つきやく
ねぇ、
そうやって、
一体いくつのものこと肩代わりしてきたの?
重たいなら “重たい” と声を出さないと
敵がいなければ平和でいられない
悲しいなら “悲しい” とそのままで
季節外れの夏が帰ってくる
赤黒い経血に頭を抱えてる
汗ばんだ体を洗い流して
生き永らえる為の 清潔さ は大事だから
内緒の話が増えていく
綻びを縫い合わせる毎日が続く
内緒の気持ちが募っていく
書き溜めた言葉はいつか聴いた昔話に似てる
当たり前のように同じその面の皮剥いだら
だれもかれも似たような色の気持ち
敵を造らねば穏やかすら無いのだと
淋しくても淋しいなんて言えるわけもない
時代遅れの服を持て余してる
自然ではない女のシステムに辟易してる
垢の溜まった心を削り出す
生き永らえる為に必要ってそれらしいことを
内緒の話が育っていく
狭くなる居場所をそれでも保ってる
内緒の記憶は褪せていく
時折思い出すのはいつか聴いた塵の話
寝乱れた布団の上で
なんだか嫌に昔のことを思い出してる
久しぶりに逢う私越しに
一体どれほどの事が連なっているのだろう
寝乱れた布団の上で
絡まった髪を丁寧に梳いて解いたら
窓で風に揺れるカーテン越し
空気の匂いにもうなんにも言えなくなってしまう
カゼの匂いがする
いつかに似たカゼの匂いがする
部屋いっぱいに立ち込めては
静かな違和感でこの身などご覧の有様
足が痺れている
いつかも感じた痛みによる麻痺
はじめて月のものを迎えた
あの日のことふと思い出しているの
季節外れの夏が訴えてる
経血と痛みとどんよりした眠気
朦朧とした頭は洗って綺麗に
生活する為にはそんなの当たり前のこと
そうやって一体いくつのものこと一緒くたにしているの
貴方にも私にも名前が有るって信じないと
悲しいなら かなしい とそのままで
淋しいなら さみしい とそのままで
内緒の話が増えていく
綻びを縫い合わせる毎日が続く
内緒の気持ちが募っていく
書き溜めた言葉はいつか聴いた昔話に似てる
寝乱れた布団の上で
なんだか嫌に昔のことを思い出してる
久しぶりに逢う私越しに
一体 どれほど の 事 が 連なって いる の だろう
一体 どれほど の 事 が 連なって 往く のだろう
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(2016.10.18)
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