開口部を設けた耐力壁の剛性と耐力【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は開口部を設けた耐力壁の剛性と耐力について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
許容応力度計算において、開口部を設けた耐力壁について、剛性及び耐力の低減を考慮して構造計算を行った。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
許容応力度計算
許容応力度計算は、柱や梁などの各部材に生じる応力度を、安全率を考慮した材料の許容応力度以下に抑える計算方法だ!
わかりにくいね~。意外と記号と計算式で表すと簡単なんだ。
応力度をσ、安全率をν、許容応力度をfにする。
さっきの文章を計算式で表すとこうなる!
σ ≦ f/ν
おお!だいぶスマートになったね。
数式を毛嫌いする人は多いけど、数式の魅力は長ったらしい文章を短く、簡潔に整理できる点にあるんだ。
許容応力度計算は、建築物の構造計算として最も基本的な方法なんだ。
開口部を設けた耐力壁の扱い方
構造的には開口部の無い鉄筋コンクリート壁が最強なんだけど、そんな牢獄みたいな建物は当然つくれない!
当たり前だけど壁に開口は付きものなんだ。
それが耐震壁だとしてもね。
ただし、開口が空く耐力壁は、開口が無い耐力壁と比べて、強さ(耐力)やかたさ(剛性)は当然、低下する。
あるいは、開口が大きすぎると耐力壁にならないこともあるんだ。
耐震壁となるための条件を下記に示すね。
壁厚さは、120mm以上かつ壁内法高さの1/30以上とすること
開口は壁の中央付近に設け、開口周比0.4以下とすること
開口周比は、開口の面積と耐力壁の面積の比率です。開口周比の値が大きいほど「大きな開口が開いている」と思っておいて。
要するに、開口を大きくし過ぎると(開口周比0.4超)、耐震壁とはならない
ただし開口周比が0.4以下であれば、開口が開いていても耐震壁として認めらる。
もちろん、開口を開けた分「耐震壁の耐力は低下」するから、これを考慮して構造計算するよ!
あと、開口を設けると壁の断面も変わるのでかたさ(剛性)も低下するんだ。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
壁に開口を設けることは多い
耐震壁に開口を設けても、条件を満たせば耐震壁のままとなる
ただし、開口を設けた耐震壁は、開口の無い耐震壁と比べて耐力、かたさは低下する
こんなかんじで問題を解けるよ!
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。