稲盛和夫氏の実学を読んで
キャッシュベースで経営する
中小企業の多くの社長はキャッシュフローを基に経営を行っている印象を見受けられます。
「キャッシュがあれば倒産しない」
この揺るがない事実があるからでしょう。
資金調達している社長が口を揃えて仰ってました。
そのため、財務諸表も読まない・読めない経営者が多くいるのも頷けます。
キャッシュフローを見る経営者はお金の出入りに敏感な状態であり、個人で例えるならば、家計簿はつけている方とも言えるのでしょうか。
それに対してキャッシュベースは毎日通帳を握りしめながら、残高を把握している主婦と言えるかもしれません。
この本
ベンチャーなど企業の目指す位置によってかならずしもキャッシュベースの経営にはなれない場合は多いと思いますが、ある程度の年数を経た中小企業経営者はキャッシュベース経営にシフトしていけるかもしれません。地方の多くの会社は該当するでしょう。
一対一の対応を貫く
巷のニュースでは経理が横領したという話はよく聞きます。
「一対一の原則」を守ることは”透明な管理”に繋がり、不正を未然に防ぐ。しいてはステークホルダーの信頼の欠如を未然に防ぐことができると感じました。
お金の代理”一対一の対応”を貫かないと 「キャッシュベース」の経営には繋がらないと
筋肉質の経営に徹する
コストをかけてせっかく作ったものだから在庫を過大評価する気持ちは共感できます。私も苦労して作った夏休みの自由研究の工作を捨てらず、いまだに実家の物置に眠っていることでしょう。
稲盛氏は在庫が処分できない状態が続いて負いこまれる状況を防ぎたいと考えています。 これらのことから在庫処分する”決断”が必要だと感じました。ただし、経営者のみが決断している状態はいずれ限界に来ます。そこで在庫管理の担当者がこの決断ができるような権限移譲や管理体制の構築が必要となり、稲盛氏の”アメーバ経営”に繋がってきます。(稲盛和夫氏のアメーバ経営参照)
”まとめて買うとお買い得”に勝てる主婦は少ないはず。私もそうです。
この本を見る2日前に”ウィルキソン”を2箱買ってしまったばかりです。
嫌だ。嫌だ。
売る側の立場になると、まとめて売って値引きすると利益は下がるが売り上げは上がりますので、特定の買い手に対してプロモーションが上手くいく場合があるかもしれません。
ダブルチェックによって、会社と人を守る
京セラでは
・支払いする人間と伝票を起こす人間をわける
・印鑑箱は2重にして、外箱と内箱にそれぞれ別の印鑑を収め、管理者は別の者にする
このような仕組みを徹底していたそうです。
このようなタスクの割り振りによって、労力が増えないかな?
ということが一番初めに感じた印象でした。
社員が多い場合でも、1つのタスクに対し、一人に権限を多く与えることが多いです。※社員数が少ない企業は避けられない状況です。
一般的に権限を与える場合、「誰が」「どこまでを」「発生する時間」を検討事項にするケースが多いですが、もう少し俯瞰して経営側の立場から考えると「財務を中心とした会社全体の透明度」「担当1人に任せることで発生する事故・事件のリスク」「1人あたりの業務量」が検討事項として考えられます。もちろん稲盛氏はそれ以上に広範囲で考えている内容が多いはずですが、、