名前が消えてしまった日。

あの日、名前を失った。
生まれてからずーっと寄り添っていた名前だ。

精神がイカれたことにより、名前を失ったのだ。

私は、あの鳥籠の中で過ごした期間
ひとり泣いた。

様々な感情が乱れ、火葬される感覚があった。
汗が止まらず熱は下がらない。

しかし、燃えることはなかった。

鳥籠のなかには、スイッチがあった。
押すと天井にあるスピーカーから声が聞こえる

「どうしました?」

「水をください、、」

水をくださいと言ってるはずなのに
それは伝わることはなかった。

のどが渇く。

それはまだ生きてるを表していたんだろう

鳥籠のなかに、収容された時
死んだと思っていた。

あの世に逝ったんだと。

だから、不思議な感覚だった

死んだはずなのに、のどが渇く。
頭は錯乱した。
失った名前。

ひとり泣いた

泣いて手に入れたのが[ナミダ]だ。


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