機械学習・AI構築ツール(GUIツール)の普及によってプログラミングは不要となるか
結論
機械学習やAIを構築するツール(GUIツール)はすでに多くあり、大半の人は、プログラミングの知識がなくても、機械学習やAIをてっとり早く使えます。(「AIの民主化」)
大半の人は、今からわざわざPython等のプログラミングを学ぶ必要はないと思います。
GUIツールとは
GUI=Graphical User Interface
プログラミング言語の記述が不要で、マウスのみで済む等比較的容易に操作が可能なツールです。
一方で、機能に制限があったり、細かな工夫ができない場合もあるなどデメリットもあります。
GUIツールの位置づけ
機械学習・AIの活用をするにあたってのツールの位置づけについて分類を示します。
機械学習・AIのGUIツール・・・プログラミングを必要としないツールを活用
機械学習・AIの外部プログラム(API)・・・学習済みのモデルをAPIとして利用
機械学習・AIライブラリ・・・既存のライブラリを自身のプログラムで利用
スクラッチ開発・・・ライブラリを最初からプログラミング
機械学習・AIのGUIツールは、グラフィカルな画面と直感的な操作で、プログラミングなしで利用できます。
誰でもAIを使える時代となっており、「AIの民主化」と呼ばれています
GUIツールについて
以下のサイトにあるように、数多くのGUIがあり、用途や目的によって、適したGUIを選ぶことができます。
「プログラミング不要! 約50のAI構築GUIツールをまとめたサービスマップを公開!
ソニーが提供する2つのGUIツールを試してみた感想
①Neural Network Console
プログラミングをせずに、ニューラルネットワーク(ディープラーニング)のモデル構築ができ、学習、評価を行うことができます。
チュートリアル等を使うことで、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による手書き文字認識等を実際に行うことができました。
確かにプログラミングは必要とはせず、マウスのみの操作で、中間層を追加したり、活性化関数を変更したりといったこともできるのですが、ディープラーニングや基礎となる数学的な知識がなければ、思い通りにツールを使うことは難しいと思います。
ただ、このツールを活用している企業もでてきているので、目的とツールを使いこなそうという意欲があれば、機械学習・AIの初心者であっても活用することができると思います。
②Prediction One
プログラミングをせずに、機械学習による予測、分析を行うことができます。こちらもチュートリアルが用意されており、少しだけ例を挙げると下記のようなものがありました。
シーン:営業 分析:成約予測による有望顧客絞り込み
シーン:情報管理 分析:故障情報の自動分類
シーン:不動産 分析:成約価格の予測
例を見てもわかるように、広範囲な分野での利用が想定されています。
私も試してみたところ、自分自身の業務で使うデータで会計的な処理をこのツールを用いて実施することができました。
①のNeural Network Consoleは多少の知識や学習を要するとおもいますが、
Prediction Oneは本当に誰でも活用することができると思います。
Prediction Oneでは、画像データの解析はできませんが、時系列データの解析は様々なシーンで行うことができると思います。
GUIツールは、私たちが普段使っている、便利なアプリやソフトウェアと何ら変わらないレベルまで開かれたものになりつつあります。まずは、Prediction Oneを触ってみることをお勧めします。興味がある方にとっては楽しいと思います。
また、Neural Network Consoleは、多少の知識が必要と上述しましたが、書籍等も出ているので参考にしながら活用が図れると思います。私も購入しているので、別の記事でこちらの内容の紹介もしたいと思います。
<その他参照サイト>
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 ソニーグループで実用されているAIテクノロジー。「Neural Network Console」「Prediction One」でAIの裾野を広げる。
https://ledge.ai/sony-ledge-ai-expo/
「AI開発や予測分析をもっと身近な存在にソニーグループのAIは「誰でも使える」がキーワード」
https://brandtimes.jp/story/sonet/3WFTT