「Futura」と「Avenir」の関係性
はじめに
最近読んだ書籍「欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)」にて、
FuturaとAvenirの関係性を知り、さらにこの2つのフォントのことが好きになったので、これについてお話します。
Futura
「Futura」という書体がとても好きです。
先進的で幾何学的でスッキリとしていますが、細部を見ると緻密な曲線で計算されており、意匠へのこだわりを感じます。
バウハウス時代にパウル・レナーによって制作された歴史の長いフォントです。
はじめて「Futura」を使ったのは今から3年前で、Macを初購入して、
何もフォントの知識がなかったわたしは
ネットの記事でデザイナーのオススメフォントを探し、
そこで「Futura」というフォントを初めて知りました。
まっすぐに尖っているこのフォントに込められた名前が
ラテン語で「未来」を意味すると知り、とても好きになりました。
Futuraはこれまで長い歴史の中、世界中で使用されていて、
良いデザインは時代を超えても残り続けることを体感させてくれます。
Avenir
また、同時に「Avenir」という書体も昔から好んでよく使っていました。
Avenirは非常に使いやすいフォントです。
ウェイトの種類も多く、少し重心を下に置いているので、安定感があります。幾何学的なのに優しい感じがします。
そこで、最近先輩にオススメされて読んだ書籍
「欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)」にて
Futuraとの関係性を知り、さらに好きになりました。
なんとなく好きだなと思って使っていたAvenirは、
「Futuraへの挑戦」という意味が込められていたのです。
確かに言われてみれば、幾何学的だけど使いやすい感じが似ている気がします。
同じ未来という意味を含み、Futuraへのリスペクトを感じさせる書体のデザインや、書体同士のストーリーを知り、この2つのフォントに対してより愛着がわきました。
参考書籍
これらが紹介された小林 章さんの書籍は、
フォントの歴史や欧文フォントへの向き合い方が丁寧に説明されており、
とても勉強になりました。
特に「恥をかかない組版ルール」という章では、海外で欧文フォントを組む時の当たり前のことが記載されていて、自分も知らないことばかりで驚きました。
個人的に、3章の「時代を軸に選ぶ書体」という章が好きで、
フォントで巡る時間旅行のような感覚になれたのがとても楽しかったです。
おすすめしてくださった先輩からは、この書籍は
「フォントに詳しい人はみんな知っている共通言語」
と聞いたので、さらに読み込みたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。