日記/11月は日記
11/1
温泉と漫画があるところに行く。
温泉も漫画も大好きなので楽園みたいだ。テンションを上げすぎないように注意しながら向かう。
露天風呂から海が見える。茶色のくりくり毛の大きめの犬が浜に放されていて、あっ、声帯取られてるかもしれないやつだ、と思った。
漫画の本棚を眺めると結界師があった。前のお仕事場の小学生が大好きだったのを思い出す。読む。改めて読むと、小・中学生ごろに空想するほとんど全部が入っていて、すごいくすぐられ感。
お風呂と漫画をくりかえして、二十六巻まで読んだ。
11/2
次の日が休みの月曜日は離れ小島みたい、と起きたとき思ったけど、意味はわからない。
油断していたらアキレス腱が腫れてきて、どうにもこうにもになったので早めに上がらせてもらう。
もしかしてこれは早退か、となり、早退ってまだこそばゆい響きだなあとなる。
いつもと違う時間に駐輪場に行ったら、いつもと違う猫がびっくりして逃げていった。
11/3
足が腫れると人間は動けない。
本→音楽→寝→本→音楽→寝→......をくりかえしてちょっと悲しくなる。
悲しみが悲しみをよんで、冬を越せる服がないと冬を越せない妄想が激しくなってくる。ちゃんと越したい。冬。
11/4
足が腫れると階段が難しい。
お仕事場内を移動する際に、エレベーターというエレベーターを使うことにした。
増設&増設の建物だからか、エレベーターの種類がちょこちょこ違っている。ボタンのかたちとか、しゃべったりしゃべらなかったりとか、階数表示の画面とか。
いろんな大人の事情とかこだわりとかについて考えて忘れた。
夜、こわい荷物がきたのでべっこべこに凹んだ。
11/5
足がー、足がー、足がちょっと動くようになった。
凹んだ荷物はまだ向きあうと悲しくなるものだけ送り返すことにした。なんとかなる気持ちになった。
足が動くのがうれしくて、夕飯を念入りに選んだり、文房具を眺めたり、我慢していた大奥を買ったり、じゃがりこを食べたりした。
大奥の問答無用さがいつもすごい。十二巻はわりとほっとできる巻だった。
路銀、ということばのひびきも漢字も好きだと思う。
11/6
足が駄目。昨日うれしくて動かしたから。
金属製の木管楽器をやっている人から、手首がやられるという話を聞く。吹いている時のフォームを見せてもらったら、たしかにかなりの角度だった。記号の「 、もしくは、」、みたいで、すごい。
インフルエンザの予防接種を受けた。看護師さんやお医者さんとなるべく会話をして、痛みの想像と痛みそのものを紛らわせようとする。たのしかっただけで普通に痛かった。
注射跡を押さえるアルコール綿を歩いている間に落としてしまった。
11/7
足があいかわらず、と思ったら、注射した腕のあたりも腫れてきた。
何かいつもと違うことをしようと考えて、話題のおそ松さんを観た。1話と4話。エンディングのからし。色が好きだ。
お酒を買いに行ってお酒を飲んだ。
チーズをむさぼりたくてチーズ鱈を買い、さらにチーズオムレツを作る。
片付けて寝ようとしている時に、腕の腫れている方をぶつけて痺れた。かなり痺れたので、虚空に痺れた、と主張した。
11/8
足が落ち着いてきた。そのかわり、腕がしっかり腫れている。
「不安になると思って黙ってたけど、普通そんなに腫れないよ」と微笑まれて、ちょっと悪夢みたいな感覚だった。
雨なのか雨じゃないのか悩んでいると降ってきた。
このあたりで、一週間をふりかえってみよう、と遡ったら今日に追いついて止まった。
今、画面では、大量の武器を持ってハイテンションになった主人公が麻薬畑を焼き払っていて忙しそうだ。
世界のどこかにはほんとうにこんな人がいるのかもしれない。
いるとしたら、ちょっといい枕で寝てたりしててほしいな、と思った。
20151101〜20151108
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