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“縦に速いサッカー”とは【171110_欧州遠征①_vsブラジル代表】

本田、香川、岡崎の、いわゆる“ビッグ3外し”の話題沸騰で始まった今回の日本代表欧州遠征。

アウェイで強豪国と試合が出来る数少ない機会として注目されていた遠征の1試合目は呆気なく終了しました。

日本1-3ブラジル

正直スコア以上の差を感じる試合でした。

それはもう切なくなるくらいに。

ハリルの試合後コメントも本当つよがりにしか聞こえなくてツライ。。

(ハリル試合後の記者会見記事はコチラ)

この試合で代表100試合を達成した長友や、招集外の本田が試合後に残したTwitterでのつぶやきがリアルを捉えてるかなぁ。。

何にそこまで差があったのか。

それはハリルが就任以来掲げてきた、“縦に速いサッカー”の実践度合いにあったんじゃないかなぁと。

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【分析視点】日本とブラジルの“縦に速いサッカー”は何に差があったか
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2010年南アフリカワールドカップを制したスペインの“ポゼッションサッカー”に対して、2014年ブラジルワールドカップを制したドイツのサッカーは“プログレッションサッカー”と称されました。

ボールを保持しながらも、パス&ゴーの意識を強く持ち、常にスピーディーかつ効率的にゴールへ向かう、前進する(=プログレッション)、いわゆる“縦に速いサッカー”です。

以来、各国代表やクラブでの戦術トレンドは、この“縦に速いサッカー”が中心となっていきます。

それはハリルが就任した日本代表も例外ではなく。

そして今回、フランスはリールで対峙したブラジル代表もまた、その“縦に速いサッカー”をもって、18年ワールドカップ南米予選を圧倒的強さで突破してきました。(18試合41得点11失点、12勝5分け1敗、2位ウルグアイを10上回る勝ち点41)

ちなみにブラジル代表は14年大会でドイツに1-7という歴史的大敗を喫しています。

このサッカーの強さを身をもって痛感しているからこそ、18年大会を目指す彼らの“縦に速いサッカ―”には迷いがなく、魅力的で、かつ結果に繋がっているのかなと。

迷いがないというのは、恐らくそれは縦に出ていく際にボールを失わない技術、自信があってこそだろうけども、とにかく縦に仕掛けるときの中盤の選手、もしくはサイドバックの思い切りが本当に良い。

ブラジル代表の一つのカタチとして観られた、『DFライン、もしくはボランチから両サイドウイング(特に左サイドのネイマール)にロングボールを入れる場面』、例えばネイマールにボールが入った際には、必ず左インサイドハーフのフェルナンジーニョと左SBのマルセロが高い位置でのサポート、もしくは追い越して前のスペースでボールを受けようとしていました。

そしてブラジル代表の縦への意識は同サイドだけでなく、逆サイドの右インサイドのジュリアーノ、右SBダニーロもきっちり攻め上がってくるわけです。

こうなると日本の守備陣は左サイドに意識も重心も持って行かれているわけですから、当然右サイドの攻め上がりに対しては後手を踏み、攻め切られてしまうわけです。

前半立ち上がり2:50、マルセロから入ったロングボールを収めたネイマールが、カットインして右から攻め上がってきたジュリアーノにパスしてシュートまでいかれたシーンは、その典型でした。

そして何よりブラジルが徹底していたのはパス&ゴーです。

パスを出したら走る。

仕掛ける際にはこの基本戦術を選手全員が徹底してくるからこそ、ブラジル代表の攻め上がりには迷いがなく、迫力あるものになっていたのでしょう。

その良い例が日本の3失点目です。

自陣の中盤底でボールを奪ったジュリアーノはセンターサークルまでボールを運び、右寄りに流れてきたネイマールに預けます。

ネイマールを追い越して前進するジュリアーノ、そこにネイマールが横パスリターンすると、ジュリアーノは左に流れていたジェズスにパスを出します。

この時ポイントなのが、横パスを入れたネイマールがきっちりパス&ゴーでPAに入ってきていること、そして前述した思い切りの良さ、フェルナンジーニョがものすごい勢いでPAに入ってきていることです。

こうなると日本のDF陣は完全にネイマールとフェルナンジーニョに引っ張られるわけで(なんと7人!)、結果的にジェズスからフェルナンジーニョに出してブロックされたルーズボールは、ぽっかり空いたPA前のスペースでカゼミーロに拾われ、右サイドのウィリアンに展開されます。

ここにまた思い切り良く攻め上がってきた右SBダニーロがボールを引き出し、低くて速いクロスを逆サイドのジェズスに通します。

もう打つ手なしで笑いました。完璧すぎて。

翻って日本が縦に速く仕掛ける際はというと、、

 ①後列の選手の攻め上がりが遅れがち

 ②ボールサイドの逆SBの攻め上がりが足りない(もしくは遅い)

 ③パス&ゴー、よりも、パス&サポートになっている

といったあたりが、同じ“縦に速いサッカー”を仕掛けるブラジルとの差だったかなと。

まぁブラジル相手にリスク承知で思い切り前に出ていけというのが無理な話か。。

【分析視点】日本とブラジルの“縦に速いサッカー”は何に差があったか

【検証結論】ブラジルの攻撃力に備える余り重心が後ろに残っていたことや、縦へのくさびのパスのズレ、あるいはくさびを受けた選手のコントロールのズレによって後列の選手が思い切り良く前に出れないことによって、上記①②③が起きていた。

【タラレバ提案】ブラジルに対して退いてブロックを堅めてカウンターを狙うのであれば、CFは『ボールを収められる』大迫ではなく、『シンプルに裏抜けを狙える』興梠や浅野で良かったのでは。

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