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多雪区域の荷重の組合せ【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日は多雪区域の地震荷重や風荷重の扱い方について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

多雪区域ではない地域において、暴風時または地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要はない。

正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


多雪区域

多雪区域はみんなが何となくイメージする通りの意味だ!
ザックリ言えば、雪が沢山積もる地域のことだね。
もちろん厳密な定義はあって

垂直積雪量が1m以上の区域等(※または初終日数の規定有)

となっている!

多雪区域以外の地域を一般地域と定義しよう。
多雪区域は一般地域と違って、沢山の雪が積もるだけじゃなく、積雪の期間も長いことで知られているんだ!

たとえば、東北の豪雪地帯の新潟県では

11月中旬から3月下旬まで降雪する

のだから驚きだよね。4カ月以上も雪が降る期間があるわけだね。

そして多雪区域では積雪による荷重の扱い方も一般地域と少し違うんだ。多雪区域と一般地域の積雪荷重の違いは下記の通りだよ。

  • 多雪区域 30 N/cm/㎡

  • 一般区域 20 N/cm/㎡

上記のように、多雪区域では一般地域の1.5倍も積雪荷重が大きいんだ。これは雪の密度が関係している。
多雪区域では雪が沢山積もるのだから、その分圧縮されて密度が大きくなる!困ったものだね。

積雪荷重の詳細は下記を読んで欲しい!

荷重の組合せ

建物には色々な荷重が作用する!
積雪荷重もその1つだね。
その他には、固定荷重、積雪荷重、地震荷重、風荷重があって、それらの荷重を組合せを考えて設計しないといけない。

よくわかんないよね。
具体的に話をしよう。
まず、自分たちが普段使っている建物には、建物そのものの重さ(固定荷重)、と、人や物の重さ(積載荷重)が常に作用している。
この常に作用する荷重を総称して長期荷重というんだ。

一方で、積雪荷重や地震荷重、風荷重は、自然災害を引き起こす規模の荷重を想定していて数年~数十年、数百年に一度起きる荷重なんだ。
これを短期荷重という。

長期荷重は常に作用するから、地震が起きても台風が起きても、大雪が降っても絶対に考慮しないといけないね。

問題は短期荷重同士の組合せをどう考えるか、ということなんだ。
具体的に言うと

台風と地震、台風と大雪、地震と大雪は同時に起きるのだろうか?

ということだね。

現状(2024年)、通常の地域では短期荷重同士は同時に起きることを考えていない!(※重要!
だから、建物の構造設計で考慮する規模の地震と台風は同時発生しないと考えるんだ。

ただし例外がある。
それが多雪区域なんだ。
多雪区域では、1年の4ヶ月も積雪するし、積雪量は1mを超え、積雪荷重も大きい。だから大雪による積雪荷重を考慮した上で、台風あるいは地震が発生することを考慮しないといけない!

荷重の組合せは下図の通りだよ。

長期荷重の組合せ
長期荷重の組合せ
短期荷重の組合せ
短期荷重の組合せ

詳細は下記を読んでね!

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

多雪区域では長い間、雪が沢山降る
 ⇒  雪が積もる時期に、地震や台風が起きる可能性あり
  ⇒ だから多雪区域では、 積雪荷重を暴風時や地震時の荷重に考慮

こんな感じだね。
ちなみに、もう一回問題文を読んでみて。

多雪区域ではない地域において、暴風時または地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要はない。

おっと!
ちょっとした引っ掛け問題だ。
問題文には「多雪区域では無い地域」って書いてある。
もちろん多雪区域以外、暴風時または地震時の荷重を積雪荷重と組み合わせる必要ないよね。
問題文は適切なので〇になる。

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。


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