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有効細長比と変形性能【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日は有効細長比と変形性能について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

有効細長比λが小さい筋交い(λ=20程度)は、有効細長比が中程度の筋交い(λ=80)に比べて変形性能が高い。

正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


細長比

細長比は、部材の細長さを表す値だ。
そのままだね!
細長比が大きいほど、より細長い部材、細長比が小さいほど短くて太い部材になる。

よし、例題。
図の柱はどちらが細長比が大きいかな?柱の断面は同じとするよ。

細長比
細長比

正解は左の柱。
左の柱の方が、細長比は大きくなるんだ。
なぜって?明らかに左の柱の方が細長いからね。
柱の断面が同じなら見た目だけで細長比の大小は判断できるよ。

細長比を求める理由は単に見た目の細長さを判定するためじゃあない。
細長い部材をみると明らかに弱そうだよね?
そう。実際に細長い部材は弱い(座屈しやすい)んだ。
だから細長比は座屈のしやすさを表す値ともいえるよ。

ちなみに細長比は座屈長さ÷断面二次半径で求める。

計算的にいえば、細長比が大きいということは 「座屈長さが大きい」又は「断面二次半径が小さい」ということ。

まあ要するに細長い部材になるんだけど。
座屈長さ、断面二次半径の詳細は下記を読んでね!

有効細長比

有効細長比は「圧縮材の有効座屈長さの断面二次半径に対する比で、各主軸周りのうち最大のもの」と定義される。

有効細長比は建築基準法に定義のある用語だから、そのまま書いたよ。
う~んわかりにくいね。
「各主軸回りのうち最大のもの」って何を言っているのかな?

図をみてほしい。部材断面の性能は主にX軸とY軸の2つの軸に対して考える。これを主軸というよ。

主軸と断面二次半径の違い
主軸と断面二次半径の違い

図をみてのとおり断面のかたさは、どの軸に対して考えるかで大きく違うんだ。

そして「各主軸回りのうち最大のもの」が意味することは、x軸とy軸に対する細長比を比較して「大きい値を有効細長比に採用する」という意味なんだ。
要するに、X軸とY軸でより細長い方を使ってねということだ!

有効細長比と変形性能

よし、おさらいしよう。
細長比が大きい部材は、細長い部材で弱そうってことだよね。
つまり、細長比の大きな部材=座屈しやすいということだ。

座屈をすぐにしてしまう部材の方が変形性能が低いに決まっているね。
逆に言えば、座屈をしない部材の方が変形性能が高い。

問題文を読むと「有効細長比λ=20の方がλ=80より・・・変形性能が高い」と書いてある。
正しい文章だね!

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

  • 細長比部材の細長さを表す

  • 細長比が大きいほど細長い部材

  • 細長比が大きい部材は、細長くて弱そう

  • 逆に、細長比の小さな部材 ⇒ 座屈しにくい ⇒ 変形性能は高い(変形しても壊れない)

こんなかんじで問題を解けるよ!

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。

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