12星座星座もしもシリーズ48(学園スクープ編)
生徒会長に学園新聞発行の許可を貰った双子。
双子『じぃちゃんからもらったこのカメラ、最初はデジタルじゃないのにガッカリしたんだけど、今じゃめっちゃ面白いって思ってるんだよね~~。』
デジカメみたいに撮ったその場で確認できないし、絞りやら露出やら自分で設定しなきゃ、な面倒くさい代物なのだ。
だからこそ、自分の勘や感覚が入り込む余地がある、とも言えるのかもしれない。
最初のうち、手振れやらピンボケ写真しか取れなかった双子。
双子じぃ「まぁ、初めはそんなもんだろ!」
じぃちゃんは双子の写真を見て、双子の頭を右手でグリグリしながら高笑いした。
じぃちゃんは、報道カメラマンとして世界中を駆け回っていたらしい。
戦場にも出向き写真を撮っていた。
双子がまだ小さい頃、地雷を踏んで九死に一生を得たじぃちゃんは、左半身に大きなダメージを受けてしまい、そのままカメラマンを引退したのだった。
まだ、何も知らない幼い頃、じぃちゃんの話を聞くのが大好きだった双子。
双子「じぃちゃん!俺、報道カメラマンになりたい!!」
双子じぃ「そうか、そうか!!でもな、カメラマンってのは、ただ写真を撮ってればいいってもんじゃないんだぞ。」
なんて言いながら楽しそうに笑い、やっぱり双子の頭をグリグリするのだった。
春休み、久しぶりにじぃちゃんに会った双子・・・・。
じぃちゃんってこんなに・・・よぼよぼだったっけ???
双子じぃ「おぉ、双子か。まだ私が元気なうちに、お前にこれをあげようと思ってな。」
と言いながら古びたカメラを双子に渡すじぃちゃん。
双子「元気なうちって!ずっと元気でいてよ!」
双子じぃ「まぁ、そのつもりではいるが、なかなか亡くなった母さん以上の女性に会わなくてなぁ。
思ったように元気が出ないんだよ。今度、お前の行ってる学園の女の子の写真でも送ってくれれば、元気が出るかもだなぁ(笑)」
双子「んじゃ、俺、はりきって学園内の人達や起こった出来事、新聞にしてじぃちゃんに送るから!めっちゃ面白い学園なんだぜ!」
双子じぃ「おぉ、それは楽しみだな!」
双子「じぃちゃんの名にかけて!俺は絶対に面白い学園新聞を作ってやる!」
で、さっそくフィルムを現像する双子。
なんか、今ってめっちゃ便利な現像道具とかあるから、暗室なくても大丈夫なんだよね~~。
でも、あの暗室で現像するってのが、楽しい、てのもあるんだけど!
春休み、校長室でオカヒロ研のメンバーが変身したのを、確かに写したハズなのに・・・・。
確かに、メンバー達は険しい顔をしているような雰囲気はある。
獅子父の服も破け散ってはいる。
が、しかし・・・・。
双子「???俺の折角のスクープが?どういう事、これって?」
大慌てで水瓶にLUINを打つ双子。
双子「聞きたい事がある。どこにいる?」
水瓶「部屋」
大急ぎで水瓶の部屋に行く双子。
部屋のドアを開けてすぐ。
双子「俺のスクープが台無しなんだ!」
水瓶「スクープってナニ?」
双子「お前のアプリで、オカヒロ研のメンバーが変身したやつ!」
水瓶「あ~~~、双子も見ちゃったんだ?」
双子「んん??」
水瓶「変身なんて物理的な事、そう簡単に出来ると思う?
いくら俺が2月生まれだからって、空中元素なんちゃら装置やら、美人で脂肪の付き方がマニアックな変身出来るアンドロイドとか作れんて~~。
それに俺的にはクロヒョウが変身する美女のほうが好み~~。」
双子「相変わらず何言ってるのかわからんが、あれは変身してなかったってコト??」
水瓶「そだね~~」
双子「じゃ、俺が見たのってナニよ?」
水瓶「まさか双子が変身姿見れたとは、驚き!」
水瓶の説明を簡潔に言うと、要は思い込みパワーを増幅させて、当人達だけが変身したつもりになるという、そんなアプリだった。
水瓶「だから、思い込みパワーの強いオカヒロ研の皆にアプリ渡してみた。」
双子「え~~、なんだよそれwがっかりだ・・・・。スクープだと思ったのに・・・・。」
水瓶「せっかくだから、撮った写真みせてくれる?」
双子「おっけ~、今持って来る。」
と、猛ダッシュで部屋に戻り写真を撮って戻って来た。
双子「お待たせ!これ!」
プリントされた写真を水瓶に渡す。
自分が写っていた写真を、すばやく隠す水瓶。
双子「!何すんだよ、水瓶!!」
水瓶「俺の写真なんだから、俺には肖像権があるハズ!」
双子「俺が撮った写真なんだから、俺に所有権があるだろ?」
そこに、ドアを大きく開けて入って来たのは
天秤「な~~んか、揉めてる?まぁ、俺が公平にジャッジしてやる!!」
天秤がいきなり乱入して来た。
水瓶「遠慮します。」
双子「これ、コントじゃないからw真面目だから!」
天秤「俺はいつでも全身全霊で人と関わっている!が、そんなの見せたらカッコ悪いから、冷静沈着ポーズを・・・」
水瓶「いらないから。」
双子「天秤、邪魔。」
その場にへたりこむ天秤。
水瓶「・・・・」
そっと、天秤に近づきちょんちょんと指で天秤を突いてみる水瓶。
双子はその隙に水瓶が隠した写真を奪うのに成功した!
双子「やった~~!!天秤、サンキュー!」
水瓶「だから、ダメだって!」
写真を持って、猛ダッシュで水瓶の部屋から出て行く双子。
水瓶「・・・・な、なんだよ!俺・・・・、お前の事嫌いになりそう・・・。」
いつになく落ち込んでる水瓶。
天秤「なんだよ?お前、大抵の事はどうでもいいくせに、やけに写真にこだわるんだな?」
水瓶「しゃ、写真にこだわってるってわけじゃないって。」
天秤「じゃぁ、何にこだわってる?」
いつになく、天秤が優しい目で見ている。
水瓶『でもでも、これは・・・・話せない』