
山形鋼を用いた筋交い材の有効断面積【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は積載荷重の低減と支える床の数について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
山形鋼を用いた筋交い材の有効断面積の計算において、筋交い材の断面積からファスナー孔による欠損部分及び突出脚の無効部分の断面積を差し引いた。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
山形鋼を用いた筋交い材の有効断面積
山形鋼をブレースに用いると、山形鋼の断面には引張力または圧縮力が生じる。
このとき、山形鋼の全断面積を考慮するのではなく、部分的に断面を無視して残りの断面積を「有効断面積」として、引張力または圧縮力を負担すると考えるんだ。
下図のような感じだね。

なお、山形鋼だけでなく溝形鋼でも同様に無効部分の断面積を差し引いて考えるよ。
アングル材のhn(突出脚長さ)は下記のように定められており、ボルト本数が多いほど無効部分は短くなるので、ボルト沢山並べた方が、有効断面積は大きくなるので有利なんだ。
ボルト1本:h-t2・・・t2は板厚
ボルト2本:0.7h
ボルト3本:0.5h
ボルト4本:0.33h
ボルト5本:0.25h
よって、山形鋼のブレース設計では思っているよりも有効断面積は小さくなるってことだね。
じゃあなぜ、山形鋼をブレース材に用いると「無効となる長さ」を考える必要があるのだろうか。
普通、山形鋼ブレースはガセットプレートと接合するんだけど、ガセットプレート中心と接合されるボルト芯では偏心距離があるためモーメントが生じる。
この偏心モーメントの影響を考慮して、山形鋼は全断面積が有効ではなく前述した断面積の控除を考える感じだね。
有効断面積を考慮すると、元々の断面積で計算した部材よりも1回り大きい断面が必要なるかもしれないから、忘れないように有効断面積を求めようね。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
山形鋼の全断面積を考慮するのではなく、部分的に断面を無視して残りの断面積を「有効断面積」として考慮する。
山形鋼のブレース設計では思っているよりも有効断面積は小さくなりがち
ブレースに作用する偏心モーメントの影響を考慮して、山形鋼は全断面積が有効ではなく前述した断面積を考える
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。
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