ファインダー越しのバルセロナたち
海外は不思議だ。
いつもならなんてことのない風景も、海外にいるとふと足を止めて一枚撮りたくなる。おかげさまでお家に帰った時にはアルバムの桁が一つ大きくなっていた。なんで撮ったのか分からないものも多い。
写真を整理し、数週間前を思い返す。その一環としてnoteにもさらしてみる。
①水を汲んでいるおじさん
バルセロナ中心部に忽然と姿を現す水汲み場は、現地の方の待ち合わせ場所となっているようだ。私たちが通りかかったときも、学生たち(と思われる)がスマホを片手に待ち人を探していた。
そんな中すたすたとやって来て水を汲み、またすぐ帰っていったおじさんがいた。スーパーのエコバックに荷物を入れたその姿は堂々としたものだった。しかしその水は一体どこに持っていくのだろうか。
②こ っ ち を み て い た
サクラダファミリアは思った以上に大きかった。そして外見も中もうねうねの岩肌が見えている。そんな教会の生誕の塔にはエレベーターで上がっていける。ここだけうねうねではなくカチカチの金属。
すらすらとガイドのお兄さんの口上が終わると同時に着いた塔の上。バルセロナの街並みを一望するにはちょうどいい。帰りは階段のみ。えっちらおっちら降りてくる。
降りる途中誰かの気配を感じた。外はビル3階以上の高さなのだが、恐る恐る振り返ると……
③おしゃれなダウンジャケットですね
午前9時。スペイン人が朝ご飯を食べだす頃にバルセロナを歩く。細い道が多い旧市街は、ふらふらあてもなく歩いているとすぐに迷ってしまう魔窟でもある。ただしそこにある景色は最高だ。日本ではみたことのない窓の形、お店の看板、落書き。異国に来たという気分が盛り上がる。
そんな興奮の真っただ中にすれ違ったのが赤いダウンジャケットのお兄さん。スリムなボトムスは黒、トップスも黒というシックな装いに醒めるような赤が素敵なコーディネートだ。ハンチング帽も似合っている。
ふと自分にも似合うか考えてみた。答えはNO。骨格は偉大だ。
④ハトはなぜ集まるのか
腹ごなしの後、お土産を買いに行こうとグーグルマップを片手に歩いていた。向かうのはナッツ類が有名なお店。宿泊していたホテルからは20分程かかるが、公共機関やタクシーを使うまでもない。
見知らぬ道をきょろきょろしながらてくてくと歩く。おそらくローマの史跡と街路樹のお花を見ながら道を進む。やっと目的地付近の住宅の角を曲がると、そこにはハトの群れがいた。群れの真ん中にトウモロコシのようなものが見える。おそらく近所の方がエサを与えたのだろう。そのがっつき様にやはり花より団子なのだな、しみじみ思った。
⑤絶対撮らせない魚VS絶対撮りたい人間
意外に思うかもしれないが、バルセロナは港町だ。市街地を東へ行くと30分もたたない内に海に到着する。メトロやバスだともっと早いだろう。
そして海に近くには水族館がある。ここの水族館はサメの水槽に人間が入り餌やりをできるのが目玉だそうだ。正直そんな恐ろしいことはしたくはない。ただ物好きはいるものである。私たちが行ったときにも4人ほど、サメの水槽にダイブしている方がいた。
水槽外のお客様はサメよりもエサやりをしている人間を撮影する。もはやサメを見に来たのか人間を写しに来たのか分からない状態だ。
そんなサメの水槽に行く前に出会ったのがこの子。他の子はわりかし素直に撮らせていただけたが、この子は動きが素早すぎて取れない。ここに戦いの火蓋が切って落とされた。
さっと左側に移動し近づく。さらりと方向転換をする魚。難しい。追いかけて上の方にカメラを向ける。速い。もう居なくなっている。ちょっ、っちょっとでいいから止まって!と話しかけながらも全然うまく取れない。
結局ブレブレのこいつがベストショットになった。また次の機会にリベンジしたい。その時まで生きてろよ。
⑥鎮座するご婦人
ガウディ建築、カサ・ミラの前に鎮座するのはこのご婦人。まったく調べてないのでどなたかは存じ上げないが、さぞ高名な方なのだろう。
そしてもう一つ見てほしいのが、赤信号の前にいるおっちゃん。車来んかったら行ったろっ、とばかりに一歩を踏み出すか判断している。スペインは信号無視多発地帯なのだ。(もちろん例外の方もいらっしゃる)
⑦すごくおいしい汁
サクラダファミリアを一本奥に入った通りにある魚屋さん。テイクアウトもイートインも出来て観光客に超絶人気らしい。私たちが行ったときも中国人の団体さんが2組ほどいらしてた。
ここはバルセロナで一番おいしかった店。特にロブスターのスープは食べたことのない濃厚さと旨味がぎゅっと詰まった一品だ。
ひと匙すくって食べる。うまい。口の中がオーシャンビューやぁと同行者に言いそうになる。言ったらアンニュイな笑顔が返ってきそうなので言わなかった。
おもろい街バルセロナ
以上がバルセロナで取った写真だ。少しバルセロナに行ってみたいと思っていただけただろうか?
日本人がヨーロッパを旅するとき、まず候補に挙がるのはイタリアやフランスではないだろうか。もちろん両国ともとても楽しく生涯忘れない思い出を作れるだろう。ただスペインもよい。ソーベリーッグッドなのでぜひ今度旅行に行くときは候補の一つに加えてほしい。