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ウサギモドキはグランプリの夢を見るか?①
ごあいさつ
こんにちは、灯 おぴゃです。見に来てくださりありがとうございます。この記事をご覧になっている方は、ほとんどがJMoF2025の参加者さんか、着ぐるみの制作についての情報収集をしている方かな?
このnoteでは私が制作した着ぐるみ「メッタ」について、制作のいきさつ、手順の解説と、クリエイターコンテスト(JFCC2025)のお話をしていこうと思います。もれなくマジで長いので、ゆっくり読んでください。お茶とかお水とか準備してね。
自己紹介
灯 おぴゃ(アカリ オピャ)は普段、色々好きなものを作って遊んでいる一般通過限界オタクです。たくさんの推しに支えられて生きています。
数年前に社会人になりましたが、仕事は限界派遣野ざらし倉庫勤務事務職です。寒い。暑い。お絵描き、仮装制作、動画、作詞作曲、歌とかを趣味でやっています。
学生時代はイラストレーター、キャラクターデザイナーになりたくてそっち方面の勉強をしていました。
そして、私と制作を語る上で欠かせないのは、「ハロウィン」です。紆余曲折あり、私はハロウィンが大好きです。この人生が終わるときまでハロウィンを愛しているでしょう。そして、その仮装を作る趣味を15歳のときから始めました。年一のペースでハロウィンに向けて仮装制作を行っています。その繰り返しの人生を送ってきました。「メッタ」は、2024年のハロウィンに向けて制作された仮装だったのです。
これくらいで私のことがやんわり分かりましたでしょうか……。
制作のきっかけ
さて、2023年のハロウィンではこんな仮装をしていました。
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ハロウィンは10月31日なので、そこに近い土日の二日間で街のお祭りに仮装して参加するのが、私の毎年のルーティンです。
ですが、「メッタ」の構想は2023年10月19日には始まっていたようです。その際の制作のメモを見てみましょう。
ケモ着ぐ1着ほし〜い‼‼‼
これが2024年に何の仮装を制作するかの初めての指針のようです。わろた。私はかねてよりfursuitやケモノ着ぐるみというジャンルはよく知っていました。制作でも何度も参考にしたし、憧れもありました。社会人になって金銭面の余裕や技術面の成熟を自分なりに感じ、「今ならケモノ着ぐるみのフルスーツが作れるんじゃないか?」と思ったのでしょう。
どんなキャラクターにしよう?
まず制作の指針が決まったら、大雑把にやりたいことや気づいたことを書き出していきます。通勤時間が片道1時間弱くらいあるので、箇条書きなどでメモします。毎日生きていると色々なものから刺激を受け、たくさんのアイデアが溜まっていきます。最初は細かく分別・分類しないで、キャラクターの設定も、デザイン上の話も、制作作業についても色々ぶわ~っと。
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恥ずかしいのであんまり読まないでください
過去の自分のツイートを検索して、着ぐるみで何かやりたいとか言っていないかな、昔にいいアイデアを残してないかな、みたいなこともしました。
このメモは後にも情報を継ぎ足し、制作に必要なことなども盛り込んでいき(なんの生地を買うとか、販売店の情報、ミシンについてとかとにかく色々です)、見返すたびに自分が何をやろうとしたか思い出せてよかったです。方針がブレないで済んだということです。
2024年のテーマ
アイデアの書き出しをして、次はテーマを決めていきます。私は毎年、自分をモチーフにして仮装を制作します。今自分が感じていることは何か、自分をどう捉えているのか、自分の中でこねくり回します。これは時間がかかるので、同じように通勤時にiPhoneのメモ帳に書き殴ります。そして、以下のようなまとめができました。
・何がしたいんや?
着ぐるみが欲しい!!着ぐるみになって、着ぐるみのイベントとかでも使いたい!!動物のモチーフキャラクターのいいものを作りたい!!
→これまでは動物モチーフもあるけど、ドナちゃん(2016年のものです)は異形頭寄り、デーニュさん(2019年のものです)はリアル寄り。全身ちゃんとケモノ?で、デフォルメがある感じを作りたい!!そして、怖かわいく作って出来のよさでチヤホヤされたい(最悪)
・どんなテーマを入れたいんや?
メタい要素。自分を表すキャラとしてもあってほしいから
→自分を表すのにウサギをよく使ってた。ただ今回はハロウィンの仮装という部分にもメタ的で、「化けの皮を被るキャラの皮を被る」。
・なんか自分が感じてそうなこと
*懐かしさ、思い出、ノスタルジー<私にとってハロウィンは帰ってくる場所のようなものだ>
→↑と近い。懐かしみとして、本気で死にたいと思ってた時に描いた絵のうさちゃんをデザインに取り入れる。
*自虐的、反省、懺悔、罪の意識<私は狡猾でずるく、他人に優しくすることができない、自覚しているが治らない>
→草食獣の見た目になりたいと思ってる肉食獣というズルさ。悪い。また、自分の皮も剥いだり自虐がある。
「チヤホヤされたい」と率直に書いてあってウケますね。かなり承認欲求まみれですが、ここも掘り下げてみると「どうしてそう思ってるのか」という部分が分かり、制作において有益だった……のかなぁ……。まあ、自分の場合はハロウィンで仮装をすることや作品を他人に向けて発表する意義に関わっている部分でした。そこを改めて自覚できたのは良かったかも。
自分語りになり恐縮ですが、社会に出て働き始めてから、自分の性格の暴力的な部分が目に付くようになりました。普通にしていたら優しい人間に見える瞬間があると思うのですが、仕事忙しくて余裕ないとかになるとそうもいかなくて(それに、忙しさとかは言い訳がましいです)。自我が肥大して、身の回りの人に当たってたり、お行儀も口も悪くて、他人を萎縮させる瞬間がある。制作のテーマを決めるにあたって自分を省みると、そんな感じがしました。
ああ、最悪だ。そんな人間には一番なりたくないと思っているのに、結局傲慢で、ワガママで、暴力的で、自己中心的で……。そして、燃え盛る怒りなどの突発的な激しい感情、それらが落ち着いたあとはひどく後悔して反省しているんです。これ以上こんな部分を増大させてはいけない。私は自分に関わる人を怖がらせたりしたくないよ。でも、何度反省しても、結局そうしている。そんな感じですね。この部分をキャラクターに落とし込むことになります。
また、文章でのメモと並行して、ちまちま絵を描いて具体的な見た目でどんな感じを目指していくのか、手を動かして自分の頭の中を整理します。
毎年くらい新しいキャラクターを作っているから、被らないようにしたい。これまでやっていないことに挑戦する必要がある。そんな感じで、まず過去の自分の作品の分析もしました。
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恥ずかしいのであんまり見ないでください。
そして、書き殴りとアイデアをちまちま積もらせていって、本格的に仮装デザインとキャラクターデザインに移っていくことが出来るようになります。自分は何を良いと思っていて、何を表現したいと思っていて、何をやりたいと思っているのか。自分の中に答えがないまま制作に移るのは、私にとっては地図を持たずに冒険に出るのと同じです。自分が作っているものが何のためなのか分からなくなって、頓挫してしまいます。だから理詰めっぽい感じで、こうして外堀を埋めるようにしています。
さあ、デザインを決めよう!
やりたいこと、キャラクターの方向性が固まってきたら、ついにデザインを決めていきます。
「動物」「自分を表すキャラクター」という要素を踏まえて、「うさぎ」に着目しました。
●昔から自分をウサギで表現していることが多い→この要素は捨てずにいく?
●︎ウサギのイメージ・かわいい・愛されキャラ・愛玩動物・家畜・メンヘラ・卯年・か弱い
うわ、年齢がばれる。私はうさぎ年生まれです。そして単にうさぎというモチーフ、うさぎという概念、うさぎに貼られているレッテルが好きなようです。かわいいじゃん。あと、小学生時代とかに描いていた自分の代理としてのキャラクターは、たびたびうさぎでした。すると、うさぎというモチーフは上で挙げた「*懐かしさ、思い出、ノスタルジー」の要素とも繋がりそうじゃないですか?こうしてアイデアを一つ一つこじつけしたりして、塊にしていきます。
懐かしさや思い出という点、自分の代理としてのうさぎのキャラクターという点では、自分の中で思い浮かぶ重要な絵がひとつありました。少しショッキングな話題で申し訳ないですが、以下です。
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これを描いたときの精神状態が今でも思い出されます。線も何回も重ねてグチャグチャだし、明日が月曜日で、寝ないといけない深夜に起きて母親と話し合いながらこの絵を描いていました。これを見た母は(私がそれを実行することを)覚悟したと言っていました。まあ、結局死ぬ勇気はどうしても無くて……。
暗い話ごめんなさい!このうさぎのキャラクターもデザインの要素として取り入れることにしました。この時は色を塗っていないけど、後に描いたときは紫色の配色で塗ったので、それも採用。つぎはぎ・ハート模様や片方が垂れた耳、目のデザインもこちらから取り入れました。
また、デザインをしていく上で他人が作った作品をメチャクチャ見まくることが必要です。Pinterestでfursuitとかで検索して色んな作品を見ます。気になるものや、「あ、これは近いな、この方向性だな」「好き、かわいい、良いな」と思ったらピン止めして、具体的な視覚的なアイデアを参考に見返せるように、残しておくようにします。人の作品をたくさん見ても自分の中のオリジナリティが失われることはないと思います。むしろ、それが拡張され、自分の(作品の)可能性になるという風に考えた方がメリットかも。
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JMoFを始め、国内外の大きいコンベンションでは着ぐるみのパレードがありますよね?パレード動画をYoutubeで見るのもオススメです。一度にたくさんの着ぐるみのデザインを見られるし、一つ一つを比較して見ることが出来ます。
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あとは、私も家族も動物アレルギーが軽くあり、ペットがいない代わりにぬいぐるみが好きで家にたくさんいます。そこで「ぬいぐるみ」という要素にも着目し始めました。アイデア出しのうちに「ぬいぐるみの着ぐるみ」とメモしてあったこともあり、それも意識することになりました。
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ミシンの練習で縫った服を着ててかわいい(馬の子たちのみ)
こうして、色々なアイデアと要素同士が絡み合い、外見と設定の両面でデザインを固めていけそうになりました。具体的な像が固まってきたのは、ちょうどハロウィンくらいの10月末のようです。
とりあえず①はここまで
この記事では、灯 おぴゃの着ぐるみ「メッタ」の制作がスタートする前のお話と、デザインの一歩前のところまで書かせていただきました。ここまで読んでくださりありがとうございます。
次の記事からやっとデザイン周りの話をしていきたいと思います。メチャクチャ長くてすみません、次も死ぬほど長いので、のんびり読んでいただけたら嬉しいです。
また、着ぐるみ制作のことやクリエイターコンテストの話で何か教えてくれん?とか、質問とか、ただ話がしたいという人がいたら、Twitterで気軽に声をかけてください。私はツイ廃なのでいつでもTwitterにいます。
ではまた次回お会いしましょう!
最初のお写真は、たきしーどねこぽさん(https://x.com/kdrshn_shch)でした!
お写真ほんまにありがとうございます!!