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ウサギモドキはグランプリの夢を見るか?~余談編~
こんにちは、灯 おぴゃです。
この記事は今回の制作に関する余談なんですが、それにしては重いな……という話をしていきます。着ぐるみ制作の直接的な話(デザインとか、作業とか)はほとんどありません。息抜きがてら、灯 おぴゃの吐き出しにお付き合いください。文章がマジで書けすぎる。長い。冗長。
前回までの記事では、着ぐるみ「メッタ」のデザインと制作についてブツブツブツブツとのたまってきましたが、今回はハロウィンが終わってから、JMoFと着ぐるみクリエイターコンテストに参加する直前までにやっていたことなどのお話です。もれなく長いし、今回は特に含蓄もないので、興味がある方だけお菓子を食べながらorお酒を飲みながらスナック感覚で流し読みしてください。(お酒はほどほどに……)
制作についての記事はこっち↓①②が準備とデザイン、③が実際の制作の手順です。
JMoFへのきっかけ
メッタちゃんを作る前から、JMoFのことは知っていました。日本で一番大きいケモノ着ぐるみイベントですし、死ぬまでに一度は行きたいという思いは少なからずありました。ホテルをほぼ貸し切って行われるコンベンション。もう、規模も熱量も桁違いすぎます。でも最初は、人気すぎて部屋や宿が取れない、更衣室がとれないという話もよく聞き、億劫なきもちの方が大きかったです。
完成直前の9月とかくらいに、フォロワーさんに「着ぐるみクリエイターコンテストに出せるクオリティなんじゃないか」と言われ、これまでの人生でいくらなんでもひどいだろというくらい"コンテスト"には敗北し続けてきたというのに、興味が湧いてしまいました。ただやっぱり、JMoF自体が豊橋という、行ったことなく遠い場所(近畿以遠は遠い認定)だし気分は向きませんでした。
実は、この時のフォロワーさん(咎 空兎さん)は前回のクリエイターコンテストの出場者だったので、本当に色々なことを教えてもらいました。応募ページを覗き、どんな資料を用意するべきか参考にさせてもらったり、移動やJMoFの宿情報などもう至れり尽くせりです。本当に感謝しています。そして当日のアテンドも!
空さんとはあのケモすて3で邂逅を遂げ、自作がしたいと話したことで付き合いが始まりました。まさかこんなことになる未来も知らずに……。ケモすて3、ありがとう……。
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蛇に睨まれた蛙になっているのは、私のぬいぐるみのタキちゃんです
また、行くにしても1人かぁ、誰か一緒に来てくれないかなと迷っているときに、いつもハロウィンイベントで併せてきた友人を誘ってみました。二つ返事で行きたいと言ってくれ、よかったらいつものようにアテンドをお願いしてもいいかと聞いてみて、快諾!ああ、持つべきものは友〜!!ね、メッタちゃん……。
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こうしてJMoFでは、学生時代からハロウィンと制作を一緒に楽しみ、自分の作品に理解がある友人と、着ぐるみやアクティング、イベント・コンテストのことについても詳しく経験豊富なフォロワーさんのダブルアテンドで両脇を固め無敵になる予定が立ちました。イェーイ!
ただ、私はどちらかというとインドア派の気質があり、遠出や外出ばかりは得意ではありません。家が大好きです。土曜日に馬券を買いに外に出るのも最近は億劫です。家で好きな音楽(動画)をかけて作業し、15時になったら競馬番組を見て、また作業。もしくは作業の代わりにダラダラ動画見るだけ。毎週そんな休日を過ごします。それに旅行は経験が乏しく、新幹線で東京に行くだけはもう慣れたのですが、ホテルを取ったり当日の移動、時間設定、スケジュール管理、どれもやることが多すぎてMPをすごく消費するから、腰が重くてなかなか動き出せませんでした。ちょうどハロウィンのイベントの時にはJMoFの事前応募だけとりあえずしてしまっていて、友人を誘えた後ホテルをとりあえず確保して。それ以降は中々動けませんでした。
これは、私にとってハロウィンが年末だからです。ハロウィンが終わった後本来の年末までの2ヶ月間、毎年死んだように過ごしています。その後も暖かくなってくるまで、死。11月の初めとかはハロウィンの余熱でまだクリエイティブな気持ちが湧いたりしているのですが、徐々にそれが冷め街が完全にクリスマスムードに入ってくると最悪です。そんなにキラキラするな!!!!それに、冬って寒いんですよ。私が勤務している職場は空調がありません。気温が下がっても着込んでカイロで耐えるしかありません。また、日照時間が短くなり、セロトニンの生成量が落ちます。いわゆる冬季鬱のような気質があるのだと思いますが、もうとにかく……11月以降は、ダメ───それが毎年の流れでした。今年はというと……それがまた現実は小説より奇なり。
見つめたのは、着ぐるみではなく、人間。
私にはパートナーがいます。彼女は、2024年の夏くらいからあるアイドルグループにズブズブとハマって行っていました。私は基本的に(競馬の馬という例外を除けば)2次元のキャラクターのみを好きになるため、それがよく理解できず、まあ彼女が楽しいならそれでいいか……(嫉妬)と思っていました。誰よその男!!夏は私も、制作に大量の時間を費やす時期だったのである意味でちょうどよかったかもしれません。
11月に入ってからこんな話をされました。「もし席が取れたら一緒にライブ来てくれる?」私はインキャのため、これまでの人生でライブに行ったことはありません。それに、私は3次元の人間のコンテンツを好きになることはありませんでした。好きになったらなったで「趣味が悪い」みたいなことを言われたりとか、そういう経験も重なって……、あとおれアグネスタキオンのモルモット君だし……。でも、音楽というジャンル自体は結構好きなんです(自作もするし)。しかも普段は遠方に住んでいるパートナーに会える!クソみたいな冬なのに「行っていいの?行く」と答えていたんです。これが全ての始まりでした。
彼女は私のためにYouTubeのリストを作ってくれました。私が普段聴いている曲というと、サーカス団バンド「Circus Contraption」の楽曲や(倉橋)ヨエコなどが主です。あとお気に入りの音楽リストには自分が好きな馬が勝ったときの競馬実況の動画が入ってます。大好き。で、もらったリストに入っていたのはこれらとは全く方向性が異なりました。もうしかもなんか8〜9人くらい人間が出てきて誰が誰か分からないし……。この人は誰!?なんでさっきまで金髪だった人がこっちでは黒髪なのォ〜!?前は青い服着てたじゃァン!しかし、「これ誰!?とかライブ会場で言ったら命を失うよ」と言われ仕方ないので、メンバー全員の顔と名前を一致させる作業が始まります。こんなのクリコンの準備の裏でやってええんかい。
しかも、11月は中旬くらいからこの作業に費やしたので何も作っていませんと見せかけて、実はメッタちゃんにダンスをさせていました。なんでマルチタスクするのぉ?
お友だちの砂漠の王子オアシスくんのこちらの企画、「忘年獣」に参加したいと思い、オーナーとしても振り付けを把握しないとメッタちゃんに教えられないので、毎日踊り散らかしておりました。仕事を終え、家に帰ってから飯食って風呂入るまでのちまちました空き時間に踊りました。風呂入ってからやとせっかく綺麗にした体が汗まみれで終わるため。もともと、運動は苦手で下手ですがダンスは好きなので、着ぐるみでのダンスってやってみたかったんです。
ダンスの課題曲、緑黄色社会さんの「キャラクター」と、作ってもらったリストを反復横跳びする日々が続きます。大抵のライブでは掛け声という文化があるらしく、それも覚えないといけないので、知らない曲を聴いて知らない掛け声を覚えることになりました。かぼじゃご。ただ、それは自分が全く知らなかった世界をチラ見してその良さを味わうという作業になり、冬のクソみたいなメンタルを少しでもいい方向に維持させる力があったようです。そう認めざるを得ません。
(ちなみに緑黄色社会さんの「キャラクター」はめっちゃいい曲なので、歌詞含めて、着ぐるみをやっている人は一度聴いてみてほしいなあ~)
クリコンへの応募
でも、コンテストに出場するならちゃんと準備をしなければいけません。着ぐるみクリエイターコンテスト2025の応募締め切りは、11月の下旬。それまでにワンチャン資料が完成すれば応募しよう、という風に思っていました。仕事して家に帰ってきてからパソコンと向き合い、執筆作業をする元気は正直もう全然ないし、ダンスの練習も必要になったし曲や顔面も覚えないといけません。なので、前と同じように通勤時間にメモ帳に資料を書き溜めることになりました。これまでの方法と全く同じです。
クリコンで準備する項目はかなり多いです。公式サイトに載っている項目のリストを全てメモの中に転記し、考えを書いて、推敲して……みたいなことをやり始めました。作品は完成してるから、思いの丈をぶつけるだけ。自分の作品を説明することは大好きなので文章の資料作りはあまり苦痛ではなかったです。ただ話がとても長いタイプなので、文字数制限にかからないように自分の思いをまとめるのは結構苦心しました。本当は長く書かなくてもいいと思うんですが、ちゃんと喋らないと自分の制作にかけた気持ちが伝わらないなと感じたので、ちょっと頑張ってしまいました。
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普段、フレーバーテキストのような"世界観マシマシ"系の文章がとても好きですが、プレゼン資料になる以上、それを見た人に自分の思いを伝えないといけません。どんなバックボーンがあるキャラクターか、を物語的に解説するのはほどほどにして、着ぐるみのデザインや制作の上でこだわった点をアピールできるように書きました。これは、フォロワーさんの出場時の資料や経験を参考にさせてもらい、「どんなに着ぐるみ作品が自体良くても、文章でもその良さが伝わらなければ書く意味がないな」と考えたからです。嬉しいことに、会場でメッタちゃんの制作過程などの経緯を聞いて涙してくださった方がいました。ちゃんと書いてよかった〜。
写真も用意しなければなりません。私の家は家族全員が片付け絶対不可能マンのため散らかりすぎてて、なんか背景の綺麗な布とかを用意できる余裕がないので、制作をしていた部屋を撮影用にできるだけ綺麗にして撮ることにしました。ヘッドでは耳が外れることややわらかさをアピールする写真が必要だし、身体のパーツ分割をたくさん入れていることも効果的に見せる必要がありました。写真は綺麗に撮れた方がいいです。他の参加者さんの資料が本当に素晴らしいので、リンクから資料をぜひご覧になってください。なんかこうやって写真撮ると、キャラクターではなく作品感が強調されて、変な感覚です。
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あと、自分のスマホでは広角レンズの撮影がないので、いいスマホを持っている妹にお願いして0.7倍くらいで引きの写真を撮らせてもらいました。文明の利器はすごいね〜。最終的には「写真では凄さが十分にわからなかった!本物を見て良さがすごくわかった!!」と審査員の方に言ってもらいましたが……………ッ!写真……の意味……ッッ……。やむなし。
11/17くらいには、もう文章も何もかも揃ってしまったので意を決してコンテストに応募しました。あらかじめサイト上の項目に合わせて書いているので、GoogleフォームにメモのテキストをコピペすればOK!Googleのアカウントを持っていれば途中保存されてたすかります。応募や運営さんとのやりとりにはディスコードのアカウントも必要になります。使い慣れている人はラッキー(私は使い慣れてませんでした)。
応募したくらいの時期にパートナーはライブに行ってスナイパーの角度で推しを見ていたようです。私はまだ全員の顔がわかりませんでした。この頃から、私がグループのメンバーの顔を見分けられるようになるために、パートナーからやたらめったら顔がいい方々の写真をたくさん見せてもらうことになります。ああ、見分けがつかないし名前もなんか似てるから分かんない……。みんなンで終わるやん…名前が……。
メンタル弱し
応募したらもうJMoFには絶対行かないといけません。スーツケースを買わないといけません。ハロウィンのイベントは自分が通い慣れた道なので大丈夫でしたが、相手は愛知県。豊橋という名前すらJMoFがきっかけで知りました。何より身長150センチ強のチビショボがこの量の荷物を持って新幹線になど乗れるはずがありません。バスも無理。
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百均で買った大容量のビニールバッグと自作ヘッドケースですが、移動での取り回しはあまりよくありません。全身を使って移動しないといけない……。メリットとしては、中身を出せばぺちゃんこにできるからコインロッカーに入るのがいいところ。
コンテストに出る不安、ダンスの撮影の段取りの不安、まだよく知らないグループの全然知らないファンに揉まれ人生初のライブに行く不安……あほか?アホなんか?なんでそんな予定を詰めたんや?冬も相まって、やるべきことをやるペースが亀になります。ダンスは2024年中の企画のため、JMoFより早く動かなければならないので、そちらを優先。息抜きになんかいい顔面を見て、またダンス、資料、みたいな感じで、JMoFのためのやること(イベント内の企画の確認や、時間の段取り、荷物のやりくり、それを友人とフォロワーさんに相談共有……)は先延ばしになってしまいます。
11月下旬になってライブが近づくと、私はさらに別側面で葛藤し始めます。「おかしい……おれが3次元の人間に魅力を感じるなど……!!」そう、毎日のように音楽を聴き、顔面をガン見し、時にはなんかワチャワチャ遊んでいる企画モノを眺め、名前を覚え……この人たち、凄すぎる!!この人たち、可愛い!!この人たち、みんなで幸せに生きてくれんか???オタクの性───それは自らもなぜ好きになったか分からないのに何かを好きになってしまうことです。
でも、全くそれを受け入れられなかったんです。朝夕こんな風にLINEやTwitterで1人壁打ちをしていました。
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だって、おかしいんですよ!これは、私向けに作られたコンテンツではないのに、と感じていました。私はその時の自分をどう受け止めたらいいか分からなくなっていたんです。オタクになりたくない!キラキラ推し活✨とかしたいわけじゃない!生きている人間の生き様を商品にするって、グロテスクすぎん?……など。ありとあらゆる複雑な考えが浮かび、苦しんでいました。
アイドルって生き様を仕事にしてるじゃないですか。壮絶すぎる。命をかけたエンターテイメントです。それも、着ぐるみとは違って自分の顔も身体も何もかも丸出しにして。そんなふうに生きることは私には絶対できません。それを「消費」する感覚も大概嫌だったし、アイドルにハマるなんて「普通」みたいで嫌だな……おれは異常キモオタクなのに……みたいな。今思えばそんなに深く考える必要も悩む必要もない気がしますが、自分とは一体なんなんだろうという自省にまで入っていきます。
何の話?これ。もうちょいお付き合いくださいませ。当時は、このグチャグチャな気持ちをダンス練習で晴らすみたいな感じになっていました。ウケる。一つ問題が生まれるとそこから逃避するための別の問題がスルスル進みます。マルチタスクすな。
向き合えていなかった感情
12月に差し掛かるくらいの頃、とうとう3次元の人間コンテンツに魅了されたことを認めてしまった私は、そこから自らの感情と、表現と再度向き合うことになります。
中旬に入る前にはついにライブがありました。ライブまでに、とりあえずファンになっちまったっぽいな〜という意識を持つことができたのは幸運でした。ものすごくたくさんの人が1ヶ所に集まって好きなものへの愛を叫びにくる場所!あと、物販があって……金と心血を注がれて制作された質の高いグッズと、それが飛ぶように売れる資本主義経済の真骨頂!怖い!CDを買うと人間の顔とかが印刷されたちっさいカード(トレカ)がもらえるんですが、そのカード欲しさに何枚も同じアルバムを買う(いわゆる積む)ことを知り、恐怖で震えました。え?なんでぇ?紙だぜ?
それからなんやかんやでライブが始まり夢中で叫んでいたら体感30分くらいと思えるほど、素晴らしい激烈なものを浴びたライブが終わりました。そ、存在……。
そこにあったのは可愛いだけで済まない世界
ライブが終わってええ感じのお店で晩ご飯にナポリタンを食べました。そして感想を語り合っていると気づいたことがあります。
私は、2024年の制作に夢中で突っ走っているうちに、自分の気持ちを言葉にすることをなおざりにしてきたのではないかと。
ケモノ着ぐるみイベントに参加した時も、何が良いアイデアをのぞいている時も、とにかく口をついて出るのは「かわいい〜!」でした。あれもかわいい、これもかわいい……。私はかわいいのレンジがまあまあ広い人間だという自負があります。かわいいって言葉自体が、かわいいしな……。それでも、可愛いだけでは済まない良さや魅力がライブにはありました。その気持ちを全然口からうまく出せないんです。素晴らしいものを見て、自分が何を感じているのか、本当の意味で自分で把握できていない。出力できなくなっていたんです。そう気付かされて、これはまずいなと思いました。
要約すると、たくさんの情報が勝手に流れてきて自分で取捨選択していかなきゃいけない日々の中で、自分が受け取ったさまざまなものの「良さ」を的確な言葉で捉えず、表現せず、「かわいい」という便利な言葉で押し流してしまっていたということが分かったんです。
これに対して、自分の口や手で何かを表現する立場にいる者としては致命的ではないか!?と震えました。"自分が何を良いと思ってるのか"の話はこれまでの記事でも再三しているのですが、あまりにも制作にリソースを割いて力を注いでいたので、自分の気持ちをいたわるためのインプットを放置していたのだろうなと思います。実際、フォロワーさんたちの作品を楽しむための時間は、作業の時間にあてるために削ってしまったんです。これまでの人生で、自分の中で「素敵だな」と思えていたものは、もっとたくさんあったはずです。私は、もっとちゃんと自分の言葉で「ここが良い」「これが好き」と言っていくべきなんだ!と思い出しました。
あと、好きなものが同じ人たちがたくさん集まって愛を叫び合うのは、ライブも着ぐるみイベントも構図は同じですね。自分のような超初心者のにわかすぎる存在でも(そもそも着ぐるみイベントに関しても初心者ですが)、そこに席があればドームはただ受け入れてくれて、「そうかー、愛や好きの気持ちっていうのは深くなくてもいいんだ……」という"悟り"に入ることができたんです。
私にとっての「好き」や「愛」というものは、その対象をよく知っていること、深く理解していることだと思っていました。オタクって少しはそんなところがないですか?自分が手の届く範囲は、隅から隅まで知り尽くしたり把握したい!もちろん全てを知れるわけはないのですが、何でも答えられるくらいたくさん知りたい、それは愛故にというスタンスです。今もこの気持ちは色々なものに対してあります。
でも、好きだという気持ちはそればっかりではないんだな?という盛大な気づきを得ることができたんです。大袈裟な話になっていますが、ライブでの経験はどれも、私にとって自分のアイデンティティが揺らぐほどの初めての感覚でした。何もかもを奥まで探究する必要はない。そして、そういう深みにはまっていっていないからといってその愛が軽薄なわけではありません。また軽い気持ちでも好きということに罪悪感を持つ必要はありません……にわかバンザイ!!おお、バンザイ……。
暖炉に薪を投げ入れ続けてくれるもの
こうしてカスの冬で凍えて死ぬのが通例だった私のクソみてえなメンタルですが、心の中の暖炉には炎が灯り続けることになります。制作とは全く関係のない趣味が新たに出現した形です。得られた癒しは莫大です。クリエイターコンテストの出場者が発表され、そのメンバーを見て愕然として、「○○さんの☆☆くん出てくるのかよ……もうどう足掻いても無理じゃん……」とダークサイドに引っ張られるとき(実際に、技巧を凝らした着ぐるみ作品が多かったので手応えは全くなかったです)、とりあえず気分を切り替えることもできました。勇気とか、元気をくれるんですね。冬なのに嘘みたい。
また、自分のクリエイティブとは路線が違う新しい魅力に毎日気づくことができて、「もう20代後半に差し掛かるけど、まだ知らない魅力を好きになることってできるのか!!」と自分の可能性が広がった嬉しさも噛み締めました。人生って辞めなければどんどん光るな〜!!
私のゴミのような冬に一房の熱い炎が灯りました。これがなければJMoFもクリコンも行けませんでした。
ありがとう、ありがとうStray Kids───!!!!
この新鮮な狂気でクソみてえな冬乗り越えてやるぜ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️happy‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️ pic.twitter.com/1l4gl5MXWz
— 灯 おぴゃ🏆🙇 (@8o6p1y0a1n0n3u1) December 8, 2024
JMoFに向かって進もう!
長々長々と着ぐるみでない話をすみません。話を戻します。12月ってもう1月の1ヶ月前なので、メンタルを宥めながらJMoFに向けての小さい制作をする必要があります。また、コンテストに関しては資料を提出した後、開催中に投影されるスライドを運営さんがあらかじめ作ってくれるのですが、これを確認・編集しないといけません(単に制作者として納得いく形にいじるだけです)。Discordでお知らせが来るので、こまめにチェックして、スライドの編集をちまちま。そんな大したことはしていませんが、提出時には気にならなかった言い回しの修正とか、この画像やっぱりいらないな、とか。
JMoFでは、ハロウィンのときと装いを変えてみようと企んでいました。メッタちゃんのデザインや仕様については②③でペラペラペラペラ喋りまくった通りですが、いわゆる「かざり」=装飾品を付け替えできる、付け替えのためにボロボロになっても、分割が多いのでボロボロの部分だけ作り直せばいい、という感じにデザインされています。そのため、イベントに出る時は何らかのテーマを決めて、毎回少しずつ違った姿を見せられたらな、という味変要素があります。JMoFに向けて、クリコン以外でやらなければならないのは、その「かざり」の制作でした。
ハロウィンのイベントでは、可愛さやぬいぐるみ・布ものっぽさを演出する、リボンやボタンの「かざり」にしてみました。量り売りのリボンを買って手作りしたり、デカボタンをブローチにする単純なものですが、汎用性が高い装飾でもあるので気に入っています。
JMoFではクリエイターコンテストでたくさんの「お友だち」の前に出ることや、日本最大級のイベントですから多くの人やキャラクターさんと出会い「お友だち」になってもらう、というメッタちゃんの基本的な願いをテーマにした装飾にしたいという思いがありました。「Can I be your friend?」はメッタちゃんの永遠のコンセプトです。
手を動かすしかない
毎日心の中に薪が投下されてもなお、帰宅後にミシンを動かすような元気は相変わらずないので、自分の手を地道に動かすことで確実に作れる、または童心にかえってワクワクできる制作物をと考えて手をつけたのがアイロンビーズでした。100均(ダイソー)に売ってるやつの色が可愛〜ッッ!!
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小さい頃は、親から「アイロンが怖いからできない。危ないから使わないで」と言われアイロンビーズを遊ぶことができませんでした。その時に叶えられなかった、アイロンビーズへの憧憬を抱いていた幼い自分を叩き起こしてきて、ワクワクしながら制作することになります。
図案は一切なくて、思いつきです。色を置いて好きに組み上げて、しっかりめに溶かして、毎日何かしらの作品ができるので楽しすぎます。PCやペンタブ、ミシンとかを使わない地道な作業なのも利点です。手元だけでちまちまやるからMVを流しておけばふとした時に無限大ハッピーになれる。ドット絵っぽいのも、平成期に対するレトロ感のようなものがあって、今人気ですよね。色が散らからないよう配色だけは気をつけます。ダイソーのアイロンビーズセットは、同系色で揃えてあってとても選びやすいんです。紫・ピンク・赤あたりの色を狙って買い、ちまちま分別した後、好きな絵柄を作ります。
100均のアイロンビーズ台ではアイロンの熱で反ってしまい、うまくアイロンできなくなってきたので、手芸屋さんでパーラービーズの台を買いました。
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楽し〜!!!!!!!こうして色々な「かざり」を楽しんで作ることができました。嬉しすぎやろ。着ぐるみにつけるので、サイズは大きめに作ります。
片手間になんかこんなんも作って遊びました。思いついたらビーズがあればすぐ作れるのも良かったです。パーツ作ってそこらへんにあったグルーガンで接着しただけ。かわいいね。かわいくない?CUTE……
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忘年獣に参加!
中旬ごろ、ついにダンススタジオを借りてダンスを撮影しました。撮影や設営は妹に協力してもらいました。スタジオは、貸しスタジオのまとめサイトみたいなのがあるので、検索してそこから予約してスケジュール合わせていけばOKです。3時間くらい借りたかな?着ぐるみは毛が出るので清掃用にコロコロも持っていきました(メチャクチャいい掃除機が置いてたからあまり使わなかった)。
着ぐるみでダンスをするのは壮絶です。普段の自分の体より体重が重い感じがして全然早く動けないんですよ。難しい振り付けじゃないのに本当に大変でした。名札が永遠に裏返るので外しました。また、単に踊るだけだと飽きるので、曲を短くした上で間にちょこちょこ挟む用の映像も軽く撮影して、冬なのに汗だくでなんとか終了。流れで編集をしたら動画完成です。
こんな感じのものになりました。
緑黄色社会さんの「キャラクター」をおどったよ!
— メッタのお部屋 -METTA MATES- (@M3tta_mat3s) December 15, 2024
(1ばんだけ!)#忘年獣2024 pic.twitter.com/Fki2O9n5Oo
これが終わると一気にJMoFへの準備が進みます。また、ダンスを頑張ったことで着ぐるみで自分は何ができるか・できないか・人の助けはどのくらいいるか、などを身をもって理解することができました。JMoFで生かされた……かも?改めて、ダンスの機会があって良かった。オアシスくんありがとう!!またいつか別なスタジオで撮影とかもやってみたいです。
一月がやってくる
あっという間にクリスマスも過ぎて、年末年始。新年明けましておめでとうとかの気持ちが爆裂に起こることはなく、JMoFまで張り詰めた気持ちが続きます。いつもの冬とは違うけど、依然としてメンタルの状態は芳しくありません。タイムスケジュールをぼちぼち決め始め、友人とフォロワーさんと共通LINEグループとか作って情報交換をしていきます。なんだか必死にやっていてあまり覚えてない……。
それから着ぐるみのパッキング練習もしないといけません。クリスマスくらいにクソデカスーツケースが届きました。1月入ってから届くって聞いててメチャクチャ焦っていたけどなんとか2024年中に届いて安心しました。
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デカ過ぎんだろ。多分頑張れば私入りますよ。でも、これに着ぐるみを全部入れないといけないから大変です。足の裏が替えられる仕様で本当に良かった。
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何回か練習をして、少しだけだけど余裕があることがわかります。私はこれまで、イベントとかに参加したことがなく、スポーツインナーとかも持っていないので(普段参加するハロウィンのイベントは更衣室とかがないもので、道端で着替える必要ある)、普通のワイシャツを複数持って行きあとはズボンの着回しだけでなんとかしました。まあまあミスだったなと思うから、ちゃんとしたインナーはこれから買います。ハハハ
遠征時の持ち物は、スーツケースとヘッドケース、必需品はウェストポーチで出来るだけ荷物を減らし、整理したおかげで当日大きな忘れ物をせずにすみました。本当に良かった。メンタル以外は準備万端です!
次回、JMoF2025
なぜ今回の話でJMoFにまで辿り着いていないのでしょうか??長々すみません、ここまで読んでくださり本当に大変だったでしょう。ありがとうございます。
ハロウィンが終わり、JMoFまでの11~12月でこんな激動の時期(個人的に)を過ごしていて、クリコンにもいい効果があったんかなあと終わってみてから思います。みんなも全く違う味のコンテンツや趣味を摂ろう。
次回はやっとJMoFとクリエイターコンテストの話を詳しく書いていきます。時系列を追って感想込みで。
流石に今回何か気になることがあった人はいないと思いますが、Twitterでもなんでも気軽に声をかけてください。どんなことでも協力しますよ〜!
マジで変な話し続けてすみません。では、読んでくれる方はまた次回をお楽しみに!
ヘッダー画像はハロウィンのイベント時のもので、蘭翔ちゃんでした~!いつもありがとう……。
あと名前にリンク貼ってあるので各アーティストのコンテンツに触れてみてもらえると単におれが喜びます。ウハハ。