ハンサム落語 2021 レポ
□注意
ハンサム落語初観劇です。良くんが凄かった。良くんのことしか書いてない。
□公演詳細
ハンサム落語2021
日時:2021年5月22日~31日
会場:浅草花劇場
出演者:
磯貝龍乎、碕理人、千田京平、西田シャトナー、林明寛、
平野良、二葉要、二葉勇、宮下雄也(敬称略)
脚色・演出:なるせゆうせい
制作:Lol
□演目
2021年5月26日(水)18:00公演
一眼国:碕理人×二葉要
転失気:西田シャトナ―×平野良
持参金:碕理人×二葉要
火事息子:西田シャトナ―×平野良
演目のあらすじとかはハンサム落語の公式HPに載ってたのでそちらをどうぞ。
□雑感
初めてハンサム落語を観に行ってきました。
これまでもチラチラタイトルは見てたんだけど(だってLolさんだもの)、なかなか行く機会もなく。
実は今回も早くから行くことを予定してた訳じゃなくて、二、三日前に「あ、行きてぇ!!」ってなって、当日引換券をゲット。ハイステがなくなって以降劇場に行く予定がなくて、そろそろ限界だったらしい。
せっかく観るなら良くんを!思って、シフトとご相談の上、この回に決定。昼間に本の回収やら風呂場の修理やらでドタバタして、開場ギリギリに劇場に到着。ほんとはもうちょっとのんびり浅草寺を歩き回りたかった。
浅草花劇場初めて行きました。「あさくさかげきじょう」だそうで。「はなげきじょう」じゃなかった。
入口と劇場のある棟が別になってて、入ったら外廊下みたいなところを通ってぐるぐる回る。何か不思議な構造だった。あの感じだと、花やしきの中から入場する公演とかもあるんだろうか。
ホールの中は、広さの割りに天井が高く感じた。バルコニー席というか、二階席があるんだよね。
アリーナには傾斜、段差共になし。その代わりステージがかなり高い。高座もあって、更にお座布団。落語だから立ち上がったりしないけど、割とどの席でもしっかり見えるのでは?で、今回は市松模様のキャパ50%。
当日引き換えなのに4列目のお席をいただけたので、素晴らしい距離感だった。更には前の席が空いていたのでびっくりするほど視界良好でした。
前説は二葉要さん。Twitterでも書いたけど、私はいつまでも「ふたばよう」さんって読んでしまう。「かなめ」さんね。
声に張りがあって、とてもフレッシュな前説。あまりにもフレッシュだから若い人なんだなーって思ってたら、年上だった。後輩みがすごい。人懐っこくて可愛がりたくなるタイプの人だなって思った。年上なんだけども。
衣装の話。
ああいう和服の着こなしってどういうジャンルなのか分からないんだけど、めっちゃ刺さりました。あの胸元をガバー開いてるの色っぽいし、足元を広く開けてシフォン生地重ねてヒラヒラしてるのも艶やか。
偏見だけど、シフォン生地のひらひらふわふわした衣装って女性的な印象が強いから、胸元開けてる上半身とのギャップでなんか、とてもエモい。
ハンサム落語ってこれまで結構やってきてるからお約束なのかもしれないけど、若手のキャストは振袖、とか決まってたりするのかな?碕さんと要さんの袖が振袖でしたね。これも、エモくてよい。
思ったことを包み隠さず書こうかと思ったけど自分の中の良識が全力でストップ掛けて来たのでこれ以上はやめます。「エモい」という言葉に逃げます。便利だよね、エモいって。これだけで大体伝わった気になるわ。
和服ベースだけど、裾がかなり長くて歩くときも引きずってた。4~50センチは余ってたのでは。その裾のさばき方も結構個性が出てた。出ハケでしか歩くことないんだけど。
そんで、その良くんの所作が何とも言えずカッコいい。あれはなんて言ったらいいんだろうな。めっちゃカッコいいんだけど、どこがカッコいいのか全然説明できない。
4人とも裾を蹴り上げるみたいにして歩いてたんだけど(たぶんそうしないと裾を踏む)、同じ動きでもこなれ感とかあるんだろうか。脱力してるわけじゃないけど、力んでるわけでもなくて、斜に構えてるとか、洒脱とか……ちょっと意味がズレてきてる気がする。
とにかく立ってるだけでもなんかオーラが凄いんだ。上手く言えない良くんすごい。
落語の演目っていくつかは知識として知ってたけど、実際に誰かが演ってるのって見たことなかったんですよね。すごいね、落語って。
多分今回のアドリブの一環だけど”落語の壁”っていう話が出てきたんですよ。立ち上がらない(MAXでも膝立ち)とか、本題では相手の方を見ない(目線は向けても45°くらいまで)とか。
角度については掛け合いで演じるハンサム落語独自のものかと思うけど、ここまでの制限があって、尚且つ衣裳で役を表現することもできない中で何役も演じ分けるって。
二葉要さんの話。
ジャミルくん香るかなって思ったら全然そんなことなかった。いや、別にそれ目当てに行ったわけじゃないけど、要さんの他の作品それしか知らなかったから、ハスキーな声色で慇懃無礼な芝居が素敵な人っていう印象しかなかったからね。
そしたら、まー、ばっちり掴まれましたね。
前説やマクラでの喋りは上述の通り後輩感ある、人懐っこい感じなんだけど、本題入ったら完全に「落語家・二葉要」にだったなぁ。”二葉要が落語をしている”というよりは、二葉要が「落語家・二葉要」を演じてるというか。スイッチがカチッと入った瞬間がよく分かった。普通の演劇って袖でスイッチ入れてから舞台上に出てくるから、落語だからこそ見える部分だなって思った。
落語には地の文を語るっていう要素があるけど、これって他のジャンルだとあんまりないよね。演劇でも、映像でも、声の芝居でも。演技って多くの場合、”新鮮な反応”を求められると思うんだけど、こればっかりはそうじゃないなぁって。分かりやすく、且つ軽妙な語りの方が楽しい。んー、芝居よりも歌に近いのかも。
”読む”と”喋る”の違い。読む芝居と喋る芝居の違い。
で、何で急にこの話をしたのかというと、要さんの地の文の語りがめちゃくちゃ素晴らしかったから。それを伝えたくてぐちゃぐちゃ書いた。
こなれ感があって軽快で楽しそうな喋りがとても心地よかったです。
あと流石の関西人、会話中のツッコミが的確。今回は碕さんが全力でボケに回ってたから二演目とも全力ツッコミの要さん。
どっちの演目でも、要さんがちょっと抜けた若者って感じなんだけど、ちょっと男臭くて良い。男やもめ。
平野良くんの話。
さっきも書いたけど、出てきてほんのちょっと歩いてるだけでめっちゃ目を引く。
シャトナ―さんとのフワフワした会話にめっちゃ癒された。テニミュの時の印象が強すぎて、良くんってボケのイメージ強かったけど、今回はどっちかというとツッコミだった。
アフタートークの時とか飄々としてるように感じたけど、シャトナーさんに無茶ぶりされてへにゃへにゃなってる姿は、私の記憶にある良くんだったなぁ。
キャラの作り方が特殊。
・119歳のお医者のじっさま。昨日あたりが誕生日。
・二日で目覚ましい成長を遂げてとんでもないキャラチェンする小坊主さん。
・成長の兆しがないアホの子(名前忘れた)。
・やたらと渋い高所恐怖症の番頭さん。
・ただただカッコいい臥煙。
・喋りが妙に甘ったるい奥方。
特に”火事息子”の時の四役が本当にすごくてな。
”転失気”の小坊主さんで面白キャラチェンしたせいで、地の文(シャトナーさん)にキャラクター制限を掛けられる平野良。成長の兆しがないアホの子が、ちゃんと最後までアホの子だった。ぬぐい切れないダメダメ舎弟感。
かと思えば臥煙さんになった途端に座ってるだけで男前だし、彫り物隠そうとする仕草はすごく子供っぽくて。
途中から四役反復横跳びしだしたけど、普通に四人いるように見えてすごい。
□いろいろ箇条書き
・足が攣ったテトラポッド女
・かかぁは烏ではない
・もう一回くらいやるのかと思ったらやらなかった
・新幹線の回数券
聞き返してはいけない(戒め)
・良くんの表情のクセが強すぎてシャトナーさんが思わず壁を越えて顔を見る
・平野のじっさまにハッピーバースデーを歌う(手拍子)
・地の文でシャトナーさんを小躍りさせる平野良
・団子の成分を知ってるスレにスレた小坊主さん
・”落語の壁”を超えてロードバイクに乗って屋敷に帰る旦那様たち
尚、平野良は某ペダルには出演していない模様
・目塗りの泥を投げては塗り塗りー、投げては塗り塗り―
・リップ音
またやらかす平野
・2回目をせがまれて、恥ずかしくて目元を隠してリップ音
より変な扉開きそうになるので罪深いと思います
・良くんのお母さんは個人的にとても馴染みがある
・時間が押しすぎて大喜利が一問になる(いつもは二問?)
・アンパンマンの新キャラ
犬のエサマン
パックチー姫
コッペパンマン
・かべごえ
かなりきつい
ベトナムに向かって
ごいごいすー
笑顔をみんなにプレゼント
□まとめ
改めてWikiで良くんの出演作を見て来たんだけど、主演作品の多さに驚いた。特別派手な顔立ちだったり、分かりやすいフレッシュな主人公系のキャラクターじゃないと思うんだけど、惹きつける力は流石だなって思った。ほんの数歩歩いてるだけで目取られたもん。
久々に「朱と煤」の円盤観ようと思いました。良くん演じる煤ちゃんの暗澹としててところどころクズで、それゆえに女を狂わせる罪深さ。観よう。
落語だし!粋な感じを出したい!と思って、がっつりレッドメイクしたら過去一綺麗なグラデが描けて満足でした。
「粋=赤いメイク」っていう短絡思考には目をつぶってほしい。
衝動的に観に行ったけど、行って良かったなぁ。
また次の公演があれば観たい。
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