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12星座もしもシリーズ61「学園祭準備編2」
生徒会前廊下に張り詰めた空気が漂う!!!!
山羊「水瓶君、魚さん・・・・・?」
山羊と目が合う水瓶と魚。
じっと見つめ合う三人だった。
と、山羊に抱き着く魚。
魚「山羊さんにこうやって会えて嬉しい!!!」
目には薄っすらと涙が溜まっている様だった。
山羊「まぁ、中にはいりましょうか?」
そう言いながら魚と水瓶と共に生徒会室に戻った三人。
しばらく固まっていた乙女と牡牛だったが・・・・。
乙女「な、なんだったのでしょう???」
牡牛「新たな恋ではなかったんですねぇ?」
蠍「なんだか少しドキドキ。」
蟹「ドキドキというか、ハラハラじゃんw」
いつの間にか生徒会室扉前に、蠍も蟹も来てしまったのだった。
蟹「な~~んかあるのかな、って思ったらあるようなないような?」
蠍「後で、魚ちゃんから事情聞き出さなくちゃ!」
乙女「多分、三人でお茶を立てているだけ、な気もします。」
牡牛「そういえば、会長、お茶の用意してましたぁ~。」
そんな事を話しながら、生徒会室前を立ち去った4人だった。
今から数か月前。
牡羊と蟹が倒れて病院に運ばれた事件から数日後。
二人も無事帰ってきて、平穏な学園生活が訪れたと思ったある日。
ピロポロリン。
昼休みに水瓶のLUINにメッセージが入った。
Unknown『放課後、屋上に来い』
誰だこいつ?と思いスルーしようと思った水瓶だったが・・・。
Unknown『このままでは、夏休みも補習になるぞ?』
じ~~~とLUINを見つめる水瓶。
水瓶「めんどくせぇ~~~!!」
放課後、水瓶が屋上に行くと案の定・・・。
百合子「お手数かけて申し訳ない。」
水瓶「俺になんの用?」
突然土下座する百合子。
で、水瓶の前に何かを差し出した。
それは・・・。
水瓶「そ、それは!!!!ネコステ限定バージョンポロシャツ!しかも俺向けSサイズ!」
百合子「君の力で牡羊と魚さんの仲を取り戻してほしい!!!!報酬は、これだ!!」
ネコステ限定バージョンには心を動かされた水瓶だったけど・・・。
水瓶「俺に恋仲なんて仲裁できないよ?てか、俺が聞いた話だと、牡羊が春休み中、魚ちゃんの意思を無視して無理にあちこち連れまわして、魚ちゃんが熱だして倒れた、ってコトだけど?で、なんでそんなんで気まずくなってるのか、までは双子も知らないというのは、知っている。」
百合子「違うんだ!牡羊の名誉のため言っておく。あいつは、私達から魚さんを守ろうとしたんだ。上手く行かなかっただけで・・・。」
百合子先生の話では、牡羊は小さい頃に一度だけ出会った魚ちゃんに一目ぼれしてしまたらしい。
牡羊本人は隠しているつもりだったのだろけれど、事あるごとに魚ちゃんの話が出るのでバレバレだった。
でも、まぁただの憧れ程度だろうと思ってた矢先、牡羊から春休みに魚を連れて帰るという連絡が入った!
父も母も驚きと共に大はしゃぎ!
百合子も弟の幸せの手助けをしたい!と思っていた。
だがしかし。
男子体育教員の一樹(いっく)先生が、奥さんが出産間近なので、補習を変わって欲しいと頼まれた。
補習期間は5日間。
百合子「補習の生徒は判っているよね?」
水瓶「おれ?」
百合子「あの時、5日間補習をしていれば、牡羊と魚さんに悲劇は訪れなかったのだよ?」
水瓶「え?俺の補習のせい?でも1日で補習を終わっていいって言ったのって、百合子先生だよね?」
百合子「何を言う!君が嘆願したから私も温情として1日で終わらせたのだ!」
水瓶『うわ~~、俺に責任転嫁しちゃってる??』「てか、ほとんど百合子先生のせいで二人はダメになったわけ?」
百合子「あいつ、シャイだから心配で心配で!!もう、魚ちゃんから離れるのはトイレくらいで・・・、というくらいに頑張って牡羊のアピールをし続けたんだよ!!でもでも・・・・。」
顔を伏せ両手で覆う百合子。
水瓶『そんだけ一緒に居られたら、そりゃイラっとするわw』「ポロシャツSサイズもう一枚追加ね」
百合子「あ、ありがとう!!!私の願い聞いてくれるんだね?」
水瓶「普通に話せる程度でもいいよね?俺のスキルじゃそれくらいしかできんし。」
百合子「それで十分だ!!!!」
思わず水瓶を抱きしめる百合子。
水瓶『ゴリゴリの胸板が痛いです・・・・』
そうは言っても魚に近づく理由は水瓶には全くなく・・・。
百合子との話も忘れ去っていたのだった。
夏休みに獅子の別荘から寮に帰ってきて、1人楽しく寮生活を過ごしていた水瓶。
山羊がしつこく、山羊の実家に連れて行こうとしたが、断固として断った。
山羊的にはどうしても帰らなければならない用件があったようで。
山羊「もしかして、誰か早く寮に戻って来る人がいても、絶対に一対一で会わないように!!あ、男子だと関係なしだけど。」
水瓶「俺ってキケンな男?」
山羊「自覚しろ!」
と、めっちゃ念押しされた水瓶だった。
だがしかし!
夏休み終わりに蠍さんと魚さんに会えたのは、絶好のチャンスだったのだ。
水瓶『一対一じゃないから、大丈夫!』
そう思いながら二人を占い喫茶へと誘った水瓶だった。
そこからは思ったよりもすんなりと、魚と蠍とLUIN友達になり。
夏休みが終わってすぐの生徒会会議後、魚をお茶会に誘ったのだった。
今回お茶を立てるにあたり、山羊にも話を通しておいた水瓶。
お茶が終わり、山羊をうながす水瓶。
山羊「魚さん、差し出がましいようだけど、牡羊君との関係はどうなったの?」
水瓶「気まずいままで、文化祭大丈夫?」
二人からその話題が出て驚く魚。
魚「あ、全然大丈夫!友達になろって、話になったから。」
水瓶「百合子先生が、自分のせいだって気にしてた。」
魚は少し思い出して、苦い顔をしていたが
魚「百合子先生が、というかあそこの家族、皆じっとしてる事が無くて・・・。ほぼほぼ毎日誰かの誕生会とか、○○の会とか朝から晩までスケジュールびっしりで・・・。気持ちがついていかなかっただけなの。
で、熱だしたせいもあって私少し不機嫌になってしまって・・・。牡羊君やご家族の方が平誤りしてくれて、でも自分でも、どう接したらいいのか分からなくなってしまったの。」
山羊「まぁ、それは魚さんが悪いわけじゃなさそうですね。」
水瓶「魚ちゃん、子供の頃も山羊に振り回されてたもんね。」
山羊・魚「え?振り回してたのお前だろw」
水瓶「ん?俺?内気で気弱な俺がそんな事する訳ないじゃんw」
なんか、新しいコントの始まりを予感させる感じだった。
水瓶「俺、もうコントはやらんよ?」