杭頭固定曲げモーメントと杭径の関係【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は靭性と柱と梁の幅厚比の関係について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
同一工法の杭基礎を用いる建築物において、杭の径のみが異なる場合、地震時の水平力に対して、杭頭固定曲げモーメントは、径が小さい杭ほど大きくなる
正解は・・・ ×となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
杭頭固定曲げモーメントと杭径の関係
杭径が大きいほど杭頭に生じるモーメントは大きくなるんだ!
ポイントは2つある!
1つは「同一工法の杭基礎を用いる建築物において、杭の径のみが異なる場合」の文章を見逃さないこと。
当たり前だけど、杭の径のみが異なる場合と書いてあるから、問題文の杭基礎では杭長さおよび杭の工法は同一だね。
つまり、杭径のみが異なる場合、杭頭の曲げモーメントはどうなるか?考える必要があるってこと。
2つめのポイントは「力と剛性の関係(フックの法則)」なんだ。
物は弾性状態まではフックの法則が適用される。
フックの法則とは「力と変位は比例関係にある」と言う法則だよ。
フックの法則を式で表すと
・P=kδ
になるんだ。kは剛性で「断面の大きさ、部材の長さ」が関係する。
剛性という用語が難しければ「かたさ」と読み変えてもいいね。
断面の大きい方が曲げにくい(かたい)だろうし、より短い物の方が曲げにくいよね。
直感的なイメージがそのまま剛性の意味を説明できるよ。
前述の公式より、kが大きくなるほどPも大きくなることがわかる。
つまり、剛性の大きな部材には大きな力が作用するんだ。
以上を踏まえて、
・杭の長さは等しいが、他の杭と比べて杭径が小さい場合の杭頭モーメントはどうなるか?
考えよう!
杭径が小さいということは、断面が小さいので「剛性が小さい」ことを意味する。
P=kδの関係より、剛性が小さければPの値も小さくなるんだ。
モーメント=力×距離なので、力Pが小さければモーメントも小さくなるね。
つまり、杭頭固定曲げモーメントは、径が小さい杭ほど「小さくなる」が正解だ!
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
フックの法則より、剛性の大きな部材には大きな力が作用する
杭径が小さいということは、断面が小さいので「剛性が小さい」ことを意味する
P=kδの関係より、剛性が小さければPの値も小さくなる
モーメント=力×距離なので、力Pが小さければモーメントも小さくなる
杭頭固定曲げモーメントは、径が小さい杭ほど「小さくなる」
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。
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