瀬戸芸を歩いて その2
沙弥島(しゃみじま)
春会期限定会場で坂出市の元離島。番の州臨海工業団地の埋め立て造成で瀬居島と共に四国本土と陸続きとなった。瀬戸大橋の四国側の袂。会期中は坂出駅からバスが臨時で発着していた。
大岩オスカール氏の作品「大岩島2」公開初日(2019/5/1)で沙弥島の人が船出小唄を披露してくれた。公民館の一室に風船状のドームに描かれている作品だ。顔に修正入れていないのがオスカール氏だ。人多すぎー。
また、臨時バスで行ける瀬居島(せいじま)で瀬戸芸連動企画として「神戸芸術工科大学アートプロジェクト」を行っていた。
家主が亡くなった家を作品にしたもの。
女木島
別名「鬼ヶ島」。一日費やして男木島と併せて鑑賞できる。鬼ケ島大洞窟で香川県の中学生が作った鬼瓦の展示。
怖さの中に愛嬌を感じ取れるものがある。一番怖いのは港と洞窟を結ぶバスのボロさだ。車検通っているの?帰りは作品を見るため歩いて降りた。
カモメの駐車場は風見鶏みたいに風向きを視覚化してくれる。愛知県三河湾の佐久島にもある。佐久島のは下の一枚。
古民家にミラーガラスの短冊を吊るした「均衡」。
視覚というか平衡感覚にクる作品。世界をぶち壊した瞬間というのだろうか?
男木島
ネコの島。島内のネコは不妊手術されて、ネコミミに切れ目が入っている(サクラネコ:不妊手術済み)。
港のフェリー待合所も作品だ。
次は沙弥島にも作品を出展していた大岩オスカール氏の作品。日本家屋を90度回転したもの。
同じ場所で作品を見比べる。まずは2013年のもの。
2019年のもの。
比較終了。別の作品。窓から移る景色を借景し、模型を吊るしたもの。
陶器でできた蔦。2013年版。
2019年版。色合いや植物の配置が異なっている。
2013年のころは廃校となっていた小学校。
2013年の瀬戸芸開催後、移住者が増え、小学校が再開された。
瀬戸芸のテーマである「海の復権」の1つの形となった。住民、訪問者、作品制作者が相互にいい影響を与え合い、結実したのだろう。未来が再び動き始めた。
高松港周辺
北浜アリー。丸亀うちわの骨の用いた作品。
帽子の作品。
希少糖(香川大学で研究)をモチーフにした作品。砂糖の山に希少糖の解説本が差し込まれている。
「LEFTOVERS」
屋島。「S.F(Smoke and Fog)」。わかるような、わからないような……
せっかくなんで歩いて屋島を下りた(行きは路線バス)。1時間かかった。あほな行動だが、景色は良好。
終わりに
作品を見るには小さな冒険をしなくてはならない。実際に行くことが何よりのココロの刺激となる。空気や潮風のにおい、天候、疲労感、現地の食べ物、無心に目的地を目指すことも作品の一部と思える。小さな冒険のお宝として五感を活用した芸術鑑賞はそう無い。それが瀬戸芸の醍醐味だと言える。楽しむには体力が要る。あと何回楽しめるだろうか?「022」がどのように開催されるか気になる。生きる目標みたいになっている。作品だけを追いかけるのも「あり」だが、次回は周囲の景勝地も含めて行こうかと考えている。(小豆島の寒霞渓は訪れていない。フェリー時間の都合)