変な箱から伸びる手に、表情が見えてくる。コメディアス「キャッチミー開封ユーキャン」
怒りや落胆、その表情のある複数の手が、
ギミックまみれの箱から脱出しようともがいている!
そんな一度目にしたら忘れない、異様な光景が広がる
コメディアスの舞台「キャッチミー開封ユーキャン」。
10月2日の千秋楽を見に行きすごい笑った。舞台には、箱がぽつんとあるだけ。その箱の中に閉じ込められた男が、小さい穴から腕を出しヒントを探り、脱出するまでの奮闘を描ききった「開封コメディ」。その感想を書きます。
まず惹きつけた鍵は、舞台の持つ「緊張感の共有」だと思った。
劇がフィクションと分かっていつつも、今もし手が滑って道具を落としたら・・・この手渡しをミスったら・・・この人たち出られなくなるーーーと、観客も緊張感を持つ。そして本当に終演時刻に間に合うのかーーという点もハラハラ。
これは、前作の「段差インザダーク」のハラハラ感や、「トートラインがゆるんだら」の緊張感に似ている感じで、演劇ならではの体験だと思った。
そして劇中では箱に多数のギミックがあしらわれ、次々と見つかっていくヒモ、磁石、暗号などの絶妙に難しい仕掛けの数々に動揺し、役者たちが自身の体の限界に挑戦していくーーー。
そして、役者の手にだんだんと表情が見えてくる、焦りが見えてくる、怒りが見えてくる、落胆が見えてくる!
この姿は、演劇を見たことのない人にも見てもらいたいなと思い、
10月16日まで配信中とのことで、こちらに配信のリンクを貼ります。
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ここからネタバレです
どれも面白かったのですが、まさかの箱からキーボードが出てくるところがめちゃくちゃ笑いました。キーボードって会社によって微妙に配置が違ったりするのもイラつくし、そしてまさか本来とは逆向きの位置からキーボードを打つ、という有り得なさすぎるシチュエーションがツボでした。
そして箱の壁に記されていた、暗号を読み解いていくうちに、なんとか「ADVENT」というゲームの暗号っぽい言葉にたどり着いた!という時の、役者たちの喜びっぷりが笑った(それを外から眺めていても、やっぱりこんなところにADVERTISEMENTって付くのはおかしすぎるよな、と笑いました。この一連のネタを思いついた時の盛り上がりぶりが羨ましいです)
カシャンカシャンのやつで伝わるアレ、日常で気になっていたけれど、こんなにもフィーチャーする劇はこの世にないんじゃないか・・・とも思いました。笑いました。
役者の皆さん、スタッフの皆さん、あいれさんお疲れ様でした・・・。
コメディアスの皆さんのホームページ
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