鋼材の許容応力度と板厚【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は鋼材の許容応力度と板厚について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
SN490材の許容引張応力度は、板厚による影響を受けないので、板厚25mmと50mmとでは同じ値である。
正解は・・・ ×となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
鋼材の許容応力度と板厚
まずは用語の意味から整理しよう。
SN490材: 引張強度が490N/mm2の建築構造用圧延鋼材。主に建築の構造部材で使う鋼材をSN材という。
許容引張応力度: 部材が許容できる引張応力度。部材に生じる引張応力度が、許容引張応力度を超えないことを構造計算で確認する。
さて、鋼材の許容応力度は、基準強度Fに係数を掛け算して算定する。
基準強度と許容応力度の意味は下記を読んで欲しい!
簡単に説明すると、許容応力度は部材が耐えられる(許容できる)応力度の値なんだ。部材に生じる応力度を許容応力度以下にすれば、部材の安全性が保たれる。
そして許容応力度は、基準強度を元に算定する。
基準強度はまさに、基準となる強度ってことだ。
鋼材の基準強度は材質ごとに異なるよ。
下図の通りだ。
図をみて何か気づいたことは無いかな?
実は、鋼材の基準強度は
板厚が大きくなると値が低下する
という特徴がある。490N級の鋼材の場合
40mm以下 ⇒ 325N/mm2
40mm超え100mm以下 ⇒ 295N/m m2
と書いてあるね!
なぜ厚みが大きくなると強度が低下するのか。
これは寸法効果といって、部材の断面が大きくなるほど「欠陥が起きる可能性も大きくなる」ため、大きな部材の方が、強度が小さくなることが知られているんだ。
ゼロ所長が思うに、初学者の人は何となく「厚みが大きい方が強度も大きくなりそう」という心理があるかもしれない。
その逆手をついた問題だね。
なんとなくコレかな?と思わず、上記のポイントをしっかり覚えよう。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
鋼材の許容応力度
⇒ 基準強度を元に算定
⇒ 基準強度は板厚が大きくなると値が低下
⇒ 許容応力度(許容引張応力度)も低下
こんなかんじで問題を解けるよ!
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。