12星座もしもシリーズ44(獅子転校危機編3)

周囲を見回す山羊。
山羊「どうやら、道場は開かないようです。どうでしょう?グラウンドに移動しますか?それとも、獅子君のお父様のおっしゃる通り、獅子君は転校しますか?」

山羊が選択を迫る。

さて、どちらを選択する??

▶グラウンドへ移動する

▶転校する

右手を上げる山羊。
山羊「皆さんが選択する前に、私の意見を述べてもよろしいでしょうか?」

突然の山羊の提案に思わず肯くオカケン部員たち。

獅子父「ふむ、生徒会長とやら、そなたの意見聞かせてもらおうか?」
山羊「お許しいただき、ありがとうございます。」

深々と獅子父に頭を下げる山羊。
山羊『校長・・・。逃げたのよね、絶対・・・。わざと鍵も間違えたんじゃないの?たっく!どいつもこいつも、面倒ばかり増やしやがって!!!!』

静かに頭を上げた山羊。
眼光鋭く、その眼は岩をも貫くと言っても過言ではなかった。
その眼が、獅子を貫く。

山羊「獅子君、君の問題に皆を巻き込み、挙句、力をもって自分の意見を通そうとしてる、という自覚はありますか?」

山羊の問に、肯くしかない獅子。

獅子としては父に逆らう気など微塵もなかったというか、校長室に来るまでは皆にお別れが言えるだけでもまだまし、と思い覚悟を決めて来たのだった。

オカヒロ研のメンバーが、校長室へ入って来た。

蟹「獅子君、こんなお別れはイヤ!きちんと皆に説明して欲しいの!」
牡羊「お前がいないと、誰が俺の暴走を止めるんだよ?」

蠍「同じ部になったのに、ほとんど話す事もなくいなくなってしまうって、残念すぎです・・・。」
魚「獅子君・・・・・・。もう会えないの?」
その大きな目から、大粒の涙を流す魚。

つかつかと獅子に近寄る射手。
射手「お前、俺に言ったよな?続けることで辿り着ける事がある、って。
俺にはそんな事言っておきながら、自分はこの学校を去る?なんだそれ?おかしいだろ?
お前、自分が言った事に責任持てよ!てか、あの時の勢いで俺をだましたのか?答えろ!!!!獅子!!!」
獅子の肩をがっちりと掴み、揺さぶる射手。

獅子「射手、ごめんな・・・。俺、最後までお前の力になりたかったよ!」
射手「ばーか!こうなる前に、なんで相談してくれなかったんだ?俺ら、そんなに頼りない?」
牡羊「ったく!こんなリーダーじゃ、ゆっくりデートもしてられないじゃん!ね、魚ちゃん!」
魚「え?・・・・・・そう、ね?・・・・・」

そんなやりとりを見ている獅子父。
獅子父「もう、心残りはないな?」

その時、オカヒロ研のスマホが一斉に着信音を鳴らした。

思わずスマホを見るオカヒロ研のメンバー達。

LUINには水瓶からのメッセ―ジが。
水瓶『ヒーローアプリ、オープン!』

牡羊「らじゃー!」
蟹「ん?なになに?」
射手「お?なにやらかす気?」
魚「え?え?え?いっちゃっていいの~~?」
蠍「ちょ、これって怪しすぎない??てか、皆ログインしちゃったのね?」

獅子もスマホが鳴っているのは気になってはいた。
だがしかし。
父の顔を見る獅子。

獅子父「友達からか?出るといい!」
そういいながら、嬉しそうな顔で獅子の頭をわしわしと掴んでいる獅子父。
と、その時、皆のスマホが一斉に。

水瓶『変身モード発動!』

激しい風が吹き、真っ赤なスーツに身を包む牡羊。
牡羊「???なんだこれ???」

牡羊があたりを見回すと、射手、蟹、蠍、魚の4人が変身している!

そして・・・・。


道場前。
山羊「獅子父さん、今回の事、家族でしっかりと話し合い決断された事なんですよね?
何故、この段階で獅子君が反逆の狼煙を上げたんですか?
獅子君の意思は関係なく、今回の転校を獅子父さんの考えだけで決められたのですか?」

淡々と事実確認だけを目的とした山羊。

獅子父『ん~~~、意外と獅子ちゃん人望厚いのか?てか、こいつの周りの女子、やたらキレイだったり可愛かったり・・・。この、生徒会長だって一見地味だが、磨けば光るというか、なんだこの学園?』

やっと、道場前に辿り着いた、水瓶、乙女、牡牛の三人。

乙女「遅くなってごめんなさい!生徒会書記を務めている乙女と申します。獅子君のお父さん、はじめまして!」
牡牛「同じく、会計をやっております牡牛と申します。お初にお目にかかります。よろしくお願いします。」
水瓶「獅子とーさん、俺、雑用係の水瓶~!よろ~~!」

獅子父、乙女達をじっと見めている。
獅子父『なに??ここにも、我が国が忘れ去りつつある、清楚な美女が!!!!って、コロンとした愛嬌たっぷりの子もいるわけだ。で、この汚い野郎はなんだ????ため口なのか?この私に向かって!』

天秤『・・・・挨拶のタイミング、俺だけ逃してない?あ、双子もやってないか~~、よかった~~。』
双子『おぉぅ・・。なんだか盛り上がって来た??どうなるどうなる???てか、さっきの変身ってなんだったんだ???』

水瓶「獅子のお父さん、少しだけ俺の話聞いてもらってもイイ?・・・。」
獅子父『汚い野郎の話は聞きたくないが・・・』
獅子「水瓶!!来てくれたんだ!!!親父に、俺が学園を離れたくないって、言ってくれよ!!」

水瓶「え~~??そんなん自分で言えよw」
獅子「だって、聞いてくれないんだもん・・・。だから、お前に家に来て欲しかったのに・・・。」

水瓶「ほぇ?獅子、キャラ変わってない???」
獅子父「獅子ちゃんは、四人兄弟の一番下の三男坊でな。心配し過ぎてついつい過保護になってしまって。
今回、進級の危機があったのは、親から離れて好き勝手しすぎたからだと思ってな。
だからこそ、こんな寮生活じゃなく、我が家から通える学校がこの子には一番いいのだという結論に達したわけだ。」
といいながら、威圧感を込めてわしわしと水瓶の頭を撫でる獅子父。

水瓶「子ども扱い、やめw」
獅子父の手を振り除く水瓶。水瓶「真面目に聞いて!獅子父、俺、獅子と雇用契約を結びたい。」

天秤『あ!!俺が目を離した隙に、水瓶がまた厄介事しでかした??』

雇用契約ってナニ???
道場前にいる、水瓶以外の全員がフリーズした。



いや、こっち、獅子君問題さっさと終わらせたいのよw
なのに、話、複雑にしやがって・・・・。
てか、複雑にしてるの私か???

天秤「お前も予測不可能なお話なんだろ?」
おぉう、天秤君おひさ~。
天秤「おひさ、じゃねぇよ!てか、なんで俺はお前と話せるワケ?て、今はそれは問題じゃないんだった。」

ん?ナニが問題?
天秤「面白いからって、無駄な戦闘シーンとか、やめろよ?」
ぎ、ぎくぅーーーーー!!!そ、そうっすね!!!
天秤「他には・・・」
どきどき・・・
天秤「俺をもっと活躍させろ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。考えておきます。

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