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12星座もしもシリーズ37(春休み編1)

蟹「ホント、蠍ちゃんも魚ちゃんも一緒に来ても全然オッケーなのにぃ!」

蠍「ごめんね!ヌタヤでのイベントもあったし、留学生の為の講習も受けたかったから。」

魚「私、牡羊君の実家行く事になっちゃって・・・・・。めっちゃ不安だけど、押し切られちゃったし・・・・。」

春休み、帰省出来る生徒は帰省しても大丈夫だし、出来ない生徒は寮に残っていてもオッケーだ。

蟹の実家は近くてもともと春休みとは関係なく、こまめに帰省していた。

蠍はこの数年帰省した事はない。

この学園生徒の中でも一番遠い場所で国境でもあった。

今、あの地帯に行くのは危険と連絡もあり、寮に待機する事にしたのだ。

もっとも蠍だけじゃない、魚も帰省出来ない状況ではあった。

帰省する前、何度も蠍に向かって「LUINEで毎日あった事、報告してね!」と、言い残して行った蟹であった。

今日から、留学志望者のための講習会が始まる。

教室に行くと、射手君が既に席について教材を見ていた。

蠍「おはよー!早いね!射手君」

射手「お~!蠍ちゃんも留学希望したんだ!」

蠍「しない選択ないじゃない?タダだし、親の同意いらないし!」

と、二人が話していると教室の扉が開いて、入って来た人物がいた。

天秤「お!射手と蠍さんも留学希望?」

射手「天秤も?」

蠍「天秤君が留学希望って意外!」

天秤「留学先のアンギュラー国って、医療の最先端行ってるっていうし行ってみた方がいい?って思ってね。」

射手「へぇ?天秤て、医療関係目指してるの?」

蠍「天秤君は正義の人だし、困った人を助けたい人だもんね!」

蠍のそんな言葉に、心が揺らぐ天秤。

天秤『俺は、そんなにいい奴じゃねぇ~~』

と、教室のドアが開き獅子が入って来る。

無言で皆とは離れた窓際の席につく獅子。

射手「お~~!獅子も留学組なんだ?」

獅子「俺がそんなのな訳ないだろw分かってるくせにちゃらけるって、傷つくわ・・・。」

おろ?

射手的には、何にも意味もなく、この教室に来た=留学希望者だったのだけれど。

また、教室のドアが開き水瓶が入って来た。

ん?何故に水瓶?

天秤は思わず、水瓶の動向を追ってしまう。

水瓶は、そんな目を気にしながらも辺りを見回し訝し気な顔をして、獅子の前の席に座った。

後ろを振り向き、獅子に話しかける水瓶。

水瓶「追試?」

獅子「あぁ」

水瓶「今から話す事、集中して丸暗記しろ!何故?とか一切思わない。ただ、覚えろ!」

獅子{?よくわからんけど?覚えればいいんだ?」

水瓶が呪文のように繰り出す言葉。

それを、必死に覚える獅子。

教室に教師が入って来る。

教師「これから、日本史の追試と、留学希望者のための授業を始めます!

追試の人は、机の上から筆記用具以外の物をしまってください。」

留学希望者コースの授が始まる。

と、同時に追試試験が、同じ教室で始まった。

先生「追試組には耳栓を用意している。着用して試験に挑むように。時間が終了したら、こちらから分かるように合図をする。水瓶、獅子の席の3個前まで移りなさい。」

水瓶「あぃ・・・」と言いながら席を移る水瓶。

教師「では、追試組は耳栓を装着。

この耳栓、外部音を受信した時点で、君たちは再度、追試を受ける事になる。

くれぐれも、勝手に外さないように。また、回答が終わったら、速やかに手を上げ席を立つように。

それでは、はじめ!!」

ここは生徒会室。

双子がめっちゃ早いスピードでパソコンに向かって入力している。

乙女『は、早い!私も、かなり早いと自負していたけれど、これは、太刀打ち出来るものじゃないわ!』

それを、ただただ眺めてる牡牛。

牡牛「乙女さん~、ここってどうすればいいんですかぁ?」

このままでは、無駄に競争心を煽られてあらぬミスをしてしまう所だった!

牡牛の言葉に我を取り戻した乙女l

乙女「牡牛さん、ここはですね、マウスを使って範囲指定をして・・・」

双子「それ、マウスよかshiftと矢印使って範囲指定した方が早いって!」

こっちの事を聞いてないようでいて、きちんと聞いている双子。

てか、こういうマルチタスクでなんでも器用にこなしちゃうところがある人なんだ~~、と感心する乙女だった。

弾丸のようにキーボードをたたき続ける双子。

私を取り戻し、私らしく正確に行こうと決めた乙女。

乙女「牡牛さん、ここはキーボードのこれと、これを押して・・・・」

牡牛「ちょっとまって!そこ動画にとりますぅ~!・・・・・て、どうすればいいんですかぁ?」

乙女「動画なんかいらないですって、牡牛さん。困ったらいつでも聞いてください!」

牡牛「お、乙女さん~~」

涙目になりながら、乙女にしがみつく牡牛だった。

と、そこに山羊が生徒会室に入って来た。

山羊「皆、調子はどう?あんまり無理はしないでね?」

山羊が生徒会室に入る前に、出来れば逃げ出したかった双子だった・・・、がしかし。

山羊「あら?水瓶君はどうしたの?天秤君は留学希望者の補習に出るって報告あったのだけど?」

双子、冷や汗タラタラ・・・・、どうやって逃げ出そうかと策を練り始める・・・・。

山羊「あぁ、日本史の追試ね。てか、敢えて挑戦?してるのかなぁ???全く意味不明だわ~。」

乙女「会長!敢えて挑戦!なんですか?水瓶君???」

双子「あ~~~、それな~~。」

ここは、さっさと結論出して逃げる!策に出た双子。

双子「水瓶、文系苦手というか嫌いというか、やりたくないというか、とにかく赤点ギリギリの点数取ってクリア、的な?」

牡牛「なんですか、それ??意味わからないですぅ?」

双子「あいつにすれば、一種のゲーム?的な?

ギリギリでクリアする事がカイカン、という感じのゲームレベルでテスト受けてるんだと思う。」

乙女「で、今回そのゲームに負けた?」

双子「日本史先生のザビエル、めっちゃ水瓶を目の敵にしてたしね。

問題傾向把握して、最低限の点数取るためだけの暗記をしていた水瓶の裏をかいた問題にして、追試に追い込んだんだろな~」

牡牛「裏をかくほうが、まともに勉強するよりもめんどくさいですぅ!!」

山羊「それをやるのが、あのドアホなのよ!!!!!!」

あぁ、やっぱりこの方に怒りが~~~!!!

水瓶、この始末はお前がつけろよ!と、思わずにはいられない3人だった。

一限目の追試と留学生補習が終わった。

水瓶「獅子、どうだった?」

獅子「あの暗号のおかげで、大丈夫っぽいかも!?」

水瓶「あ~~、だったら良かったーー!追試って、明日まで?」

獅子「ん・・・・。あと5教科ある・・・・」

水瓶「俺、追試はこれだけだから、明日からの獅子の追試の対策、今晩獅子の部屋でやろか?」

獅子「お、おぉ・・・。ありがとな!」

水瓶「じゃ、俺行くわ。この後、百合子先生と体育補習しなきゃだし・・・」

と、去っていく水瓶。

百合子先生は、女子体育教師。

サバサバしていて、ちょっとおっちょこちょいながらも、親しみやすいキャラで男女共に人気の高い先生だ。

女子バレー部顧問で、バレー部部員からは情け容赦ない特訓から「鬼百合」とも呼ばれている。

さてさて、学園のグランド。

水瓶は、ジャージに着替えてグランドに到着。

水瓶「よろ~」

百合子先生「・・・。先生にその態度はない、と思わないわけだ?」

百合子先生の威圧的態度にも、屈する事のない水瓶。

水瓶「ほぇ??だって・・・・」

百合子「ふむ?」

水瓶「先生、めっちゃ可愛いじゃん?」

百合子「!!!!!!」

どどどどどどどどっどどど・・・・・・・どう言う事?

ダメよ!!!!!!!

百合子!!!生徒と教師!????

これは禁断の恋??

お前なーー、的にいつも嵐を呼ぶやつ水瓶君!(この話の標準仕様ですね)

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