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読書記録「ホーンテッド・キャンパス〜秋の猫は緋の色〜」
〜今日の1冊〜
今日は櫛木 理宇さんの作品を紹介したいと思います。
大学祭前。キャンパス内は浮かれた空気だが、オカルト研究会には相変わらず恐怖の依頼が。「彼女の体の痣が、人面瘡になってしゃべり出した」―ほか、頻発する放火現場に現れる猫と、「猫の幽霊が出る喫茶店」の噂が紡ぐ物語や、未解決の女性連続殺人事件にまつわる身の毛もよだつ怪談など、ハイクオリティな怖い話が満載!そして森司とこよみのじれったい両片想いの行方は…。青春オカルトミステリ、期待しかない第15弾!
〜読後の感想〜
今回は3話からなる連作短編でした。
印象に残ったのは2話目「赤猫が走る」と3話目「片脚だけの恋人」。
「赤猫が走る」では死んだ猫に会いたくて、その猫が現れたという喫茶店を探すお話。
動物が出てくる話はどこかほんわかとした気持ちになれるところが好きです。
猫好きのこよみちゃんもいつもより饒舌に話していたのでそれもまた可愛かったです。
自分が好きなものになるとお話したくなるってよく分かりますね。
「片脚だけの恋人」は一言でいうと人間の執着の強さをこれでもかと見せられました。
数十年前の人物の思いが現代まで続いている…これってよく考えてみたらすごく怖いことですよね。
愛する人を殺すことで一生自分のものにしたいというのもまた恐ろしいです。
1冊の本でまるで「光と影」のような書き方をされる作家さんです。
怖いけど読む手が止まらない、やっぱり大好きなシリーズだなと改めて思いました。