柱及び梁の種別をFAとするための幅厚比の上限値と基準強度【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は、柱及び梁の種別をFAとするための幅厚比の上限値と基準強度について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
柱及び梁の種別をFAとするための幅厚比の上限値は、基準強度Fが大きいほど小さくなる。
正解は・・・〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
柱と梁の部材種別
FAとは部材種別の「ランク」なんだ。
何のランク付けか、それは「変形性能(変形できるかどうか)」だ。
FAが最も変形性能の良いランク、FDが変形性能の悪いランクってことになる。
構造的にFAは「靱性がある」、FDは「脆性的」という感じだね。
ちなみに靭性は変形しても粘り強い性質、脆性は変形できずにすぐに壊れてしまう性質だ。
ちなみにFAのFとは「フレーム(ラーメン構造)」を意味する。
部材種別の詳細は下記を読んで欲しいな!
幅厚比
幅厚比は、局部座屈に対する抵抗性を表す値だね。
幅厚比が小さいほど、局部座屈に強いことを意味するよ。
逆に値が大きいと、局部座屈に弱いってことだ。
幅厚比は下式により計算する。
幅厚比=幅/厚=b/t
bは幅、tは板厚で、この2つの値がパラメータとなるわけだね。
なお、幅厚比に関わらず、AB比という言葉は、
AB比=A/B
という関係があるんだ。
上式より、幅厚比が小さいということは「幅に対して板厚の厚い部材」で、幅厚比が大きい部材は「幅に対して板厚の薄い部材」だね。
鋼材の基準強度と部材種別の関係
鋼材の基準強度とは、告示2464号に規定される「鋼材の許容応力度、材料強度の規準になる強度」だ。
例えば、鋼材の長期の許容応力度(引張)=F/1.5のように表すよ。
Fが基準強度で、鋼材の材質毎に変わってくる。
ss400のF=235、ss490のF=325になるね。
よし用語の意味が分かったから問題文を考えてみよう!
柱および梁の種別をFAとするということは、言い換えれば「靱性のある部材とする」という意味だね。
では、幅厚比が小さい部材と大きい部材のどちらが「靭性のある部材」だろうか?
明らかに「幅厚比の小さい部材」だよね。
実際に幅厚比の小さい部材を絵に書いてみよう。
どっしりして頼もしく感じる部材だと思います。一方、幅厚比の大きな部材は板厚が薄いのでペラペラで、いかにも座屈しやすそうだね。
基準強度が大きいということは、ザックリ言えば部材の強度が大きくなるということだ。
また「基準強度の大きい部材とする ⇒ 部材には大きな力が作用する」ことを意味する!
なぜかと言うと、部材に大きな力が作用するなら、それに抵抗できるよう部材の強度を上げる必要があるからだ。
以上を整理して問題文を考えてみると(読み替えてみると)・・・
部材に大きな力が作用する(基準強度Fが大きい)場合、柱及び梁の種別をFAとするためには、幅に対して厚みの大きな靭性のある(幅厚比の小さな)部材とする
と書いてあるんだ。
要するに、大きな力が作用するから座屈しないよう部材の板厚を大きくしましょう、という意味だ。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
FAが最も変形性能の良いランク、FDが変形性能の悪いランク
柱および梁の種別をFAとするということは、言い換えれば「靱性のある部材とする」こと
基準強度の大きい部材とする ⇒ 部材には大きな力が作用する」ことを意味する
柱及び梁の種別をFAとするためには、幅に対して厚みの大きな靭性のある(幅厚比の小さな)部材とする
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。
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