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幸せの小型化
私は今日も幸せだ。
職場の近くで買った、5月期間限定新発売のカシスカンパーニュを牛乳と一緒に食べている。
中にくるみが入っていて、コリコリとし歯応えが楽しい。胡桃の香りが強く、噛むたびに鼻に抜ける。
カシスは、子供の頃からお酒に入っている果物のイメージ。食べると特別感がある。酸味が少し強いようだった。生地も少し焼きすぎたのか、苦味を強く感じた。酸味と苦味を濃厚な牛乳で流す。
まったりとした口内に、また硬めのカンパーニュを含む。それの繰り返し。
周りから見たら、ただパンを食べているだけだが、それが至福のひとときだった。
忙しい仕事の休憩時間。
パンに喜びを感じる自分。
大人になると、小さな幸せには興味がなくなり、幸せを感じなくなる。大きな出来事ばかり見えて、いつしか小さな幸せに気づかなくなる。
子供の時は、新しく買った消しゴムの角を初めて使う瞬間だって楽しかった。鮮明に覚えている。
今からご飯の人は、小さな幸せを目から口から感じて欲しい。