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Photo by
mohuco
読書記録「暗黒童話」
今日の1冊は乙一さんの作品を紹介します。
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。
〜読後の感想〜
物語は、少女と作家の目線で進みます。
最初は話の流れがつかめなくて少々分かりにくく感じたところもありました。
話の中心は一人の「女子高生」です。
彼女は事故で記憶と左眼を失い、移植で死者の眼球を提供されます。
その眼球には提供者の生前の記憶が残っており、女子高生は眼球を通じて提供者の記憶を覗いていきます。
そこに映る記憶は一人の少女がある屋敷に閉じ込められている映像…。
女子高生は記憶に導かれるように、提供者の住んでいた街のとある屋敷に向かいますが、そこでは恐ろしい出来事が起こっていたのです。
その屋敷に住むのは、一人の男性。
他に、不思議な人間?たちが住んでいました。
女子高生が屋敷に向かうと、屋敷の地下には、記憶で見た少女と、体がくっついた男女。
しかし、屋敷に住んだ男性は何者かに殺害されていた…。
犯人は、なぜ男性を殺害し、少女を屋敷に閉じ込めたのか??
そして、屋敷の地下に住む体のくっついた男女たちとは…?
そこには驚きの真実がありました。
作品中に不気味な雰囲気を漂わせ、さらに殺人事件が起こるというミステリー要素も含まれるダークな読み心地でした。
文章表現は多少グロい場面があるので苦手な方は注意していただきたいですが、ホラーとミステリー好きの方にはおすすめの作品です。