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読書記録

■ホーンテッド・キャンパス最後の七不思議/櫛木理宇

近づくクリスマス。こよみちゃんとのイヴデートを夢見る森司をよそに、オカ研には緊急の相談が。七不思議「ササラ先生」。夜の学校に現れ、怒らせると家を訪ねてくるというそれが、真夜中に部屋の窓を叩いて呼びかけてきた――。戦慄の七不思議誕生に隠された衝撃事件とは? 閉ざされた学校で膨れ上がる怨念が、森司たちを追い詰める! ほか、掛け軸を抜けだす女、進化する瑕疵物件など、恐怖も恋も止まらないシリーズ第17弾。

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今回は個人的にはホラー感が薄めの印象でした。
連作短編ですが1冊の中での物語の繋がりが強いと感じました。
自分が望まずして周囲から期待をかけられ、それに押しつぶされていく心の葛藤や苦悩、生きづらさは現代も昔も共通しており、それらに呼応するように死者の記憶も現代の者の体という器を借りて残り続ける…。
読んでいてなんとも言えない気持ちになり、色々と考えさせられる1冊でした。

■盤上の向日葵(上)/柚月裕子

さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?

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将棋とミステリー?と思い中々手に取れなかった作品でした。
ですが、読み進めると中々に奥が深い…。
将棋の試合の緊迫感が伝わってきて、難しいことには変わりないけど読み飽きることはありませんでした。
将棋のプロを目指していた刑事という設定も珍しくないでしょうか。
まだ上巻ですがこれは感動作になりそうな予感…が個人的にしています。
殺害された人物と犯人との繋がりが気になるところです。

■ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜/三上 延

太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。 違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。 本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていたのだ。 過去と現在、まるで再現されるかのような奇妙な巡り合わせに、薄気味悪さを感じる二人。それは偶然か必然か? 深い謎の先にある真実とは?

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久しぶりにビブリア手に取りましたので、記憶を取り戻すのに時間かかるかなと思いましたが、読み始めると案外すんなりと物語に入っていけました。
今回は、1冊全て「太宰治」の話が書かれています。
名前は聞いたことあったし作品も知っていたけれど読んだことはなく、太宰治という人間性みたいなものもよく分かっていなかった私からしたら、読んでいてとても興味深い話ばかりでした。
実在していた人物だからこそ読んでいてすごくリアルに感じられたっていうのも良かったですね。
人物関係がちょっと私には難しいというか複雑な感じで「そことそこが繋がるの!?え、そーゆーこと!?」と一人パニックを起こしつつ、最後の最後にちょっとびっくり!?な内容もあって…これは間を開けずに次を読みたいと思わせてくれるラストでした。


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