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イギリスのらりくらり 田舎の散歩道

Herefordshire(ヘレフォードシャー)という地域を訪れた時のこと。
「手頃な footpathがあるわよ」と教えてもらい、ひとり、何十年も前の地図を手に(スマホは圏外)ぷらり出かけたのでした。


滞在先を出てしばらく、車道を歩いていきます。
車道に沿って羊脱走防止の生垣が延々伸びて、放牧地の中では羊たちがのんびり草を食んでいます。のどか。
しばらく行くとフットパスの入り口を発見。

まるで、羊の群れの中に入りなさいと言われているかのような看板。

どうしようかなーと、うろうろしていると奥にまた別の道しるべを発見しました。

ここから2つの散策路が始まります。

危ない。羊の群れに突入するところだった。
微妙な角度差で、二つのルートに分かれています。地図もそのようになっている。しかしこの先明確な道はないので、この絶妙な角度差を目に焼き付けました。私が行きたいのは、より右に進むルート。

しばらく進むと、ポツンとたたずむ杭を発見。

心もとない矢印だけど、ここにルートがあることをちゃんと教えてくれる。

よかった、ここまでは合っていたようです。
矢印、ちゃんと仕事してます。

放牧地の中は、人が歩いた形跡が全くない所もあれば、人(もしくは何か動物?)の歩いた形跡が残っている箇所もあります。
ただし、その形跡を信頼していいかどうかは時と場合によります。笑

信頼できる場合の方が多い、かな?

しばらく一面の緑の中を下ったり上ったりしながら景色を満喫して歩きます。柔らかな丘の連なりは、眺める分には牧歌的な安らいだ気持ちをもたらしてくれますが、実際に歩くとその傾斜の角度に驚きます。
でも、疲れたらゴロンといつでも休憩できます。

しばらく進むとゲートがありました。
ここで土地の所有者が変わるのかな?
そう、Public pathとは人の土地の中を通る散歩道なのです。所有者の厚意のもと、ハイキングコースが繋がっているという訳です。

閉めます、閉めますとも!

ハイキングする人間も、「この道を通る権利がある」と堂々とお散歩しています。代わりに、ルールはきちんと守ります。

丘を下りきると、ポツポツと民家が見えました。
人の土地というか人の家!さすがに注意書きが今までより多めです。

思わず「おじゃましまーす」と言ってしまう。

別にこっそりすることはないのですが、何となくそわそわしながら通り過ぎました。

やがて小さな小川沿いの散策路に繋がりました。
森の小道といった感じでとても気持ちのいい道です。
時折、まるで童話に出てきそうな雰囲気の大きなカシの木がじっと見守っていてくれています。そして足元にはたくさんのスノードロップ。

2月。長かった冬の終わりを予感させてくれます。

その先には、大きな庭(というか庭園?)付きの立派なお屋敷が見えてきました。この庭園の中もフットパス伸びています。
進んだ先、庭園のおわりで「越えていく」タイプの柵に出会いました。

踏み台付きです。

「(恐らく)ワンちゃんにはリードをしてください」のサインがありますが、ワンちゃんと一緒にこの柵を越えるのはひと仕事な予感がします。

この先は、教えてもらっていたポイントから傾斜をのぼり、畑の脇を通って出発地点に無事、戻りました。
斜面登っている途中で、地図と実際の道(ここは人の歩いた跡がはっきりありました)が違っていて迷いかけましたが、後から聞いたところによると、数年前に土地の所有者が変わり、自分の土地をフットパスが通るのを嫌がった所有者がフットパスを少しずらしてもらったそう。
なるほど、そういう場合もあるよね。

そんな例外はあったものの、散歩の最中、何度も地図で等高線や目印になるものを確認したりして、何十年前の地図とはいえとても頼りになりました。
都会だとそうはいかないけれど、「地形」はそう簡単には変わらないもんなぁなんて、当たり前ではありますが、普段はあまり意識しないことを考えたのでした。

人の暮らしも感じられる田舎の散歩道、とってもおすすめです。


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