軟弱な地盤と減衰定数【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は軟弱な地盤と減衰定数について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
地震動が作用している軟弱な地盤においては、地盤のせん断ひずみが大きいほど、 せん断剛性は低下し、 減衰定数は増大する。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
ひずみ、せん断ひずみの考え方
「ひずみ」とは、ある物体の変形量を元の長さで除した値だね。
変形を表した割合ともいえるよ。
なお、せん断ひずみは、せん断力による変形(変形角)と元の長さの割合を意味するんだ。
物体に力を加えると、物体は変形し、物体内部には応力が生じる。
このとき、ひずみεと応力σには
・σ=Eε
の関係があって、これをフックの法則ともいう。
せん断応力とせん断ひずみについても、上記と同様の関係が成立する!
さて、フックの法則が示す重要な性質が
・応力が0のとき、ひずみも0である
ということなんだ。「何を当たり前のことを…」と思うかもしれないね。
だけどこれがとても大切。
つまり、ある物体に応力が生じて、それに伴い「ひずみ」が発生しても、応力が取り除かれて0になれば、ひずみも無くなる、ことを意味するんだ。
このような性質を「弾性」といって、日常にある物体はほとんどの場合、弾性を持っている。
別の言い方をすれば、
物体に力を加えて変形しても、力が取り除けば変形は無くなる
すなわち、物体は「力の作用前と作用・除去後で同じ状態」を保っている
と言えるんだ(※ただし、フックの法則が成立する範囲)。
例えるなら、「消しゴムを曲げる前の状態」と「消しゴムを曲げて、曲げるのを止めた後」で、消しゴムは全く同じ状態ってこと。
ただし、物体が許容できない応力(あるいは変形)が生じると、元の状態に戻らず、ひずみが残ってしまう。
消しゴムを曲げすぎると、
曲がったままになってしまう
切れてしまう
ことからイメージが付くと思うよ。
そして、一度、曲がったり、切れてしまった消しゴムは
・元の状態よりも弱い(曲げやすい)
これを専門的に「剛性が低下した」というんだ。
軟弱な地盤と減衰定数
ここで地盤をイメージすれば、何となく理解できると思うよ!
地震で地盤が揺らされると、地盤にも、当然、亀裂やひび割れが入る。
つまり、地震により地盤の剛性は低下するんだ。
一方で、地盤に生じるひび割れ、亀裂により地盤の変形が進むお陰で
地震エネルギーを吸収しやすくなります。
これは、地震エネルギーを「減衰(減らす)」作用が増えた、つまり、減衰定数が増大することを意味するってことだ。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
地震で地盤が揺らされると、地盤にも、当然、亀裂やひび割れが入る。
つまり、地震により地盤の剛性は低下する地盤に生じるひび割れ、亀裂により地盤の変形が進むお陰で
地震エネルギーを吸収しやすくなる地震エネルギーを「減衰(減らす)」作用が増えた、つまり、減衰定数が増大する
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。