Great Resignation とSalary Transparency Law攻略のために不可欠な総報酬(Total Reward)
アメリカでは最近、新規採用などの際に対象ポジションの給与に透明性を持たせるレギュレーションが増え始めており、直近ではニューヨーク市で発表され、2022年11月1日から有効となるという事で各企業は対応を迫られています。
ポイントは、単に給与レンジを設ければ良いという事では無く、Great Resignationの影響で「超売り手市場」となっているアメリカのビジネス環境で、給与だけでは無い「従業員の待遇」、即ち総報酬(Total Reward)についてより深く考えるという所にあるため、今回はその総報酬(Total Reward)を構成する要素やその重要性を考察しています。
▶広まりつつある給与透明性の義務化
アメリカでは給与に透明性を持たせる流れが広まっており、直近ではニューヨーク市で「Salary Transparency Law」という新たなHRレギュレーションができ、2022年11月1日から、従業員4名以上の雇用主でニューヨーク市に1名以上従業員が在籍する場合に、募集・昇格・配置転換などの情報に、最低/最高賃金を明示/記載しなくてはならない事となりました。これは簡潔に表現すると、各ポジションの給与レンジを決めておく必要があるというものになり、社内の掲示板/インターネット上の広告、就職フェアなどで配布する告知、新聞広告などでその情報を記載しなければならないという事です。注意点としては、例えリモートであったとしてもニューヨーク市内で業務が行われるのであれば、ニューヨーク市以外に拠点を構える雇用主であってもこれを守らなくてはならず、この給与レンジを明示/記載しない事は “unlawful discriminatory practice (違法差別行為)”とみなされ、最大$125,000の罰金の対象となる点が挙げられます。
同様のレギュレーションは、カリフォルニア州、コロラド州、コネチカット州、メリーランド州、ネバダ州などでも存在し、今後他のエリアでも採用されていくと考えられています。これは、もともとEqual Pay(賃金公平性)の考えから来るもので、特に性別による賃金の不公平を撤廃するという事で、#MeTooムーブメントの流れを汲んでいるとも言われています。(#MeeTooに関する詳細はコチラの記事をご参考にしてください。)
▶給与レンジに不可欠な内外部の要因分析
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