ことばのなかで呼吸をしたいの
感情の解像度が低すぎて自分が悲しくなる。
言語化した記憶だけ残って、気づいたら感情が抜け落ちてる。
ふちどれない感情は、ことばにならない。
ことばにならないから記憶に残らない。
頭がよわいから喜怒哀楽の4つ以外の感情をおぼえられない。
ことばにならない感情が手から抜け落ちていく。それが小さくなって消えていく感触だけが分かる。感情に残された自分が空っぽに思えて、すこしさびしくなる。
解像度がひくい。メガネの度が悪いみたいに。
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おばあちゃんのあたたかさは知ってる。手の大きさも温度も知ってる。あの懐かしい匂いに触れて時間がゆるむあの感じ。でも言葉に出来る表現が「やさしい」しかなくて。
記憶にナイフ刺して留めておきたいのに、今日もダラダラと血は流れてきえて、かなしい。
空っぽのあたし、ことばごときえちまえばいい。やさしい記憶につつまれたくて、もがいてバカみたいだな。ちゃんと愛されてるって分かってるのに。 ことばのなかで息ができない。
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短くてもきもちをなぞる言葉さがしてこうかな
ぬくもりが伝わるような触れかたを記憶の中のきみはするのに/雨虎俊寛
おしまい
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