耐震要素の配置と意匠計画【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は耐震要素の配置と意匠計画について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
耐震要素の平面的な配置は、バランスよく偏心が少なくなるように配慮するが、鉄筋コンクリート壁の防水性や遮音性も重要なので、偏心を少なくするために安易に壁を取り払うことは建築性能上好ましくない。
正解は・・・〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
耐震要素の配置と意匠計画
長い文章だよね。
本問題みたいな「やけに長い文章で要点がつかめない(要点をつかめさせない)系」の問題は、構造に限らず一級建築士試験に良く出題されるね。
ゼロ所長の主観だけど、そういうダラダラ長い選択肢に限って適切なことが多いように思うよ。
問題に書いてあるように、柱や壁などの耐震上重要な部材は「バランスよく配置」するのが基本だね。
ただ、これは構造設計側のポジショントークに過ぎない!
建築物は構造だけで成り立っている訳ではないよね。
意匠、設備、構造が合わさって初めて建築物として成立する。
例えばマンションの各戸の境には必ず鉄筋コンクリート壁を配置するね(戸境壁といいます)。
この戸境壁をRC壁から乾式のパネル壁にした方が「偏心が改善する」ケースがあったとしよう。
戸境壁を取り払って偏心が改善しても、各戸の遮音性は著しく低下するよね。
建築物は構造、設備、意匠の3分野が共同して設計しているから「あちらを立てれば、こちらが立たず」というような状況がたびたび発生する。
ゼロ所長もそんな現場に何度も立ち会ったなあ…。
だから「構造的に良い」としても、安易に壁を取り払うことはできないんだ。
もちろん逆のことも言えるけどね。安易に耐震壁や構造部材を増やすことも好ましくないんだ。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
建築物は構造、設備、意匠の3分野が共同して設計している
建築物は構造だけで成り立っている訳ではない
意匠、設備、構造が合わさって初めて建築物として成立する
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。