「音楽理論の神髄はコメディにあり?」 【ゼロからはじめる音楽理論 No.5】
はじめに
前回のラストで、「音楽理論は流行と感覚によってアップデートされてきた」という話をしました。
じっさい音楽理論は、わたしたちのさまざまな感覚と結びついて成り立っており、このコースではさまざまな実例をとおして、そのことを理解していきます。
そして、それらの感覚のなかでも、おそらく人類すべての人が共通して持っているであろう「ある感覚」が音楽理論の中心となっています。
その「ある感覚」とは「重力に対する感覚」です。
これだけでは、なんのことかよく分かりませんよね。
では詳しくみていきましょう。
音楽理論の神髄はコメディにあり?
音楽と重力のはなしを分かりやすくするために、まずはこの音を聴いてみてください。
*音源データは下記コーステキスト内でのみお聴きいただけます
誰でもいちどは耳にしたことがあるであろう、コメディのオチなどで鳴らされる「チャンチャン♪」という例のあの効果音です。
この「チャンチャン♪」というのは、音楽的な言葉でいうと「ソ→ド」という音の動きです。
この「チャンチャン♪(ソ→ド)」という効果音がコメディの中で鳴らされるのはどういうときかというと、
「ボケに対してツッコミが入って、オチがついた」
という状況ですよね。
これは、“オチがつく”という言葉が示すとおり、「ある混乱した状況(ボケ)」が「ツッコミによって落ち着いた(オチがついた)」と言い換えることができます。
つまり、この「チャンチャン♪(ソ→ド)」という効果音は、どうやら
「聴いた人に ”落ち着いた” と感じさせる」
という ”効果” を持っているようです。
では「落ち着く」ということはどういうことでしょうか?
これまた言葉が示すとおり、
落ち着く=「落ち」て「着地」する
ということです。
高い場所にいると落ちてしまわないかと不安になりますが、地面に着地すると安定して「落ち着き」ますよね。
どうやら、わたしたちはこの「チャンチャン♪(ソ→ド)」というコメディの効果音を聴くと、
「何か高い位置にあったものが着地して落ち着いた」
つまり、
「重力に引かれてモノが地面に落ちた」
という連想をアタマのなかで自然としているようです。
実は、この「重力に引かれてモノが地面に落ちる」という連想感覚こそが、音楽理論のいちばんコアとなる部分なのです。
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さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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