12星座もしもシリーズ17(天秤悪転生編4)

薄暗い部屋。
体を動かそうとするたび、何かが体を締め付ける。

朦朧とした意識の中、ぼんやりと目を開ける。
眼鏡がないためか、周囲はぼやけてしか見えない。
鼻梁につく、ねっとりとした臭い。

何が起こった?
徐々に覚醒して行く意識。
戻ってくる体の感覚。

どうやら体を拘束されているらしい。
鉄、のような匂いがする。
血・・・の臭いか?


恐らくは自分が流している血、の臭い・・・。
両手両足、体もなにやら知れない拘束具に囚われていた。

そして・・・・・。
体は、胸からへそ上まで真っ直ぐに切られている!!!!!!!

な、なんだこれは!!!!
どうなるんだ俺は???

「無事、終わったよ・・・。ふふふ・・。君は今日から改造人間なのさ!!」

「・・・・・。か、改造人間???ってなんだ!!!!」

「今開いている君の体を閉じてから、教えてあげるよ(笑)」

な、なんだ!!
何が起こっているんだ???
これって、悪の組織か?
それとも・・・・??

チクチクチクチク・・・・・。
どうやら開いた体を縫っているらしいが・・・・。

「なんか、めっちゃ遅いなwもっと早く縫ってよ~~」
「う、、、うっさい!!」

あ、こいつって・・・。
水瓶「天秤、俺を改造ってなんだ?縫ってる間暇だから教えてよーー」
天秤「こっち、真剣に縫ってるんだから、話しかけるな!!」

ちくちくちくちく・・・・・・。
天秤「うぅぅぅ・・・」
あまりの細かい作業に挫けそうになる天秤。

あまりの暇さに、じっとしていられない水瓶。
なので、

水瓶「・・・・ねぇねぇ・・・天秤、ちょっと聞きたいんだけど、その縫ってる糸ってなに?」
天秤「あ、あぁ・・・これは絹糸だ!ちゃんと体に優しい物を選んでいるから、安心しろ!」
水瓶「シルクなんだ!!!さっすが天秤!いちいち選ぶ物のセンスが違うね!」

ちくちくちくちく・・・・・・。
水瓶「んん~~、天秤、縫わなくてもいいんじゃね?ホッチキスで止めると早いよ?」

待ちきれなくなった、水瓶がそう言うと。

天秤「え!!それでいいの?水瓶的に??」
水瓶「早いなら、なんでもいい」

という事で、残りはホッチキス止めで済ませた天秤であった。(少し不本意・・だけど)

水瓶「で、体、無事塞がったから、どう改造したか教えて?」
天秤「今はまだ装着されていないが、改造スーツを着用し、ベルトのスイッチを入れると、トンボの能力を持った怪人に変身出来るようにした!!」

水瓶「!!!!!!す、すげええ~~~~~!!!!!!天秤、そんな事出来たんだ!!
アプリ作るしか出来ない俺よか、めっちゃすごいやん!!!てか、今までその能力隠してたんだ?  
でもさ、医師免許なく医療行為しちゃ、やばいんじゃね?」
天秤「え?」




「痛い~~~~~~~~~!!!!!やめてぇ~~~!いっそ殺してくれぇ!!!!」
そんな声で目が覚めた天秤。
天秤『なんだよ・・・。いつになく騒がしいんだけど??』

そっとカーテンを開けると・・・・。

寮前のグランドで、水瓶を羽交い絞めにしている獅子。
その周りを射手、双子、牡羊が取り囲んでいる。

水瓶「いたいいたいいたいぃぃ・・・・!」


水瓶の悲痛な叫びが、学寮内に響き渡る!

天秤「え??これって?」


一体、何が起こっているのか?
天秤が水瓶を改造する前に、既にファイアー戦隊にやられてしまったのか?

お、恐るべし!ファイアー戦隊!!

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