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制振装置を塔状建築物に用いる意味【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日は、制振装置を塔状建築物に用いる意味について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

制振装置を塔状建築物に用いることは、強風時の揺れに対する居住性の改善に有効である。

正解は・・・〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


塔状建築物

塔状建築物とは、建物を平面に見たときの幅に対して、高さの大きな建築物のことだよ。

ザックリ言うと細長い建物ともいえる。
「塔状(とうじょう)」というくらいだから、塔に似た建物のことだね。

それと、建物の幅(B)が建物の高さ(H)とするときのH/Bを塔状比というよ。

塔状建築物は細長いから、固有周期が長くてゆ~らゆ~ら揺れるんだ。
ちなみに、ずんどう形の建物の固有周期は短いのでガタガタと小刻みに揺れるよ。

揺れ方は建物高さと関係するのだけど詳細は下記を読んで欲しいな!

さて、固有周期の長い建物に対して、地震や強風も「ゆ~らゆ~ら」という振動だと、周期が一致して揺れが増幅されてしまう。

この現象を共振というんだ。
共振の意味を知らなくても、何となく体感的に知っているハズだよ。

ブランコに乗ってより勢いをつけるためには、ブランコの揺れに合わせて身体を揺らすよね。

そうすると、ブランコは人の揺れに合わせて益々揺れ幅が大きくなる!

共振は、この原理と同じことなんだ。

物が持っている周期(固有周期)と、物を揺らそうとする力の周期が一致すると揺れが増幅されるから注意が必要なんだ。

塔状建築物に制振装置を用いる意味

建物の揺れが増幅されると、当然、安全性に影響するから良くない。

だから地震時や強風時におけるゆ~らゆ~らという揺れ、いわゆる長周期振動に対して、揺れを制御するような「制振装置」が効果的といえるね。

また、地震と違って強風は頻繁に起こるし高い建物ほど影響が大きい。

強風の度に大きく揺れては居住性に難ありだから、制振装置により揺れを低減するってことだ!

主要な駅にあるような高層ビル、超高層ビルに採用されることが多いので、是非調べてみよう!

塔状建築物に免震ではダメなの?

ちなみに、こういうときに「免震装置ではダメなの?」と聞かれることがある。

ついでに覚えて欲しいのだけどが、塔状建築物や固有周期の長い建築物に対して、普通は免震装置は逆効果なんだ。

詳細は省くけど、免震装置は「固有周期を長くする装置」とも言える。

固有周期が長くて困っているのに、免震装置を入れるとより困ってしまうよね。

実際、高層建築物や超高層建築物には免震装置を入れないことが多いんだ。

世間的には何となく「免震装置を入れておけば安全」のようなイメージがあるかもしれないけど、必ずしもそんなことは無いってことだね。

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

  • 塔状建築物とは、建物を平面に見たときの幅に対して、高さの大きな建築物のこと

  • 強風の度に大きく揺れては居住性に難ありだから、制振装置により揺れを低減する

こんなかんじで問題を解けるよ。

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。

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