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降伏比の求め方【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日は降伏比の求め方について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

降伏点240N/m m2 、 引張強さ420N/m m2 である鋼材の 降伏比 は1.75である。

正解は・・・ ×となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


降伏比の求め方

簡単にいうよ。
降伏比は、降伏強度(降伏点)を引張強さで割り算した値だ。

降伏比=降伏強度÷引張強さ

問題文でいうと240÷420=0.57となる!

降伏比の問題で、絶対に間違えないポイントを紹介しようかな。

それは
「降伏比は必ず1.00未満の値になる」
ことだ!
これがわかれば、本問題が不適当な文章ってことは1秒でわかるね。

というのも、必ず、引張強度>降伏点の関係になるから、降伏比=降伏点÷引張強度を計算すれば、必ず1.00未満の値になるんだよね。

降伏比がなぜ必要?

何で降伏比が必要なのだろう。
簡単にいうと、鋼部材(鉄骨部材)が、地震エネルギーを吸収することを規格化するためなんだ。

下図をみてほしい。
たとえば降伏強度=引張強さとなる材料を考えてみよう!
つまり降伏比=100%(1.00)となるね。
この材料では、図の色が塗っている範囲がエネルギー(物理でいう仕事。Pδ)を吸収できる範囲となる。

降伏比が規定されない材料
降伏比が規定されない材料

次に、降伏強度<引張強度(降伏比=0.6ぐらい)となる材料では、こんな図になるよ。

降伏比が規定された材料
降伏比が規定された材料

どちらの鋼材の方が地震エネルギーを吸収できるかは一目瞭然だね!
仮に降伏比が規格化されていない材料を使えば「降伏強度>引張強度」になって、効率的なエネルギー吸収が期待できないかもしれないね。

だから、建築物の地震に抵抗する部材に使用する鋼材は、降伏比が規定された鋼材を使うことが多いんだ。
ちなみに降伏比は80%以下とすることが規格化されているよ

  • SN400B (80%以下)

  • SN400C (80%以下)

  • SN490B (80%以下)

  • SN490C (80%以下)

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

降伏比=降伏強度÷引張強さ

引張強度>降伏点の関係
 ⇒ 降伏比=降伏強度÷引張強さ
  ⇒ 降伏比は必ず1.00未満の値になる

是非覚えて欲しいな。

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。

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