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ファシリテーションの基礎的な技術とWEB会議での応用

「ファシリテーションにどのように取り組んだらよいのか分からない。」「WEB会議だとファシリテーションがうまくいかない。」といった悩みをお持ちではありませんか?


本記事では、ファシリテーションの基本的なスキルWEB会議におけるファシリテーションのポイントを解説します。
この記事を読むことで、通常会議においてもWEB会議においてもファシリテーションにどのように取り組むべきかが明確になるので、ぜひ最後までご覧ください。

ファシリテーションとは

まず、「ファシリテーションという言葉の定義が分からない。」ということはないでしょうか。
FacilitaionのFacilは、ラテン語で「easy」の単語にあたり、「簡単にする、容易にする」という意味を持っています。つまり、「人々の活動が、容易にできるように支援し、うまく運ぶように舵取りすること」がファシリテーションの役割だと言えます。ですので、キーワードとしては以下のようなイメージとなります。
○=促進する、支援する、容易にする、円滑にする
×=教える、仕切る、リードする

ファシリテーター3つのスキル

次に、ファシリテーターに必要な3つのスキルについて説明します。
①場のデザイン ②対人関係、③構造化と合意形成の3つのスキルが重要です。

①場のデザイン

場のデザインは、会議のための下準備、段取り、設計といった内容を意味します。準備するポイントは、下図のようになります。

図1

これらの要素を共有することで、参加者の意識を合わせることが重要です。会議に際しては、実際に上記のような表に落とし込み、会議のデザインをするとよいでしょう。

②対人関係

ファシリテーションにおける対人関係のスキルは以下のような内容が挙げられます。
・傾聴して、メンバーに安心感、信頼感を与える。
・効果的な質問で、メンバーの意見を引き出す。
・呼び水を投げかける。

1点目の傾聴はとても大切なスキルで、ファシリテーターがメンバーの話を受け止めることで、発言がしやすい会議となります。

2点目は、メンバーの意見を引き出すとありますが、さらに2種類の引き出し方にわけることができます。積極的に介入する(プッシュ)と主体性を引き出す(プル)です。会議では、意見が出なくなって、沈黙してしまうこともしばしばあると思います。そのようなときに押したり引いたりして、意見を活発化させることができます。プッシュの具体例としては、一人一人に話を振る、質問内容を絞る、挙手を求めるといったことが挙げられます。プルの具体例としては、意見が出るまで待つ、他に同じ意見は?等と反応し呼びかける、少人数で話し合いをしてもらう、考える時間を持つといったことが挙げられます。

実際の会議の場では、傾聴や質問等に徹するわけではなく、話し合いの方向付けをするために、3点目の呼び水を投げかけることも重要となります。例えば以下のような質問を呼び水として使うとよいでしょう。
・こういう考え方もできるのではないでしょうか?
・どのようにしたらよいと思いますか?
・私たちとしてはこの後どう進めましょうか?

以上の内容も踏まえて、会議の場での問題に対する対応策を下図のように整理しています。

図2

③構造化と合意形成

ファシリテーションにおける構造化スキルは、意見を整理し分かりやすく体系化することを指し、あいまいな言葉を明確にしたり、話し合いに見える化を図ったりすることがポイントとなります。これらに取り組むのに有効なのが、ポストイットや付箋、WEB会議でのホワイトボード機能といった、可視化するためのツールです。言語化することで、言葉や主張が明確になります。さらに、これらの意見の集合を、いくつかの分類(かたまり)に分けることで、話し合いのポイントが分かりやすくなり、議論が深まることにつながります。
合意形成も可視化された情報を取りまとめていくことで、共通認識を持ちながら、結論を導くことができます。

通常の会議とWEB会議の比較

通常の会議とWEB会議の違いやそれぞれのメリット、デメリットについて考えてみましょう。表に整理すると以下のようになります。

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WEB会議におけるファシリテーションのポイント

前述の表も踏まえて、WEB会議におけるファシリテーションのポイントについて説明します。まず、前提として、WEB会議はリアル会議の代替手段ではありません。WEB会議ならではのメリットもデメリットもあります。WEB会議で生産性を高めるために、WEB会議独自のお作法を心得ることが重要です。

WEB会議の良さは何と言っても、インターネットやパソコン等の環境さえあれば開催が可能で、場所の制限がなくなったことにあります。遠距離の相手とも、気軽に頻繁に会議を行うことができます。もう一つ、WEB会議ならではのメリットで見過ごされがちなのが、フラットな議論がしやすいということです。画面上では全員同じような見え方となり、上下関係等もあまり意識せずに済むため、かえって発言しやすいということもあるかと思います。

次に、WEB会議のデメリットに注目し、その対応策を考えてみましょう。WEB会議の一番のデメリットとしては、画面越しになってしまうことで、以心伝心、阿吽の呼吸といった感覚を持ちにくいことが挙げられます。視覚と聴覚しか頼れないという環境は変えることができないので、以下のような工夫をして、コミュニケーションの円滑化を図りましょう。WEBコミュニケーションのコツとも言えますが、特にファシリテーターは押さえておくべきポイントとなります。

姿勢や目線:カメラの位置を考えて、目線を上げて話せるようにし、カメラ越しにアイコンタクトを取ることを意識する。
表情:口を閉ざしていると、表情が暗くなりがちであるため、口角を上げて、笑顔を意識的に見せる。
声や話し方:はっきり明確に、明るく話す。WEB越しの場合は、通常よりもさらにロジカルな話し方を心がける。
傾聴:相手の話す内容に集中し、理解に徹する。
動作:うなずいたりジェスチャーを使ったりする。また、相手にもOKサイン等ジェスチャーを求めてみる。
可視化:書記の担当者を決めて、話している内容が見えるようにしながら会議を進行する。画面共有やホワイトボード機能等のツールも有効。

いくつかポイントを上げましたが、特に効果的だと思われるのが、カメラの位置を変えて目線を上げることと、書記の内容の可視化を図ることです。機材やツールを使いこなすことが、WEB会議の成功にもつながりますので、ぜひ慣れてみましょう。

まとめ

今回の記事では、ファシリテーションの基本的なスキルとWEB会議におけるファシリテーションのポイントについて解説をしてきました。通常の会議とWEB会議は別物で、WEB会議ならではのお作法もありますが、①場のデザイン ②対人関係、③構造化と合意形成の3つのスキルは、ファシリテーターが押さえておくべき技術で、通常の会議、WEB会議それぞれにスキルを適用することが重要です。
スキルの具体的な内容等も示してきましたが、スキルは一朝一夕に身につくものではありません。ぜひ実践を試みながら、ファシリテーションスキルの向上に努めましょう。



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