オックスフォード大学の学生になる

さて、皆さんにオックスフォード大学という組織について少しお話しさせてください。オックスフォード大学は実は大学としての建物はありません。学生や教員はいくつかあるカレッジに所属します。カレッジは大きな寮、土地、講堂、中にはワイナリーなどをもっていて、学部生はそれぞれの学部で講義をうけ、カレッジでホームルームのような講習をうけます。基本的に学部生はカレッジの寮で生活し、カレッジの食堂で朝食と夕食をとります。ランチはそれぞれの学部の研究室がある場所などでとるか、あるいはカレッジでとることもできます。このため同じ医学部一年生であってもカレッジはバラバラなので、学生は医学部の友達意外にもカレッジないで別の学部の学生と知り合い、また部活などでも別のコミュニティに属することができるので、そういうことが億劫でなければ幅広い人脈形成ができるしくみになっています。一方で大学院生はカレッジの寮に入る人もいれば、家族と一緒に大学とは関係のない住居に住んでいるひともいます。またカレッジによっては家族用の住居を安く提供していることもあります。大学院生にとってカレッジはご飯わ食べに行ったり、あるいはソーシャルな場と捉えられていることが多いと思います。カレッジごとに図書館があり、また大学としても別に図書館があるので、勉強しにくる学生もいます。基本的に学生であれば別のカレッジに出入りできますが、食事などは別のカレッジの友達に招待してもらわなければ自分のカレッジでしか食事はできません。また部活もカレッジごとにあり、カレッジごとに対抗戦などもあります。カレッジとは別にユニバーシティの部活もありますが、こちらはもう少し本格的なもので、中にはオリンピック選手などを輩出している部活もあります。話はそれましたがカレッジはそれぞれ特徴があり、医学部に強いカレッジ、法律に強いカレッジなど入ってみて初めてしることもありました。例えば私の所属していたカレッジはお金持ちのカレッジで、家族向けの2 bed roomが一月600ポンド(光熱費込み)でしたが、同じ通りの別の同じような部屋で、違うカレッジが所有していた部屋は1100ポンドでした。また私のカレッジは食事が安く提供されていましたが、別のカレッジではお高めな値段設定だったりと、カレッジによってその後の生活が結構変わる気がしました。色々なところに知り合いを作ってお互いのカレッジの食事に招待し合うと言うのは結構みんな楽しんでやっているアクティビティの一つです。私は家族連れだったので、家族用の宿舎に住んでおり、幸いにも同じような境遇の学生が集まっていたので、お互いすぐに打ち解け、子供をお互い預けて大人だけ出かけたりと楽しく過ごすことができました。



オックスフォードは多国籍で非英語圏からの学生も多数ですが、彼らの英語レベルはほぼネイティブです。いや、私の英語レベルが低いのでそう感じたのかも知れませが。特に私はあのクイーンズイングリッシに初めからてこずりました。昔、語学留学できたときは感じなかったというか、現地のイギリス人と込み入った会話をしなかったからなのか、よくわかりませんが、とにかく相手のしゃべっていることが余りにわからなかったのです。また日本でもそうですが、イギリスでも地方によって独特のアクセントがあり、これが一層私を苦しめたのです。大学の学部のオリエンテーションなどで現地の人たちが自己紹介で、アクセントで出身地がわかるでしょ?みたいなこと言うんですが、私にはただただ聞き取りにくいブリティッシュアクセントくらいにしかわかりませんでした。またある時、どうしても電話をしないといけないことがあり(当時の私も妻も電話が最難関の英語の試練でした)、とある会社にかけたのですが、最初の質問がID確認のための名前と生年月日を答えると言うものでした。そんなの中学生レベルの英語、と思うかもしれませんが、相手がスコットランドなまりの英語でカタカナで書くなら

ワッツユアニーム?

ワッツユアディートオブビース?


みたいに聞こえるのです。今だからわかりますが、name やdateのaはスコットランドではエイというより、イーにちかい発音わします。なのでネイムではなくニイームとなるのですが、当時はこの人英語喋ってる??みたいになってしまい、私は何と

I am sorry, I do not have my name (ごめんなさい、私名前がないもので)。

と答えたのでした。もうラチがあかないので、とりあえず電話を切ってもう少し話がわかる(発音にクセがない)人が出る事を願いつつ、もう一度電話をかけると何と同じ人が出ると言う悲劇が繰り返されたのでした。

話の続きは続編で


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