡牛「私もです~~。って、思い出すだけでも笑えますぅ~~。」

水瓶「ふ、双子ぉ!!!何故にこの記事?」
双子「だって、これしか生徒会から許可取れなかったんだもんw」
天秤「良かったな!これで皆がお前を宇宙人として認めてくれるぞ?中二病星人!」
そう言いながら水瓶の肩を叩く天秤だった。
水瓶「だからぁ~~~!!!俺は正体を知られちゃ行けないんだ!!!!!」

双子が発行した学園新聞の一面。

「ついに暴露!やっぱり水瓶は宇宙人だった!!」のタイトルと・・・。
思いっきり変顔した水瓶の顔のどアップが載っていた。

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