許容圧縮応力度と細長比の関係【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は許容圧縮応力度と細長比について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
圧縮材の許容圧縮応力度は、圧縮材の細長比が大きくなるほど小さくなる。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
圧縮材
圧縮材は圧縮力の作用する部材のことだね。図のように圧縮力の作用する単一の部材を単一圧縮材といったりもする。
あえて「単一」という言い方をするのは、そうじゃない部材があるからだね。
細かい部材を組み立てつくった圧縮材を組立圧縮材というんだ。
鋼材の材料費が高かった時代は、鋼材量を少なくする工夫が必要だったから、組立材を使うことも多かったんだ。
ちなみに現代は、建設技能者(職人さん)の労務費(人件費)が高いから、そんな面倒なことは滅多にしないかな。
施工は簡単かつシンプルにできると喜んでもらえるし、工期が短くなって結果としてコストも低減できる!
細長比
細長比は名称の通り「部材が細長いか、あるいは、短くて太いのか」表す値(比の値)だよ。
覚えてほしいことは
細長比が大きい ⇒ より細長い部材
細長比が小さい ⇒ 寸胴型(短くて太い)の部材
ということなんだ。
ゼロ所長としては、あんまり難しく考えない方がいいと思う。部材が細長いか、そうじゃ無いか表すだけの値と思っていればいいよ。
じゃあちょっと問題を出そうか。どちらの部材の方が、細長比が大きいかな?部材断面のサイズは両方とも同じとするよ。
正解は「左の柱の方が細長比が大きい!」でした~。
考え方は簡単。
より細長い部材の方が、細長比が大きい。
ただこれだけだね。難しく考える必要はない。
だから細長比は、値を計算で求めなくても「見た目の感覚で大小を判断」できるんだ。すごいよね!
そうはいっても細長比の値を計算する場合もある。
計算式は下記の通りだよ。
λ:細長比 Lb:座屈長さ i:断面二次半径
難しそうな公式だけど考え方は簡単だよ。
部材の細長さは
部材の長さ
部材の太さ(断面の大きさ)
で判断できるとイメージすると簡単だよ(厳密にはちょっと違う!)。
部材が長くても断面がすごく大きかったら細長いとは言えないからね。
だから、部材の長さ(実際には座屈長さ)と部材の太さ(実際には断面二次半径)の比率を計算して、
部材の長さと太さの両方の要素を考慮した値を開発したわけなんだ。
それが細長比だね。
もっと力学的な解説が知りたい方は下記を読んでほしいな!
細長比と座屈の関係
そもそも何で、部材が細長いかどうかを判断する必要があるのだろう。それは、部材が細長いほど座屈する恐れがあるからなんだ。
つまり、細長比の大きい部材ほど座屈しやすいということだね。
座屈の説明をしようか。
座屈は部材に圧縮力が作用するとき、急にグニャっと曲がってしまう現象だよ。とりあえず、コレだけ覚えておいて!
具体的な解説は転載しておいた!
細長い部材ほど圧縮力でグニャっと曲がってしまうのは何となくイメージできるよね!詳細は下記の記事を読んでね。
許容圧縮応力度
許容圧縮応力度は、部材が許容できる圧縮応力度のこと。
圧縮応力度は、部材に圧縮力が作用するときに、部材内部には生じる応力度だね。
要するに、許容圧縮応力度は「圧縮力にどれくらい耐えられるか」を示す値と考えて良いよ。
そこで、これまで勉強した細長比と座屈が関係する!
細長い部材ほど座屈しやすいことがわかったよね。
座屈すると部材はグニャっと曲がって耐えられない。
つまり
細長比が大きい ⇒ 細長い部材 ⇒ 座屈しやすい ⇒ 許容圧縮応力度が小さい
ことがわかったね
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。