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ナシナシ麻雀の戦い方

はじめに

 アリアリ赤ありの麻雀が主流になっている現代の多くの若い世代にとって、ナシナシ麻雀の戦い方というのは分かりづらいものであるかもしれません。そこで、この記事では、ナシナシ麻雀を打つ上でのコツを紹介しようと思います。尚、ナシナシ麻雀に赤ドラを取り入れることは可能ですが、ここでは赤なしのルールに話を限定するつもりです。

 本題に入る前に、この記事が想定する「ナシナシ」の概要を説明しましょう。第一に、喰い断は認められません。第二に、和了牌によっては役なしになってしまうような聴牌形からの和了はできません。また特に、役が翻牌のみの手で和了する場合は、翻牌の刻子または槓子を少なくとも一つ揃えてからでないと、他の部分を鳴けません。ただし、揃える前に他の部分を鳴いてしまった場合でも、聴牌までに翻牌の暗刻子が完成していれば、その翻牌のみで和了することができます。つまり、隠した手の内の各部分が完成した時期は問わない、ということです。恐らくこれは、実際に採用されている中でも比較的簡便なナシナシと同様のルールでしょう。より細かい点に触れることもできますが、打ち方のコツを紹介する上では余計になるため、そういったことについての説明は省略することにします。とはいえ、以下に述べることは、多少のルールの違いを越え、様々なナシナシで広く通用するはずです。

1. 狙うべき役

 麻雀を打つ上では、どのような役を狙うかが重要です。ただし、ナシナシ麻雀で狙うべき役は、アリアリ赤あり麻雀で狙うべき役と少し異なります。なぜなら、和了に制限がかかるし、ドラも少ないからです。というわけで、ナシナシ麻雀でのお勧めの役を紹介します。

a. 立直

 この役は赤ドラの有無やナシナシであるかどうかにかかわらず、立直麻雀を打つ上では当然ながら欠かせないものです。ただし、ナシナシ麻雀では、立直をかける機会がより一層多くなるでしょう。なぜなら、立直は、和了牌によっては役なしになってしまうような、つまり和了不可能な聴牌形を、和了可能な聴牌形に変える手段として役立つからです。また、ナシナシ麻雀では、非門前聴牌形からの和了に制限がかかる分、そもそも門前での手組の機会が増えるので、和了のために立直の助けを借りることは多くなるはずです。

b. 混一色

 この役は、副露を用いて作ることができる役の中では珍しく、ナシナシによる和了の制限を受けません。無論、それとは別のルールもありますが、とはいえ、殆どのナシナシで制限を受けないと言っていいでしょう。喰い断がなく、翻牌・三色同順・一気通貫・混全帯么九といった、副露を用いて作ることができる他の役が和了の制限を受ける分、相対的に使い勝手の良い役になります。加えて、打点が高く良形にできるという元々の特性も相まって、ナシナシ麻雀では狙う価値の高い役です。門前で大した手組ができそうもなかったら、少々強引にでも狙ってみる価値はあると思います。この役を上手に使って、門前で燻っている他家を速度と打点で上回りましょう。

c. 七対子

 この役もナシナシ麻雀では重要です。その価値を高めている最大の要因は、ナシナシ麻雀に形式聴牌がないことです。形式聴牌がないので、副露が利く門子手の形を維持する必要性が低くなります。そのため、七対子を狙っていても、不聴罰符の収支上そこまで不利になりません。しかも、聴牌すれば役ありになり、ロン和了が可能になるという利点もあります。ナシナシ麻雀では、非門前聴牌形からの和了に制限がかかる分、役なし門前聴牌形が出来てしまうことが多く、ロン和了が不可能となる事態はよく発生しますが、七対子であればその心配はないわけです。また、裏ドラ次第で高打点に化ける可能性を秘めた七対子は、ドラが少ないナシナシ麻雀において有用な戦力となります。もっとも、これはナシナシ麻雀というより赤なし麻雀の特徴という側面が大きいのですが。

d. 翻牌

 この役はナシナシによる和了の制限を受けますが、それでも使い勝手が良いことに変わりはありません。なぜなら、ナシナシ麻雀には喰い断がないため、副露を用いて作ることができる役の中では、多種の牌を僅かな制限で使えるという点で、この役が随一だからです。打点の高さを問わず、様々な手で活用しましょう。

 以上四つが、ナシナシ麻雀を打つ上で重要な役となります。少し乱暴ですが、この四つの役以外は必要ないと言ってもいいと思えるほどです。一応、打点の種としては対々和が必要になることもありますが、和了しづらいことが多いのでご利用は計画的に。

 補足として、ナシナシ麻雀の実戦的な構想を簡単に述べておきます。配牌を見たら、まず、打点や形といった要素からそれなりの立直がかけられるかを考え、それが無理なら混一色の可能性を探り、それも無理なら翻牌や七対子での和了を見る、という順番で方針を立てていきましょう。大体これで何とかなります。

2. その他の要所

a. 門前片和了形は必ず立直すべきか

 ナシナシ麻雀では、門前片和了形は、立直をかけなければ役ありになる牌が出たとしてもロン和了できません。そのため、どの牌が出ても和了できるように立直をかけることが多いのですが、とはいえ、すべての場面でそうする必要はありません。例えば、オーラスのトップ目、翻牌と数牌の双碰待ちで聴牌形が出来たとしましょう。役は翻牌しかなく、その翻牌が場に打たれてもロン和了できません。それならばと立直をかけたくなるところですが、冷静に考えてみれば、トップ目で悪形の立直をかけることになります。例外もありますが、多くの場合、そのような立直をかけるべきではないはずです。トップ目ならば、立直をかけて無防備になることは、できれば避けたいでしょう。そのため、こういった場合は、ロン和了できなくなることを承知で、立直をかけずツモ和了に懸けた方が良いことが少なくありません。ナシナシ特有のルールに惑わされず、立直をかけると不利になる局面では立直をかけず、和了すら諦める姿勢が時には必要になる、という意識を持っておきましょう。

b. 手を作る際の注意点

 ナシナシ麻雀は、アリアリ赤あり麻雀と比較して副露がしづらく速度も低くなりがちです。そのため、副露が利く手牌では積極的に鳴いて素早く和了したくなりますが、そのようにして鳴いたことで手牌の柔軟性を失うことが少なくありませんし、比較的ドラが少ない分、安手になりやすいのです。つまり、副露した場合は手を甘く見られ、他家から警戒されにくくなります。副露を用いた安手作りに難のあるこうしたナシナシ麻雀において、多くの打ち手はじっくりと高い手を作るはずです。よって、副露を用いて安手を作る場合は、後々そのような高打点の手と勝負することになります。その勝負に勝てればいいのですが、負けてしまって大きな放銃となると、ドラが少なく非門前聴牌形からの和了に制限がかかるナシナシ麻雀では、逆転が難しくなるでしょう。また、安手での和了ばかりではジリ貧になりかねません。そのため、手役やドラを上手に使いながら、意識的に打点を高めようとすることが重要です。もっとも、これもナシナシ麻雀というより赤なし麻雀のコツですが。

おわりに

 いかがでしょうか。文章の拙さはともかくとして、内容自体はそこまで難しくなかったのではないかと思います。もし今後、ナシナシ麻雀を打つ機会がありましたら、参考にしていただけると幸いです。

 それでは、また。

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