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疾風怒涛音頭

タチの悪い冗談を言ったら、数日後に本当になるなんて思わなかった。
西村修、かみさまになれ。頑なあのスタイル、本当にすきだった。ぶきっちょなところをみたことがあって、よけいすきになりました。
本当に「インドで修行し」ちゃうレスラーなんて、あンたクルクルパーだよ!

クサクサすることが多いので、日曜におもしれぇぇ!と評判の映画を観た。

トワイライト•ウォーリアーズ。
もう取り壊されたクーロン城砦に関する映画だ。例によってタイトルくらいしか知らずに映画を観た。
映画のドあたまで「あら、これ任侠ものなの?困ったなあ」と思った。バトルも任侠も苦手だ。
映画館でアクションもの観るのも「マッドマックス:フェリオサ」以来だ。

アクションシーンが、長い。
何分か寝落ちしても続いている感じ。しかし、目が離せない。アニメみたいだけど、要のところに実になまなましい格闘技の動きが入ってないだろうか。

主役はクーロン城砦、であろう。
クーロンという町がひとを喰わせ、ひとを狂わせる。
映画観る前日に川井憲次が音楽やってるって聞いた。低空を飛ぶジャンボジェット機に川井憲次の音楽。Ghost in the shellのあの町は水没した香港を念頭に置いてたんじゃなかったかね。

99年まで、自分から海外に出かけるなんて考えなかった。ただの出不精だった。それでも、クーロンのチョンキンマンションというゲストハウス?には興味があった。

かつて憧れた、もうなくなった町を映画で観た。

土曜に山谷だとかドヤ街がすきなともだちと話してて、ドヤ街は魂のふるさとだよ! 町ってのは本来ああいうものだし、かっこつけることを放り出したらドヤ街になるんだって言って、あーオラそういうことを考えてたのかって、膝を叩いた。
ドヤ街の住人になったことないのにね。

極太の人情の柱。翻って、ぼくは誰にも必要じゃなかろうし、必要な誰かの顔が思い浮かばないでいる。これはなんなのだろうか? うすっぺらさに背筋が冷える。
電車でみかけるスマートフォンにくびったけのひとたちは誰を必要としているのだろう。濃密な映画を観て空疎な世界に帰ってゆく。空疎をみたくないから映画を貪るのか。
その気になれば、太い人情を獲得できるのか?

それにしても、だ。
番号で伝言をやりとりするとか、ヤでも数年前の香港の闘争を連想してしまう。あのうねりも圧倒されて、溢れる顔認証システムに包囲されている。

「おう、確かに今はとられたよ。だからなンだ!」そういう香港人の矜持に触れた気がする。なんだ、フェリオサと繋がってるよ。

歌を歌うことが歌だとは限らない。バトルだけが戦いだとは限らない。

https://youtu.be/vNgvptuzTL8?si=_Xkfy1trJbzafsFy


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