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【EDH】時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes (High power~fringe cEDH)(2022/08/26)

1. はじめに

 今回は≪時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes≫を紹介します.
 カジュアルな卓で使えそうなジェネラルをということでバルダーズゲートの発売当初に組みました.同時期に試行錯誤していた義丸EDHは未だ最適解が見えていないのですが,このミンブー(海外ではMBと略されることも屡々あるようです)は概ね目途が立ち,high power ~ fringe cぐらいの強さにまとまったかなという印象です.


2. ミンスクとブーの基本性能

🐹👨‍🦲

時を超えた英雄、ミンスクとブー / Minsc & Boo, Timeless Heroes
2RG
伝説のプレインズウォーカー — ミンスク
時を超えた英雄、ミンスクとブーが戦場に出たときとあなたのアップキープの開始時に、「ブー」という名前でトランプルと速攻を持つ赤の1/1の伝説のハムスター・クリーチャー・トークン1体を生成してもよい。
+1:トランプルや速攻を持つクリーチャー最大1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター3個を置く。
−2:クリーチャー1体を生け贄に捧げる。そうしたとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。時を超えた英雄、ミンスクとブーはそれにX点のダメージを与える。Xは、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい。生け贄に捧げたクリーチャーがハムスターであったなら、カードX枚を引く。
時を超えた英雄、ミンスクとブーは統率者として使用できる。
Loyalty: 3

https://scryfall.com

 統率者領域に「打点」「ドロー」「除去」(「カワイイ」)が用意されているため,キープ基準を緩く出来るのが強みです.出してすぐに-2起動でドローしていくことも可能ですが,基本的には出したターンに+1で4/4速攻トランプルを作り(nausやコントロールにちょっかいを出しつつ)次のターン以降に-2を使用するのが効率的です.他のフォーマットですと出た時の誘発に対応して稲妻で落とされるのが怖いですが,EDHはインスタント火力除去が少なめなのが嬉しいですね.判事先出しはキツイ.


3. 構築

3.1 リスト

 2022年8月26日現在使用しているリストです.


3.2 コンボ

 ミンブー自身は勝負を決められる能力を持っていませんので,勝ち筋はデッキの中に入れておきます.この勝ち筋に関して世にある色々なリストを調査したところ,基盤とするコンボによってミンブーは主にSnoop型と無限キャスト型の2種類に大別されるようです.
 Snoop型は名前の通り≪人目を引く詮索者/Conspicuous Snoop≫を使用した無限コンボを狙うデッキです.

モダンでもお馴染み

 先ず,≪ゴブリン徴募兵≫によりトップに詮索者・松明の急使・キキジキを積みます.次のターンを迎えるか何らかの呪文で1枚ドローし,詮索者を戦場に出します.詮索者の能力で松明の急使を捲り,キャスト,詮索者に速攻を付与します.トップは積んだキキジキが捲れます.詮索者でキキジキの能力を使い自身をコピーしていくことで,タップ状態の詮索者が無限体と1体のアンタップ状態の詮索者が並びます.最後の詮索者で徴募兵をコピーし,≪モグの狂信者≫をトップに積んで無限ダメージです.実質徴募兵だけの1枚コンボであり,ミンブーで1ドローが出来ることからマナさえあればトップに積んだSnoopを即座に唱えることが可能です(同一ターンで決めるなら2RG+1R+RR+R=3RRRRRG必要ですが).小ワザとして,ミンブーが既に出ている状態で徴募兵からのコンボに入りたいときは,アップキープにわざと+1/+1カウンターが乗っている古いブーのほうを消滅させることで確実に1枚だけドローすることが可能です.1枚コンボである一方で,パーツを素引きしてしまうと終わってしまうという欠陥も抱えています.ミンブーの能力で沢山カードを引ける分,パーツを素引きしてしまう可能性も高くなってしまいます.


3回以上何か唱えた後に撃てば無限宝物+無限パンプ.マナに余裕があれば意外といける.

 無限キャスト型はどうにかこうにかして無限マナを生み出し,無限ミンブーキャスト→無限ドローをすることで,フィナーレによるコンバットwinなどによる勝利を狙う型です(ミンブーは出してすぐ-2して自分を対象にダメージを飛ばせば自殺しつつ1ドロー出来る為).有名な≪波止場の恐喝者≫+≪ティムールの剣歯虎≫だけでなく,単純にパンプアップスペルとしても使用できる≪怒りのもや≫と宝物を供給してくれる≪嵐窯の芸術家≫を組み合わせた無限マナコンボも搭載されます.どのパーツも素引きして困ることがないためパンプアップスペルを多めに積んでドローを加速させる択が取れるということと,パンプアップスペルがドロー加速だけでなくnausやコントロールへの圧力になるという利点も有しています.一方で,ジェネラルに依存しすぎているところが欠点です.パンクアップスペルはブーがいる前提であり,判事ゲーになってしまった場合に何も出来なくなります.また,判事以外の各種不快置物も刺さってしまいます.

 何れの型においても統率者の能力によるサクりから上述の恐喝者剣歯虎コンボ(やSnoop+急使+徴募兵を揃える統率者+1枚コンボ)にいけるため,しばしばハルクが採用されていることもあります.

 僕のリストはSnoop型をベースとしています.上述の型以外にも様々な構築やコンボを試した結果,徴募兵の1枚コンボであるSnoopコンボをベースとし,パーツであるキキジキを活用できる1+1枚コンボ(キキジキ+徴集兵やキキジキ+ハイラックスなど)を何種類か投入したタイプが最も速さと確実性のバランスが取れている構築だという結論に達したためです.無限キャスト型は爆発力こそあれ,ジェネラルに依存しすぎている&ノンクリスペルを何度も唱える必要性があるため安定性を欠いています.ジェネラル依存が低くノンクリーチャー呪文の必要性が低いSnoopコンボの方が確実に勝ちに行けます.


4. 採用カードと不採用カード

4.1 採用カード

(1) 雄牛のやっかいもの

軽いイーシャイ

 まごうことなきハムスター🐹.自ターンに全くスペルを唱えないと言う人は少ないため,概ね5ドロー+5点ダメージは出来るでしょう.相手が唱えないならブーを大きくして行けばおk.放置しておいてもなかなかの打点.T1で出せる手札なら概ねキープできます.


(2) 怪物の代言者、ビビアン

野獣先輩ではない方のビビアン

 キキジキ→ハイラックスなど2枚コンボを揃えるのに使用.ミンスクを守る到達盾をつくることも出来る.トランプルを持たせることでブーによる強化も狙えます(本当にやるかは不明).道三→徴募兵もなかなかにタノシイ.


(3) ボーラスの壊乱者、ドムリ

燻し銀

 マナ加速+打ち消し対策+ブーのパワーアップ+除去となんでもこなす燻し銀.生み出したマナを使わなくともターン中自分の全てのクリーチャー呪文が打ち消されなくなるため,徴募兵からの連鎖コンボの隙を減らせます.


(4) 激励

 最悪マナ(森含む)とこれしかないハンドでもキープ可.パンプアップスペルは基本的に不採用ですが,これは流石に強い.


4.2 不採用カード

(1) 不快生物や不快置物
 他の人を遅くするよりも自分の動きを優先.特にアウフはマナクリーチャーベースのデッキではありのように見えますが,波止場を絡めたコンボがあるため不採用.ミンスクで生け贄にできるとはいえ隙が大きすぎる.月系も全く勝ちに繋がらないので不採用.

(2) 歯と爪
 ミッドレンジ型の構築ならありですが,前のめりにいく構築であるため流石に重かった.

(3) 厳かなモノリス
 赤ダブルシンボルトリプルシンボルが多く,無色マナのはけ口が少ないため不採用に.ドロー加速をしていく無限マナ型ならありカモ.


4.3 入れ替え枠

 内にいる獣,混沌のねじれ,活性の力,削剥,偏向はたき,呪われた鏡,花の絨毯など.遊ぶレベル帯で入れ替えます.PWが安定しないHigh powerでははたきout.速度⇔受けの広さで,活性の力or/and削剥⇔内ケモor/andねじれ.エトセトラエトセトラ……


5. 他ジェネラルとの比較

5.1 初ミンとミンブー

初ミン

 ミンスクと言えばナヤカラーの初代ミンスクが有名です.簡便のため初代ミンスクを略して初ミンと呼ぶことにします.
 初ミンとの違いはいくつもありますが,EDHにおいて最も重要だと思われるのは白が無いことかと思われます.初ミンの着地点として有名なハルクコンボはnaus等に比べるとやや遅いため,ある程度不快置物を取っておくのがTurbo nausへの回答となるでしょう.また,コンボに入る前に白の対話拒否カードを使えるのは強みです.ミンブーでは白がないため法の定めのような不快置物やレインジャー長のような対話拒否カードは殆ど取ることが出来ません.また,初代ミンスクと違い一度しかサクれないため,生け贄にする能力を2回以上使用する必要があるコンボを組み入れるのは難しいでしょう.赤緑というカラーからコンボも限定されます.

対話拒否カード

 一方で,初ミンと比較したときのミンブーの強みは殴り性能とドロー力,除去力です.初ミンのブーは主にサクされるためだけに生まれてきますが,ミンブーのブーはムキムキにしてコントロールやnausを殴る択やドローを進める択を取れます.初ミンでもマナを注ぎ込めば殴る択を取ることが出来ますが,ミンブーではマナなしでこれを行えるため明確な強みと言えるでしょう.ドローに関しては言わずもがなです.OAやマイセンなどを出されてしまった場合に,除去能力でのかすことが出来るというのも大きなポイントです.


2.2 テヴェシュとミンブー

 ドローできるプレインズウォーカージェネラルと言えば,テヴェシュが有名です.両者のドローできる枚数を比較してみましょう.
 テヴェシュは出た時+2でトークンを出して次の2ターンで2ドロー*2していくので3ターンで4枚,つまり1ターン換算で1.33枚ぐらいのペースでドローしていくことになります.一方ミンスクは出たターンをt = 1とし,毎ターン強化することだけを考えた場合にドローできる枚数D(t)は D(t) = {1, 4, 7, 10, 13, 16, … , 1+(3*(t-1))}.ターン数で割るとD(t)/t = {1, 2, 2.33, 2.5, 2.6, 2.67, …}.無限に強化し続ければターン換算3枚に収束しますが,概ね2枚以上ぐらいに見ておくのが良いでしょう.仮に貯めないでT2,T4で1ターン跨ぎでドローするなら2*D(2) = 8です(当然はターン毎2枚).従って,他の要因が無ければドローできる枚数はテヴェシュを上回ります.これにクロック+火力のおまけがつきます.

3に収束するが概ね序盤の数ターンが大事

 ドローできる枚数だけを見るとミンスクの方が上回っているようですが,それ以外の問題が大きすぎるというのが実情です.テヴェシュとの差異としては奥義が無い事とドローする能力に割り込む隙が大きいことなども挙げられますが,一番の違いは色でしょう.黒が無いためTurbo nausが取れず,コンボもサーチも限定的です.共闘先に寄っては3色まで色を増やせますし,ログラクフとの共闘の場合には出したターンに3ドローもプランもあるためここまで単純な計算だけで両者比較することは難しいでしょう.ミンブーからテヴェシュに対しては殴り以外の抑止力はなく,よしんば上家で4+7=11で殴れたとしてもT2 nausを封じられるかは微妙です.直対で勝てる相手ではないので,対峙した際には俺は殴るからなんとかしてくれ!というスタンスで行くのが正着だと思います.


2.3 ティムクラとミンブー

ツヨスンギ

 他のドローできる主流と言えばティムクラです.ティムナは4/4が立つことで止めることが出来そうですが,クラムは空からミンスク(初期忠誠度3+1=4)を丁度討ち取れるため苦手としか言いようがないですね.終.


4. おちまい

 楽しいジェネラルなのでみんなも使ってくれよな.

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