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せん断力と引張力が同時に作用する高力ボルト【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日はせん断力と引張力が同時に作用する高力ボルトについて考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

高力ボルトにせん断力と引張力が同時に作用する場合、作用する応力の方向が異なるので、 高力ボルトの許容せん断応力度は低減しなくてよい。

正解は・・・×となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


せん断力と引張力が同時に作用する高力ボルト

まずは、せん断力と引張力がそれぞれどんな応力がみていこう。
それぞれ、こういう応力だね。

せん断力と引張力
せん断力と引張力

実際、構造部材にはせん断力と引張力が同時に作用することはある。

高力ボルトがその1つだ。

高力ボルト
高力ボルト

高力ボルトは、鉄骨造の接合部に使うボルトのこと。
小さい径でも12mmとボルトにしては大径で大きな力に抵抗できる。

通常、高力ボルトには「せん断力」が作用する。
ちなみにせん断力とは、物をずらそうとする力のことだよ。

高力ボルトに作用するせん断力は、高力ボルトの軸方向と直交方向に作用するんだ(上図の緑矢印の方向)。

状況によっては高力ボルトに引張力が作用することもある。

引張力は、高力ボルトの軸方向に作用するよ。

引張力
引張力

このような引張力とせん断力が同時に作用する場合、高力ボルトの許容せん断応力度は低くなることが分かっているんだ。

ゼロ所長のイメージを伝えよう!

ある物体に「せん断力だけ」加えるよりも、物体を引張った状態で「せん断力を加える」方が、何となく弱そうですよね。

そのイメージのまま、実際に、引張力とせん断力が同時に作用する高力ボルトは、許容せん断応力度を低減すると理解すればいいね。
低減する計算式は別記事を引用するね!

高力ボルトは、引張力やせん断力が同時に作用します。このとき、前述した「二乗和が検定比1.00を超えないこと」を確認する方法の他、下式の検討法もあります。
σ≦1.4σy-1.6τ
σは存在応力、σyは高力ボルトの降伏強度、τはせん断強度です。上式をみてわかるように、せん断力の分、降伏強度が引かれていますね。なお、当式はミーゼスの降伏条件を近似した式です。

http://kentiku-kouzou.jp/kouzoukeian-hiparitosendan.html

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

  • 物体を引張った状態で「せん断力を加える」方が、何となく弱そう

こんなかんじで問題を解けるよ。

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。

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