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天才と呼ばれた人たちへ。
たまに思う。
早死した偉大なアーティストたちは、表現なんてものから逃げていれば、まだ生きていたのではないかと。
作り出すことは不幸を呼ぶ。
マイナスな感情を呼び起こす。
それは失恋かもしれないし、社会の不条理かもしれないし、身近な人の死かもしれないし、病かもしれない。
そのすべてから逃げるために表現をするかもしれない。
表現をしている限り、不の感情からは逃れられない。
幸せになることを恐れてはいないか。
不幸こそがアイデンティティになってはいまいか。
最悪の海に浸っていれば、作品が生み出せると、思っていないか。
その逃げ道が行き止まりだったのではないか。
天才と呼ばれた人たちへ、その生でいったい何がシアワセだったか。
天才になれなかった私は、天才として生きた彼らと、そんな話をしてみたい。