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地域コングロマリットの創設について【随時更新】

 ここでは、掲題について備忘メモを残しておきます。
 個人的なキャリアでも、売上高数十億円~200億円までぐらいの地域コングロマリット(または企業集団)を形成している経営者の方とお話をする機会はそれなりにあります。これから詳しく見ていく資料は、昔流行ったマイルドヤンキー(従来の不良やワルといった従来型のヤンキー程の攻撃性・違法行為性はない人々。 マーケティングアナリスト・原田曜平氏(博報堂 ブランドデザイン 若者研究所)が、2014年1月に定義した概念)とは違い、より企業に焦点を当てたものになります。


はじめに

 中小企業庁に設置された有識者による「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会」は、第2次中間報告書(以下、「本報告書」という。)を2024年6月下旬に公表しました。同研究会は、地域経済に特に大きな影響を与え、外需獲得もできる「100億企業(売上高100億円以上など中堅企業クラスに成長する中小企業)」に焦点を当て、当該企業の創出の加速に向けた政策の方向性などを検討しています。
 個人的には、スタートアップ/ベンチャー企業も好きですが、地域で既にある経営資源を活かして、より強くなっていく企業(集団)も好きです。一番下に当該資料のリンクを置いておきますので、当該noteを見て、より詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。

本報告書へのコメント

 経営者の成長へのモチベーションを記載したこのページは面白いです。当該ページには、”成長意欲を積極的/(下記の経営者より)相対的に持ていない”経営者は出てきませんが、むしろ地域内の内需に対応している企業数の方が多いと認識していますので、下記のような経営者の方は少数派だと思います(よって、地域内で孤立しやすい側面もあるのかなと推測しています)。

 下記成長パターンも、中堅中小企業のM&Aをご支援をしていると、M&Aが上手い企業(グループ)の戦略・方向性と似ていると思います。コングロマリットと言っても、業種やエリアが飛び地になるほど、運営はできても、その後のその企業個別の”成長”は難しくなる気がしています(こういう資料を取り上げて言うのも変ですが、みんながみんな”成長”を目指さなくても良いと思っています)。

 売上高「1-10億円(恐らく未満も含む)」の企業の資金調達手段が、デット中心と書いてあるのは、見る人が見れば「そうなんだ!」と思われそうです。後段の資料にも書いてありますが、原則は売上高が大きくなるほど、エクイティ・ファイナンスの割合が増えます。創業期などにエクイティで調達するスタートアップなどは例外ということになります(当該資金調達手段を否定する意図は全くありませんが、ステルスで外部を資金を入れずにスタートアップ的な成長をしている企業様も意外とあります)。これは、新しい挑戦に向けた資金調達手段として、エクイティ・ファイナンスが有効であるからです(一方、デットで調達する場合は、既存事業や過去の数値をベースに検討されるからです)。

 本報告書では、経営者ネットワークの構築/人材の確保・育成についても具体的な事例をあげていました。正直に申し上げて、自分はサービスとして使ったことがほとんどないので(聞いたことはありますが)、温度感が分からずに取り上げていません。

終わりに

 こちらの資料が参考になる方は限られた方だとは思いますが、それでも地域経済のために、より強い企業(集団)を創ろうとしている各地域の経営者にとっては非常に良い資料だと思いました。
 一方、これから2030年に向けて/2040年を見据えて、本当に人が減っていく恐怖/現況と既に戦っている経営者もいるように思います。地域内では限られた内需しかないという見方もできますが、その中で質の高い内需の売上高を維持(できれば発展)していくことに虚心坦懐で向き合っている姿勢には頭が上がりません。
 また、どこかでお会いする機会があれば、色々とお話しできれば幸いです。

❙ 参考文献
・『中小企業の成長経営の実現に向けた研究会 第2次中間報告書』(2024年6月)中小企業の成長経営の実現に向けた研究会
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/seichoken/240628_report.pdf
・『新規事業を立ち上げ第二本業へと育てる 地域コングロマリット経営』船井総合研究所

以上

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