見えないパンチがほしい
ひとつ、自分語りをしよう。
先日、映画「かがみの孤城」を観てきた。
あらすじ諸々は省くが、いい映画だった。
しかし、観てる間、(あ〜……きっとここからこうなってこうなるな……)という予想が出来てしまった。
自分は作品を見ていて(こうなるんだろうな)という予想、または(俺ならここからの展開はこう書くかな)という考えが作品鑑賞中の脳にチラつくタイプなのだ。
見えるパンチは避けられてしまうように、見えてる展開は心に響きにくい。ゆえに『かがみの孤城』は観賞後、伏線回収が上手いなあ、綺麗なパンチだなあという感想しか出なかった。
エンターテインメントは『予想の裏切り』が気持ちよかったりする。「まさかそうなるとは」と驚かせてほしい。言わば、死角から来る『見えないパンチ』を心の芯にズシンと喰らいたいのだ。
こう書くとマゾに見えるが、素晴らしい作品に出逢いたい、という思いはいつだって見えないパンチを望んでいる。
久々に『アイデンティティー』みたいな「マジかよ!」に会いたいな。
アイデンティティー(ジェームズ・マンゴールド監督 マイケル・クーニー脚本)