もしものもしも~もしも蟹が人魚姫だったら4~
クリノス「この国のどこに王子を陥れようとする人物が隠れ潜んでいるとも分からない状況なのです。私は、なんとしても平和裏にこの事態を解決したい!全く素性がわからぬあなたですが、私、直感しましたの!あなたも、王子を愛しているのですよね?」
蟹(アンナ)は大きく肯いた!!
蟹(アンナ)『な、なんか、勝手に事態は私の都合の良い方向へ??でも、王子のコト、なんとしても守る策は必要ね!』
蟹は、まずは外部の敵がクリノス姫とアルデシア王子を消そうとしている事を避けるため、二人の擁護も兼ねて食事も元よりすべての事を3人でやるようにと、画策したのだった。
蟹が思っているよりも、意外と他の下働きの人たちは素直に蟹の条件を聞き入れてくれた。
てか、面倒に巻き込まれたくなかった?って感じもあったけど。
いつの間にか、二人を守る事が何よりも大切になっていた、蟹。
蟹『王子のコト、確かに大切なのよね。
てか、放って置けないというか・・・・。
やっぱ、魚ちゃんみたいな。
魚ちゃん、普段は明るくてキラキラしてるのに、どこか作っているというか、演じている?って感じがする。
本当は引っ込み思案で自分の世界に生きて行きたいと思っているのに、他の人が放って置かないというか。
て、それ、私かw。
クリノス、なんかイイ子だよね~~。
全力で王子を守ろうとしてるし~~。
でも、あの子、結構そそっかしいんだよね・・・。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・。
み、認めたくないケド牡羊くんっぽい・・・・かも・・・・・。』
でもでも、蟹は頑張った!
王子とクリノスの世話と言うか、身の回りのコトはほぼほぼ蟹が仕切っていた。
まぁ、声が出せないかわりに身振り手振りではあったけれど。
クリノスとアルデシア王子から文字を習い、筆談という手段も身に着けつつあり、蟹が思ったよりも話せない事は不便でもなくなっていた。
クリノス「アンナ!もぉ!あなたはメイドじゃないんだから、そんなに私達の身の回りのコトばっかりやってなくてもいいのよ!」
ぶんぶんと横に頭を振る蟹。
クリノス「だからぁ!あなたは私と王子の友達!なんだからね!」
蟹、一歩体を引きながら首を横に振る。
クリノス「他の子のコトは気にしないで!ちゃんと策は打ってあるの。あなたは私の異母姉妹という事になってるのね。」
かに『??どういう事?』
クリノス「現国王は、私の父親。
私の母は元々この国の直系の後継者で、他の後継者がいなかった。
で、母と結婚した父に王位継承権が生じた。
母は結婚して、私を産んだあと亡くなり、父は摂政として政権を我が手にしてきた。
だから、私が婚姻関係を結んで成人として認められるか、もしくは16歳となって成人と認められれば、父は摂政件を失うのです。
王と名乗っていますが、実際は摂政なんですよ。」
蟹『むむ・・。なんだかめんどくさい話w。
でも、クリノスが王子と結婚すれば丸く収まるってコトね!
・・・。
いや、そうなったら私が消えちゃう?ってコト??』
蟹も気づいていたのだが、実のところクリノスには異母姉妹、兄弟がかなりの数いたのだった。
だからと言って王位継承権を持っているのか、というと、第二王女の子にしか与えられていないようだった。
その第二王女の子も、幼い頃に亡くなりその後王女は身籠る事がなかった。
蟹『って、第二王女?側室!!!』
きちんと人魚姫の話を覚えているわけではなかった。
が、確か王子と王子を助けた国の姫の結婚式の日に、人魚姫は泡となったんじゃなかったか?
そうだ、その前に王子を殺せば人魚に戻れる!って短剣を渡されるんだ!
蟹『どうすればいいか、光が見えて来た!』
思わずガッツポーズをとる蟹だった。